シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。
印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。
シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。
――覚者より 新しい時代の始まり
ベンジャミン・クレーム筆記
人類が現在地上に存在する本当の状況を知ってそれを理解するとき、彼らの大多数は抜本的な変化のみが大破局を防ぐだろうということに同意するということを知りつつ、あなた方の兄であるわたしたちは人間の反応を辛抱強く待つ。
ひとつ問題は、一般の人々が、人事をコントロールし、大体において、数えきれないほど多くの人間の必要と利権に反して働く巨大な既得権益についてほとんど知らないことであった。現在、世界の富の80%がわずかな数の一族や機関によって所有されている。その富の多くが“静的”であり、不動産や船舶、金、宝石、美術品につぎ込まれており、したがってほんのわずかな人々を益するのみである。そのような不均衡は、至るところの政府がある程度の社会正義に基づく社会を確立しようとする努力を混乱させる。
この不均衡は非常に古くから存在し定着してしまっているので、大変な努力か、あるいは世界的な経済の大惨事のみがその支配力を揺さぶるだろう。この状況に直面して、諸国の政府は国事の運営にあたってどうして良いか分からず、同時に、市場獲得のために互いに競争している。その結果は、必然的に大混乱の繰り返しであり、不安定状態であり、そして基本的な公共事業や海外援助のためのお金は慢性的に欠如している。世界の貧困国は苦しみ、したがって、人々は変化を求めて声なき声で祈る。より積極的な者たちは増大しつつある世界のテログループに加わる。
では、いかにして、受け継がれた富、停滞、そして革命をもたらす憎悪と暴力というこの悪循環を破るのか。
マイトレーヤは、公の出現の際に、この問題について語り、その仕組みとそれが国家および国際的な生存のすべての面に及ぼす否定的な影響を示されるだろう。世界の富の正しい、公正な分配のみが、すべての人間の望む平和を実現することができることを示されるだろう。分かち合いのみがそのような分配を可能にする信頼をつくることを、人類にはその他の選択はないことを──その他のすべての方法はすでに試みられそして失敗したことを、時間の猶予はなくなりつつあることを、マイトレーヤは示されるだろう。
そのように、偉大なる方は語るだろう。そのようにして、彼は、人々の意識を上げ、そして彼らが自分たちの窮状の理由を理解するのを助けるだろう。互いに深く依存し、非常に多くの危険な問題に直面している世界にとって、そのような不均衡は耐えられないことを示されるだろう。現在の役に立たなくなった制度機構の合理的な変容のみが、人間が未来へと前進し、その名に相応しい文明を築くことを可能にするだろう。
人々がマイトレーヤのことばを聴くとき、彼らは三つのグループに分かれるだろう── 一つはマイトレーヤの思いと彼らの行動を呼びかける訴えに心(ハート)から全力で応えるグループである。もう一つは対抗の妨害策を構築して真っ向から立ち向かうグループ。三つ目は、より小さなグループであり、不安のうちに脇に座して傍観する人々である。
徐々に、変化を、少なくとも試みなければならないということが明らかになり、何らかの実験的な試みがなされるだろう。これが多くの人々に分かち合いの実行可能性を確信させ、そして大宣言の日につながるだろう──新しい時代が始まったという合図である。
(シェア・インターナショナル誌2005年12月号)
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読者質問欄
世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。
(2004年6月28日、「より良い世界を想像しよう」におけるエリザベス・ロスとマクネア・エザードによるベンジャミン・クレームへのインタビューより抜粋)
Q 今日の世界には多くのストレスがあり、特に生計を立てるためのストレスがあります。無数の人々がこの状況に対処しなければなりません。それはなぜでしょうか。マイトレーヤはこれについて何と言われるのでしょうか。
A 誰もが生活の糧を得る必要があるのは当然ですが、そうするための環境は世界中で非常に多様です。電話の前に座って何らかの株や為替で数分の間に何十億ドルも稼ぐ人もいます。他の人々はわずかな手当のために日夜働き続けてやっと生きています。この問題を生み出すのは世界における分断です。
Q この日々の決まりきった仕事のために、多くの人々の創造的エネルギーが枯渇しています。
A そうです。それが問題なのです。1ドルを稼ぐために一日に10時間から15時間、18時間働いた後に、次の日の仕事のため以外のエネルギーを誰も持っていないのです。
Q それは例えば、アメリカや他の西洋諸国における経済制度と関係ないのですか。
A 分断は非常に全体的なのであらゆる点で関係があります。それは世界がいかに市場のフォースによって支配されているかを強調しています。人々は自由貿易市場経済に従事するよう奨励されていますが、それは先進国をますます束縛しています。そのために地球全体で失業が非常に増えているのです。製造業などの分野での大幅な機能集約による小型化は競争の圧力によって引き起こされます。競争は市場のフォースの道具であり、それは人類の生活を束縛しています。
マイトレーヤは市場のフォースを悪のフォースと呼びます。なぜなら、それはそれ自体の中に不平等を含んでいるからです。それはあたかも私たち全員が同じ競技場でプレーしているかのような経済規範と考えられています。しかし、そうではありません。アメリカや他のヨーロッパ諸国の財力と、ザイールやウガンダ、タンザニア、そしてインドやパキスタンのような国の財力とを比較することはできません。誰もが同じレベルで競争していると考えるのはナンセンスです。そうではないのです。
ですから、必然的に、開発国と開発途上国の格差はどんどん広がり、人々は「彼らを援助しよう」と言います。確かに私たちはそうします。しかし、ローンを提供するということは、年間2,000億ドルが途上国から開発国に還流していることを意味します。それに利子も加えてです。ですから「援助」が意味するのは、彼らが年間2,000億ドルを失うということです──それは援助ではありません! それは高利貸しであり、キリストがイエスを通じて、寺院から両替屋や高利貸しを追い払ったのと同じひどい状況です。ある象徴的な意味で、彼はそれを今日も繰り返していると言えます。
編集長への手紙
シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。
光の祝福
2009年10月にダミアン神父の列聖のためにローマを旅行中、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂で写真を1枚撮影しました。自宅で写真に、二人の人物が歩いているのを思わせる光の線があるのに気づきました。私が教会に滞在していた間、信徒席には祈りを捧げている男性が一人いました。写真には彼の姿が見えていませんが、彼の座っていた場所に(写真を撮った時、彼が確かにそこに座っていたことは分かっています)、光が見えているのです。私が教会にいた間中ずっと、その男性はそこに座ったままで、別の写真では彼が信者席に座っているのが分かります。私はそこで祈り、すばらしい平安を体験しました。

オランダのアーペルドールンから参加した私たち5人は、アントワープ・エギディウス信者会が、ホームレスや難民、アフリカでのエイズ問題や世界平和に取り組むことを目的としているローマの信者会と会合するための巡礼の旅に同行しました。ローマでは週に3回、無料の食事が多くの人々に提供されていて、年老いた人々のためのホームや知的障害者のための施設もありました。アントワープとブリュッセルでも、無料の食事がホームレスや難民の人たちに提供されており、貧しい地域出身の若者たちのための平和の学校もあり、ユダヤ教徒とイスラム教徒、キリスト教徒の間で対話が進展中でもあります。ローマやアントワープの信者会の例にならって、アーペルドールンの私たちも、ダミアン神父がハンセン病患者に献身的に尽くしたように、同様の活動を行っています。私たちの時代のハンセン病患者は、見捨てられた人々でもあり、ホームレスや年老いた人たち、エイズに苦しむ人たちや薬物中毒者といった人々です。私たちは友情と連帯の気持ちで彼らと親しくなりたいと思っています。
ダミアン神父の列聖は、50年にわたって存続しているローマの信者会と出会う機会であり、アーペルドールンでの私たちの活動の育みとなるものでした。願わくば、写真の光の徴が、私たちの活動と世界のエギディウス信者会の活動への、祝福であればといいと思います。
ロナルド・ダスホルスト
オランダ、アーペルドールン
軟着陸
1997年10月に妻と私は、当時87歳だった私の母に会うためにミネソタに戻りました。母は1カ月後に亡くなりました。
母からその冬の普通でない体験についての話を聞きました。母によると、食料品の買い出しに行く途中、雪や氷がまばらに残った食料品店の駐車場に車を止めました。歩き始めると、突然ちょうど足元にあった氷の上で足が前にすべってしまい、真っ直ぐに地面に落ちて、臀部を打ったということでした。そこにいた二人の男性がすぐにやって来て、立ち上がるのを助けてくれました。そのうちの一人は「とても親切な男性」で、食料品店の入口までずっと付き添って、母が大丈夫かを確認してくれたそうです。私は転んで怪我をしたのか尋ねましたが、「いいえ、ふんわりと転んだから」と言われました。
転んだ時の助けがあったのではと疑問に思ったので、その男性たちを以前見かけたことがあったか尋ねました(母は小さな町に住んでいます)。返事は「いいえ」でした。その後彼らを見かけたかを尋ねました。再び、返事は「うーん、いいえ」でした。母は奇跡や覚者方についての話を信じないだろうと思ったので、私はただ微笑んでうなずいていました。その後、その男性たちがイエスとマイトレーヤで、駐車場を歩いて店のドアまで付き添ったのはマイトレーヤであったことを、ベンジャミン・クレーム氏の師が確認されました。私は大喜びでした! 私の母は亡くなる前にマイトレーヤにお会いしたのです!
匿名希望
米国
時代の徴
ここに掲載されている「時代の徴」は、過去にベンジャミン・クレームによって確認されたものであるか、または確認されたものに似たもの、あるいはそれ自体が物語っている「徴」として掲載した。それらは多くの人に目撃され、彼らの希望と信の証しとなっている。判断は読者のみなさまにお任せしたい。
石の涙
2021年7月半ば以来、インドのウッタルプラデシュ州のある田舎の村に住むシャンディニという名の15歳の少女が、毎日10~15粒の石の涙を流し続けている。毎朝早く、シャンディニのまぶたの下に小さな石の塊が現れる。家族は彼女の目の端からそれを優しく取り除いている。石は一日中現れ続けるが、夜には現れないという。
対応した医療専門家たちは説明がつかず、そのうち数名はその状態は説明不可能なため、でっち上げであるに違いないと主張している。一方で、村人たちは少女が悪魔に憑依されたか、または何らかの危険な病気にかかっているのではないかと怖れている。
シェア・インターナショナル誌は1996年12月、ハスナ・メセルマニというレバノンの12歳の少女の事例を報じた。彼女はカミソリのように鋭い水晶の涙を流したが、痛みを感じることも傷を負うこともなかったため、医療専門家たちを困惑させた。シェア・インターナショナル誌は2008年3月、小枝に似た小さな木片の涙を数週間流し続けたアルゼンチンの9歳の少女の事例を報じた。こちらも痛みや傷はなかった。ベンジャミン・クレームの師は、これら両方の事例が「奇跡的な」現象であり、マイトレーヤによって顕されたと確認した。
シャンディニさんが「流した」石は、マイトレーヤが顕したもう一つのものなのだろうか?
(dailystar.co.uk; en.newizv.ru; latintimes.com;newsbreezer.com;mysteriousuniverse.com)

アメリカ──2021年9月18日の夜、イリノイ州シャボナで夜空を見ていた人が、頭上を静かに横切る明るい星型の物体を目撃し、写真に収めた。「私たちが今まで見た他のものとは非常に異なっていました」と目撃者は語った。肉眼では純白に見えるが、強力なズームで写真撮影をすると、その物体はとてもカラフルであった。
(mufon.com)
「私たちはいつまで人々が死ぬのを見逃し続けるのでしょうか」
気候変動対策の行動を起こしている世界の若きリーダーたちが、各国の指導者に地球保護の行動を取るよう訴えるべくイタリア・ミラノに集い、COP26準備サミットに参加した。COP26に向けたこのサミットで、国際的な気候危機対策の運動において最も目立っている二人の代弁者が、力強く感動的な演説を行った──ウガンダのヴァネッサ・ナカテさんとスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんである。
ヴァネッサ・ナカテさんは若いアフリカ人の活動家たちを勇気づけ、彼らのキャンペーン(運動)の舞台を整えるために「アフリカ向上運動」を立ち上げた。
ヴァネッサ・ナカテさんの演説の主眼点
「過去数年間に何度も、私は環境危機がいかにアフリカ大陸に影響を及ぼしているかを目撃してきました。皮肉なことに、アフリカ大陸は南極大陸を除くすべての大陸の中で最も二酸化炭素排出量が少ないところです。……にもかかわらず、多くのアフリカ人が環境悪化で命を落とし、数えきれない人が生計を失っています」
「これまでどのリーダーも取り上げてこなかったものがあります。それは喪失と損害です。私たちの多くにとって、削減したり回避したりするだけでは不十分です。文化の喪失を埋め合わせすることはできません。伝統の喪失を埋め合わせすることはできません。歴史の喪失を埋め合わせすることはできません。飢餓による命の喪失を埋め合わせすることはできません。絶滅による生物の喪失を埋め合わせすることはできません」
ナカテさんは気候変動対策の遅れによって生じる大きな損害について話し、また、世界がいったいいつまで対応を待たなければならないのかについて述べた。彼女はまた、マダガスカルで広がっている災害に関する最近の国連報告書に言及した──気候変動が誘因となり、4年間にわたる干ばつによって発生した飢饉のことである。
「私たちはいつまで、干ばつによる渇水がもとで人々が死ぬのを見逃し続けるのでしょうか。または洪水に見舞われて、空気を求めて喘がなければならないのでしょうか。こうしたことが起こり続けるのを見ている世界のリーダーたちは、どのような気持ちをお持ちでしょうか。私たちのリーダーたちが見逃すだけ地球は傷つくのです」
「どうしてリーダーたちは、私たちの惑星を破壊し自分たちの子孫の未来と現在とに害を及ぼす、新しい火力発電所建設を許し、石油パイプライン増設を許し、フラッキング(水圧破砕法)によるガス生産施設の増設を許すのでしょうか」
「もう空手形はいりません。もう何もしないサミットはいりません。もう会議はいりません。時間がありません。時間がないのです。最も被害を被っている人々の思いにどうぞ耳を傾けてください。そして、そうした場所を放置しないでください」
レタ・トゥーンベリさんの演説のハイライト
「気候変動は単に脅威となるばかりではありません。なかんずくそれは、私たちすべてにとって利益となる、健康で、緑豊かで、清潔な惑星をつくるチャンスなのです。私たちはこの機会をつかまなければなりません」….
「気候変動はさらに大規模な危機の単なる兆候にすぎません。危機の根底にあるのは、自分たちは他よりももっと価値ある存在であるから、他の人の土地を開発する権利があるとか、そこの土地と資源を取り上げてよいなどという偏見です。ですから、この根底にあるものを直視せずに問題を解決しようとするのは全く世間知らずのことです」。「私たちのリーダーたちが行動しようとしないのは、背信行為に当たります。権力を持つ人が、やろうとしたけれどできなかったと口実を言うことは許されません」….
「私たちはもはや、望むことをするのに権力を持つ人たちに任せることはできません。希望は受け身ではありません。希望はたわごとではありません。希望は真実を語ることにあります。そして希望は、いつも民衆の中から生まれるのです」
(globalcitizen.org;pbs.org)
親愛なる友よ、再びあなたがたと共に在り、
このようにして、あなたがたの志向を強化することができてうれしい。
わたしの到来は、人の心に変化への願いを、より良きものへの願いを喚び起こす──
それがどのようなかたちで表現されようとも。
わたしのエネルギーは、人の心に崇高なる不満を生み出す。
我々の機構の中で役に立たないものは、すべて捨て去られねばならない。
今日の人間に相応しくない機構が、多く存在する。
人は、生まれつつある神である。
したがってこの神が栄えることができるような生活形態を創らねばならない。
現在のような生き方に、あなたがたはいかで満足していられようか。
何百万の人間が貧困の中に飢え死にしているかたわら、
金持は貧乏人の前で彼らの富をみせびらかす。
人はお互いの隣人の敵であり、誰も兄弟を信用しない。
あなたがたはいつまでそのようにして生きねばならないのか、我が友よ、
いつまでそのような堕落を支持するのか。
わたしの計画、そしてわたしの義務は、あなたがたに新しい道を、
人の裡なる霊性を輝き出させる前進への道を、示すことである。
だからわたしは真剣に語る、我が友よ、兄弟たちよ。
わたしの言によく耳を傾けなさい。
人は変わらねばならない、あるいは死滅するか、
それ以外の道はない。
これを理解するとき、あなたがたは喜んでわたしの大義を受け入れるであろう、
そして人間には光に包まれた未来があることを、示すであろう。
わたしの教えは単純である。
正義と分かち合いと愛は、神の様相である。
己の神性を顕すために、人はこの三つを心に抱きしめねばならない。
唯一にして最も聖なる神の光と愛と力とが、
あなたがたの心(ハートとマインド)の裡に、今顕されるように。
それによって、大計画の中におけるあなたの役割を認識することができるように。
マイトレーヤからのメッセージ第81信、1979年9月12日
ジャンヌ・ダルク、霊的な使命
ドミニク・アブデルヌール
ジャンヌ・ダルク(1412-1431年)は、その生涯が非常によく記録されている数少ない中世の人物の一人である。これは、彼女自身の言葉を読むことができるルーアンの宗教裁判(1430-31年)や、幼なじみや戦友が多く証言した復権裁判(1456年)のおかげである。これらの文書はすべて、何世紀にもわたって歴史家によって研究や比較がなされてきた。当時の数々の証言が、彼女の役割と彼女に対する熱狂的な支持を証明している。
ジャンヌ・ダルクは、イングランドとの百年戦争の終わり、封建制と中世の終わりという、フランスの歴史上の重要な瞬間に現れた。オルレアンを解放し、シャルル7世を戴冠させるために出現したジャンヌは、フランス王国の成立に決定的な役割を果たした。….
ジャンヌ・ダルクと「声」
ジャンヌは1412年1月、ロレーヌ地方のドンレミ──王太子に忠誠を誓っていたブルゴーニュ地方の村──にある、それほど貧しくない農民の家庭に生まれた。羊毛を紡ぐのが主な仕事で、時には動物を飼っていたと裁判で述べている。非常に信心深く、友人たちから慕われていた。13歳の時から「声」を聞いていたが、そのことを誰にも言わなかった。そして「声」はジャンヌに、フランスを解放するためにヴォークルールに行き、王太子との謁見を可能にするロベール・ド・ボードリクールに会うようにと告げていた。1428年5月、ジャンヌ・ダルクは16歳の時に初めてその地を訪れた。「彼女の主である天の王は、王太子を王にすることを望んでいた」
3度目の挑戦の際、ボードリクールはジャンヌに剣と馬を与え、シノンに住んでいた王太子のもとに連れて行った。彼女は男物の服も与えられた。「私が王のもとへ行くや否や彼は私を受け入れるだろう、と声が私に約束した」
『マイトレーヤの使命 第Ⅱ巻』で、ジャンヌは聖マルガリータ、聖カテリーナ、大天使ミカエルの声を聞いたと思っていたが、実際は彼女の師であったヒラリオン覚者のただ一つの「声」によってコンタクトを受けていた、とベンジャミン・クレームは述べている。
10日間で500キロを移動した後、ジャンヌは1429年2月23日にシノンに到着した。王のもとに連れて行かれた彼女は多くの騎士の中に紛れていた彼を見つけ出し、オルレアンの包囲を解いてランスで王に戴冠と塗油をさせるという天の王からの使命を受けていると主張した。シャルル7世は、自分しか知らない秘密をジャンヌが知っていたため、彼女を迎え入れることにした。
王シャルル7世は、フランス西部にあるポワティエの聖職者に3週間にわたってジャンヌの審問をさせた。教会は、彼女がカトリックの信仰に少しも反しておらず、その支援を受け入れても問題ないと結論づけた。
ジャンヌが予言した四つのこと──オルレアンがイングランドから解放されること、ランスでシャルル7世が戴冠すること、パリの街がその支配下に戻ること、オルレアン公が解放されてイングランドから戻ってくること──は現実のものとなった。
ジャンヌは最初から、自分には時間がないこと、そして捕らわれることを知っていたのだ。
覚者と接触を持ったイニシエート
フランスの端に住む無学で無名だった17歳の田舎娘が、2年間で二重王政という制度を転覆させ、強大な権力を持つパリ大学──自らをフランス王国とキリスト教の知性のトップだと見なしていた
──に立ち向かい、フランス王国を建設することになる王を戴冠させ、封建領主の内輪揉めを国と国民を解放する戦争へと変え、非常に美しいフランス語を話し、法廷を支配することがどうしてできたのだろうか? 最も論理的な思考を持つ者たちでさえ、彼女には謎があると考えている。
ジャンヌは受け得る限り最高の教育を受けた。彼女の声が教えたのだ。魂との融合が第3段階のイニシエートにもたらし得る不滅の信仰と言葉では表せないほどの強さを持ち合わせており、覚者に日々支えられていた。ジャンヌは、神に従い教会や世俗的な権力からの自律を支持した。また、一人ひとりが己の魂や神と直接的なつながりを持つことや、政治や戦争という最も困難な領域でも己の信仰を貫く弟子の責任を体現している。ジャンヌは、自分の魂と直接かつ密接につながっていただけでなく、進化の一歩を踏み出してモナッドの意識レベル──神の意志を認識する力が得られるレベル──に達した。彼女は第3段階のイニシエートが「存在」のレベルを網羅し表現できる限りの範囲内で、神の大目的に奉仕するために生きた。完全に魂で満たされた神の計画および進化の代理人となった。このつながりがあったからこそ、ジャンヌは「天の王」の命令に基づいて行動しているという強さと確信を持って行動することができたのだ。
彼女の人生は、弟子と覚者との関係にも光を当てている。覚者は助言や支援をすることができるが、行動を起こすのは自身の運命を全うしなければならない弟子に委ねられている。….
気候変動から隠れる場所はない
ポーリン・ウェルチ
2021年3月中旬、英国中部。すでに私の庭園は、普通はだいぶ暖かくなった春の後半に見られていた、花粉媒介者たちでいっぱいである。ハナアブ、ツリアブたちは、見つけ出すことのできるものすべての周りをブンブンと飛び回っている。そして見つける対象は沢山ある。アオガラが窓の外にある巣箱に戻るが、巣箱がまだ貸し出し中であることを確認しているだけではないことは明らかである。木々は若葉と共に成長している。すべてが何か拍子抜けするほど穏やかである。至福の瞬間は、気候変動の厳しい現実によって否定される。
数日後、すべての活動が停止した。アオガラはいなくなった(アオガラはシジュウカラに似た鳥で、北米ではアメリカコガラとしても知られている)。花粉媒介者たちはいなくなった。私の忠実な古いローズマリーの株も、奇妙な病気にかかったように見える。他の多くの樹木や低木の若葉は、触るとカリカリに焼けたようにバラバラになり、ほこりに変わってしまう。ひどい霜が降り、空気が不安定になっている。自然は深刻な一時停止状態となり、再起動ボタンがどこにあるのかはっきりとしない。気候変動の衝撃が、私たちの探知をかいくぐって、音もなく滑り込んできている。
より広い視点
これは、いくつかの重要な作物への破壊的な結果を伴った、ヨーロッパの大部分に同様の影響を与えている気象現象の重要な一場面であることが判明した。季節外れの穏やかな気候が続いた期間は、急速な植物の成長をもたらしたが、3月最終週から4月第1週にかけて毎晩発生したひどい霜や身をさすような突風などの、突然かつ例外的な気候の変化に対して、脆弱性を残したままであった。ワイン生産者たちは、ブドウの木をできる限り救おうと必死になって、様々な戦略に頼った。例えば作物に貴重な水をスプレーしたり、農地を少しでも温めようと、多くのキャンドルやガソリンランプを灯したり、藁を燃やしたり、もしくは凍った芽に夜明けの太陽光があたる悪影響を防ぐために、煙幕を発生させたりしたが、それらによってCO2 排出と大気汚染が増加することになった。….
英国王立気象学会の最高責任者であるリズ・ベントリー教授は7月に次のように述べている。「気候に対する態度を変えるためには、しばしば大規模で強い影響を与える出来事を必要とします。ですから、最近起こっている異常気象が、問題に取り組む意思を高めることを期待しましょう」。しかし、それはあたかも、科学者たちでさえ依然として、衝撃的な気候現象を限定的で、一瞬だけ破壊的で、劇的なものであると考えているように聞こえる。もしこの図式の維持が許されるならば、私たちは気候変動を、「他の人々」に「他の場所」で起こる何かの現象として見続けるだろう。私たちが行うすべてのことを変えるための大規模な行動を呼び起こすのではなく、私たちの不安と感情移入を喚起しながら。
気候変動とは、名前の付いた暴風雨、大規模な火災、洪水、ひどい渇水だけではないことを理解するよう手助けしてもらう必要がある。そうしたものは、あらゆるところに蔓延する不安定な状態の急性症状である。気候変動とは、一年の不適切な時期に発生するハナアブやツリアブに関わるものである。アオガラの巣作りが早過ぎるか遅過ぎる場合、幼鳥のために十分な地虫を見つけられるかどうかに関わるものである。それは、異常と見なされるような凍てつく朝があまりにも長く続くことに関係している。それは、パリパリに焼けた葉に関係しており、6カ月または1年経っても地元の生産物を調達することができないことである。豊かな国にとって、それは選択が減少し続けていることに関わるものである。
気候変動は、私たちが思っているよりもすでにはるかに個人的で、回避することのできないものとなっている。それは一日中、そして毎日継続し、隠れる場所はない。それが何であるかを認識し、それについて何かをするための大衆運動の一部となることに喜びを感じる責任だけが存在する。
新しい時代の優先事項――選集
Priorities for the new times ― a compilation
「新しい時代の優先事項」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻と第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。
人間の仕事を助けるために、キリストは一定の優先順位を定められた。それが実施されるならば、均衡と秩序が確立され、それによって調和が創り出される。平和と福利はこの調和の上にかかっている。これらの優先順位は単純であり、自明である。しかるに、それがある程度、存在するところは現在どこにもない。列挙してみれば、それはあらゆる男女や子供の基本的な必要を満たすものである。第一の優先は正しい食物の適切な供給である。第二に、すべての者のための適切な住宅や宿である。第三に、普遍的権利としての健康管理と教育である。これらが安定した世界のための最小限の必要条件であり、これを保証することが、すべての政府の主要な責任となるだろう。それは単純だが、実際に開始されるとき、広範囲の影響をもたらすだろう。そしてこの地球に新しい時代を招き入れるだろう。
(『覚者は語る(Ⅰ)』─優先事項の立て直し─より)
金持ちの国と貧乏な国の生活水準の間にある大きな隔たりを許容する余裕を、世界はもう持ちません。その不均衡が今日の政治的、経済的問題の中核です。基本的にそれは精神的霊的な問題です。一方に物質主義と分離、そして他方に霊的な分かち合いと正義と同胞愛、この間の選択です。われわれの選択が人類の運命を決定するでしょう。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅱ巻』)
人類は実際、大きな霊的危機を通過しつつありますが、その危機は政治と経済の分野に集中されており、これらの分野でのみ解決することができます。もしそれを解決できなければ、私たちはこの惑星上のすべての生命を破壊するでしょう。世界の資源を分かち合うことは霊的な決断であり、一つの国家に民主主義を創造することは道徳的、霊的な決断です。私たちは道徳を宗教的信仰から分離し、それが本来属するところ──霊性そのもの──に据えることが必要です。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅲ巻』)
シェア・インターナショナル2021年11月号
印刷版全内容
- 覚者より 新しい時代の始まり
ベンジャミン・クレーム筆記 - 今月号の内容概説
- 視点
宗教の指導者たちと科学者たちは「急進的な」気候行動を共同で呼びかける
ジェシカ・コーベット - 「私たちはいつまで人々が死ぬのを見逃し続けるのでしょうか」
- 民衆の力の勝利――声を聞き届けさせる
- メディアは攻撃され、ジャーナリストは殺害され、 民主主義は浸食されている
グラハム・ピーブルズ - 報道の自由、事実、大胆不敵さを表彰
- ジャンヌ・ダルク、霊的な使命
ドミニク・アブデルヌール - 嗅覚性探知機が船の排ガスをチェックする
- 時代の徴
石の涙 - 私たちの共通の課題
- パンドラ文書の流出後、米国は「資産隠しの最大の不法行為者」として非難された
ジェイク・ジョンソン - 気候変動から隠れる場所はない
ポーリン・ウェルチ - 新しい時代の優先事項――選集
Priorities for the new times ― a compilation - ライト・ライブリフッド賞が民衆と惑星を守る「勇気ある動員者たち」を認める
ジェシカ・コーベット - 気候危機が地球の光を弱くしていることが研究により判明
- オリビア・ロザネ
- 編集長への手紙
光の祝福 他 - 読者質問欄 回答 ベンジャミン・クレーム
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