シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。
印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。
シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。
――覚者より 裂開の剣
ベンジャミン・クレーム筆記
多くの人々は、世界にマイトレーヤが臨在されるにもかかわらず、すべてがこれまでより、いっそう険悪で不安定になりつつあると信じる。今日のさらに高まった緊張のために彼らを恐れさせ、対処する用意のない多くの問題や困難を緩和するために、ハイアラキーは何をしているのかと不思議に思う。
本当のことを言えば、世界は用意されつつあるのである。大いなる緊張と変化の時には、人々は社会の本当の状態について限られた見解──必然的に持つのだが──で問題を見る。
人類は、これらすべての出来事が将来に対して同じ影響と重要性を持つと思うのだが、本当の見解は、それは覚者たちのみが見ることができ、全く異なるのである。覚者たちは様々な出来事をあたかも平面上(界)で起こっているものとして見、それらを単なる可能性として見るのである。あるものは凝結して〔現実のものとなり=訳注〕世界の変化に影響を及ぼすが、あるものは全く凝結せずに、ただ立ち消えになるということを知っている。人類はその限られたビジョンで、これらの出来事すべてを彼らの将来に関連するものとして見るが、そうではないことは確実である。覚者たちの見解からすると、人類が、これほどまでに、将来がもたらすだろう新しい世界を迎える用意を整えたことはかつてなかった。これほどまでに、共通の福利のためのインスピレーションと用意の整うときに近かったことはかつてなかった。
キリストが(われわれが想像しないほど早い時期に)戻ると言われたとき、彼は、見せかけの平和という心地良いことばではなく、剣を、「裂開の剣」をもたらしたのである。それは父と子を、兄弟と兄弟を引き裂く剣である。今日われわれが目撃しているのは、まさに「裂開の剣」の働きである。マイトレーヤの愛のエネルギーはすべての者を刺激する
──正義と分かち合いを愛し、そのために働く者も、世界に不和と分離を引き起こす者も同様に刺激する。このようにして、「裂開の剣」によって産み出される明確な対比を通して、人々は将来についての本当の選択を──すべての人間、貧しく飢えたる者たち、そしてマネーの男たちや世界の平和の破壊者たち、の未来のための選択を──することができる。われわれ一人ひとりがこの分割のどちらの側に真実を見いだすのかを選択しなければならない。
(シェア・インターナショナル誌2014年10月号)
シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。
読者質問欄
世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。
Q 今日の米国における主要な霊的問題は何ですか。
A 米国だけでなく、世界中の主要な霊的問題は、マイトレーヤが「悪の根源」と呼んでいるものです。お金のことだと思うかもしれません。関連はありますが、お金ではありません。それは自己満足です。マイトレーヤは、自己満足は大きな罪であると述べています。あなたがたや私の住んでいるような裕福な国が、何百万もの人々が餓死し、何百万もの人々が劣悪な環境で暮らし、病気などに侵されているのを見て次のように言えるのは、その自己満足のせいです。「そのことについて私たちにできることはあまりない。彼らはいまだローンの利息を支払わなければならない」
自己満足は次のような態度を生み出します。「そこで何が起こっていても重要なことではない。黒人やアジア人やヒスパニックは私たちのようではない。彼らにはこれ以上良い人生を送る資格はない。市場の力がすべてを解決してくれるだろう」
これは、市場原理が経済の基本的な基盤であるという、私たち自身の貪欲さ、利己主義の最も異常な合理化です。そうではありません。私たち全員が同じ時点から始めればそうなるでしょうが、そうではありません。巨大な国もあれば小規模な国もあり、莫大な資源を持っている国もあれば、ほとんど資源を持っていない国もあるときに、どのようにして市場原理が合理的であり、ある意味現実的であり、公正であることができるのでしょうか。市場原理はどのようにして本当の意味で公正に作用することができるのでしょうか。それは全く不当であり、自己満足だけがそれを許すのです。
今日人類を悩ませているのは、大きな霊的問題です。それは政治と経済の分野に焦点を当てており、政治と経済の分野でのみ解決できます。私たちは2,000年もの間、宗教こそがすべてであると宗教団体から教えられてきました。神を知りたければ、宗教に参加し、宗教的な人間にならなければならない。キリスト、仏陀、クリシュナ、ムハンマド、あるいは誰かを信じなければならない。ただ信じるだけで何とか救われると信じなければならない、と。それはナンセンスです。救われない限りは、救われません。信じるだけでは救われ得ません。
Q 自己満足と腐敗の間には関連性がありますか。
A この国の主な問題は自己満足です──自己満足とは汚職であり、汚職そのものです。この国を上層部から下層部まで悩ませている経済腐敗と、その結果としての犯罪と麻薬がこの国を崩壊させています。これらに対して何ができるでしょうか。あなたは立ち上がって、私が話しているように話すことができます。現実について話すのです。選挙の時期になると、あなたの代表者が特定の質問に答えます。そうした代表者が、特に発展途上国の搾取されている大衆に対する懸念を示し、現状に満足してはいないと堂々と述べるのであれば、あなたはその人に投票すると言うことができるでしょう。
Q 政府は何を優先すべきですか。
A 最優先事項は、すべての人々に十分な食糧を提供することです。 第二に、すべての人々に適切な住宅や避難所を提供すること。第三に、世界人権宣言が明らかにしているように、すべての人々に適切な医療と教育を提供することです。これらはそれほど革新的とは思えません。十分な食糧、十分な住居、十分な医療と教育など、これほど単純なことはありません。それほど多くを要求しているわけではありません。しかし、これらすべてが普遍的な権利となっている国は世界中にありません。ただの一つの国も、世界で最も裕福な国でさえも、ありません。それを受け入れるとき、人類の生活は変容するでしょう。
編集長への手紙
シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。
マイトレーヤと覚者方が、社会正義に関係する政治的な問題や事柄にいかに密接に関与し焦点を当てているかを明らかにするために、われわれのアーカイブからささやかな手紙の選集を掲載する。
目覚めようとしている!
編集長殿
先週土曜の2003年2月15日に、私たちはロンドンのハイドパークでの反戦集会に出かけました。ジェシー・ジャクソン師が演説を始めましたが、最初はジャクソン師の演説はそれほど心を引くものではありませんでした。しかしその後、突然、その演説が別のエネルギーと語調を帯びたように思えました。この時、演説者に目をくぎ付けにしている一人の黒人が私たちの隣に立っているのに気付きました。
その後、若い歌手のミス・ダイナマイトさんが「愛」と「平和」について語り始めました。「それに、正義だ!」と、私たちの隣にいた男性が腕を振り上げて言いました。その男性は「そのとおりだ、お嬢さん、いいこと言うね」など、言われていることすべてについてコメントを差しはさみました。
この男性の物腰には、マイトレーヤか覚者ではないかと思わせるような何かがありました。男性はとても陽気で、葉巻をくわえ(しかし吸うことはありませんでした)、小さなウイスキーのボトルを持っていました(アルコールの臭いは全くしませんでした)。私たちはカメラを持った取材班がいるのに気付き、その男性にインタビューしてはどうかと提案しました。
彼はマイトレーヤか覚者の一人でしたか。
ダニー・パラシェチャク、デービッド・ジョンストン
ロンドン
【ベンジャミン・クレームの師は、その男性がマイトレーヤであったことを確認した。ビデオには、インタビューの終わりに彼と一緒に歩いて帰る若い黒人男性も写っており、二人が元気いっぱいこぶしをぶつけ合っている様子も撮られていた。ベンジャミン・クレームの師は、この二番目の男性は覚者の一人の弟子であることを確認した】
ロンドン反戦デモ行進での演説が終わって群衆が三々五々帰ろうとしていたとき、取材班は、ダニー・パラシェチャクとデービッド・ジョンストンが描写した「陽気な」アフリカ系カリブ人男性を含めて、現場にいた人々にインタビューを行った。その2分半のインタビューの内容を以下に掲載する。
アフリカ系カリブ人:「目覚めようとしている! 目覚めようとしている! 世界は人類のものだよ、兄弟」
インタビュアー:「まさにそのとおりだね、おじさん」
アフリカ系カリブ人:「そう、辺りを見ればそのとおりさ! 嬉しいねー! 私が参加するようになって長いからね──よくCND(核武装反対運動)などに参加していたのさ。でも、こんなのが見られるなんて素晴らしい限りだよ。その上にだ、この状況全体を目覚めさせたのはわれわれのような年を取った世代だが、それが目覚めようとしているのさ! 特に息子や孫のような若い世代が後に続いてくるのが見られて嬉しいね。今日は兄弟姉妹たちが真理を語り、嘘を、嘘を、暴き出すのを聞くことができて誇りに思うよ。これは素晴らしいことだ。若い世代全体が、黒人も白人もみんなこの場所に集まってきている。こういうのを見るのが大好きなのさ。100万ポンドに代えても見逃したくないね。それに、ここにいる私の幼い兄弟たちみんな、私の幼い兄弟姉妹たちみんなが、遠いところからはるばるやってきているのだよ! 嬉しいよ、本当に嬉しいよ! われわれは目覚めようとしているのさ! われわれは眠っているとでも連中は思っていたのか!」
インタビュアー:「ちょうど眠たい目をこすっているところかなぁ……」
アフリカ系カリブ人:「そう、そう! (笑いながら)兄弟よ、目覚めないか! 信じていろよ。褒美から目を離さないようにしろよ。その褒美は人類そのものさ! 人類はわれわれみんなのものだからね。バートランド・ラッセルが言うように『君たちの人間性を心にとどめ、そしてその他のことを忘れよ』だよ。そうしなければ、前にあるのは暗闇だけだ。でも、新しい世代の君たちは、新しい秩序の夜明けを見たのさ。その秩序は人類のものだ──ジョージ・ブッシュのものでもなく、トニー・ブレアのものでもない。こうしたいわゆる『神々』の一人のもので・ヘないのだ──こうした『新しい神々』のことは知っているよね──今やそれは君たちすべてのものだよ! 私は70歳を越えているがね、その私が言うのだよ、信念を持ち続けろよ、兄弟!」
(シェア・インターナショナル誌2003年4月号)
呼びかけ
私たちの情報をウェブサイトだけで受け取る人が増え、シェア・インターナショナル誌を購読するためのわずかな費用を惜しむ人が増えていることに気づきました。
誰もがインターネットを使えるわけではないし、そうであるわけでもありません。つまり、印刷された雑誌が必要です。もちろん、それにはボランティアによる多くの作業と、制作・配布のための多くの資金が必要となります。ハイアラキーはこの仕事のためにお金を出しているという考え方があるかもしれませんが、そうではありません。シェア・インターナショナルの購読料は、私たちの活動を維持し、一般の人々に届けるために不可欠なものです。購読料は可能な限り低く抑えられており、雑誌は広告による補助を受けておらず、印刷代や郵送料は常に値上がりしています。
インターネット上の情報を読む読まないにかかわらず、この活動を真剣に信じるすべての人が、この雑誌を支援したいと思うことは、きっと誰もが認めることでしょう。
ご支援ありがとうございました。
時代の徴
光の祝福と光の模様
シェア・インターナショナル誌はこれまで、「失敗写真」のように見える写真を数多く掲載してきた。しかし、ベンジャミン・クレームと彼の師である覚者からの情報のおかげで、私たちは光の筋が実際には、覚者の一人またはマイトレーヤ御自身から受け取った祝福の物理的な現れや効果であることを知っている。そうした光は、時には螺旋状や、エネルギーの渦であり、また時には、画像全体を横切るようなバラ色や金色、白色の光の曲線である。
新しい読者から、建物、歩道、道路上で見られる光の模様の写真の重要性について質問があった。ベンジャミン・クレームは次のように説明している。「それらは太陽が輝いているときにのみ現れ、その反射は十字形や円形などさまざまな形で近くの建物に投影されます。形は大きく異なっており、世界中で見ることができます。それらはマイトレーヤと協力して宇宙の兄弟たちによってつくられます。マイトレーヤはどこに現すべきかを宇宙の兄弟たちに助言されます。大きな建物の壁面全体に現れることもあれば、小さな家に2、3個だけ現れることもあります」
Q:(1)光の輪は光の科学[テクノロジー]の一部ですか。(2)レーザー技術と同質のものですか。(3)それらがどのようにつくられているのかを教えていただけますか。その家に住む人々やそれを見た人々に治癒の効果がありますか。
A:(1)いいえ。(2)いいえ。(3)いいえ。それらは確かに治癒の効果を持ちますが、個人的にというより世界に対してです。それらはマイトレーヤと協力して宇宙の兄弟たちによってつくられています。
(ベンジャミン・クレーム、シェア・インターナショナル誌2004年7月号)


腐敗行為の終止—選集
The end of corruption – a compilation
腐敗というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻、第2巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。
政治と経済
世界中で、特に若い人々の間に、変化を求める強い願望が表現されつつある。若い人々は新しい種類の世界を、彼らを、そして彼らの抱負を包含する新しい構造を欲する。これらの抱負は正義と分かち合いへの、そして意味ある仕事と適度に満ち足りた平和な世界で家族を養育する機会を求めるものである。あまりにも長い間、彼らは貧困と無名の中で衰え、彼らの人生の努力の中での発言権を拒否されてきた。
今後は、世界の諸政府はこれまで無言の大衆であった人々のこれらの抱負を真剣に考慮しなければならないだろう。そして、それに応じて、政府の計画を変えなければならないだろう。……
古い仕組みは崩壊しつつあり、いかなる政府もこの過程を止めることはできない。宝瓶宮(アクエリアス)の新しいエネルギーはますます強くなり、古い腐敗した退廃的な秩序をばらばらに壊している。若い人々、および心(ハート)の若い人々が、正義を求める新しい熱望の出現を最初に銘記するだろう。
(『覚者は語る 第2巻』──若い人々の抱負──より)
国民との接触
政治家は国民に対して法律を制定するだけで何もしないままでいることはできない。より良い統治とは、現実の人間との本当の接触を含まなければならない。国民の必要に注意が払われなければならない。そのときにのみ、彼らは自己尊重という意味で教育され、それが自己認識につながる。個人の価値は保護されなければならない。現在のところ、リーダーと国民との間のコミュニケーションのメカニズムは非常に少ない。しかしながら、現場での接触は必要である。もし政治家が本当の必要に対処するならば、腐敗は減少し、牢獄の人口も減るだろう。
(『いのちの法則』)
経済についての話を嫌う多くのいわゆる霊的グループがあります。彼らにとって政治とは汚い言葉です。なぜなら、多くの政治家が堕落しているからです。人類は実際、大きな霊的危機を通過しつつありますが、その危機は政治と経済の分野に集中されており、これらの分野でのみ解決することができます。もしそれを解決できなければ、私たちはこの惑星上のすべての生命を破壊するでしょう。世界の資源を分かち合うことは霊的な決断であり、一つの国家に民主主義を創造することは道徳的、霊的な決断です。私たちは道徳を宗教的信仰から分離し、それが本来属するところ──霊性そのもの──に据えることが必要です。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)
新しい文明
新しい文明は過去の土台の上に築かれるのだが、当然のことながら、古きものの多くが現状のままでは腐敗して役に立たず、一掃されなければならない。見る目を持つ者にとっては、新しい徴候はすでに明らかである。今日どこへ目を向けても、新しい風景が姿を現しており、新しいアイディアが心を引き付け、新しい機構が仮の形を取りはじめている。流動する世界は変容しており、変化に伴う成長の苦しみをすべての者が感じている。
(『覚者は語る 第1巻』──優先順位の立て直し──より)
今日、世界中どこを見回しても、変化が起こっている。上部から下部まで、古き腐った秩序の綾はほころびている。これを見て大いに満足している。
(『いのちの水を運ぶ者』第130信より)
S.O.P.われわれの惑星を救え! 2023年に気候訴訟が急増する
シェア・ギルモア
知恵の覚者の言葉:「戦争とは別に、汚染ほどすべての人間の未来に非常に深遠な影響を与えるものはない。 ある国々はこの事実を認めて、汚染と地球温暖化を制限する措置をいくらか取っている。この惑星地球が毎日被っている変質を停止させるために残された時間は切れつつある。すべての男女が、子供が、この仕事に彼らの役割を果たさなければならない。 まさに時間はない。 S.O.P. われわれの惑星を救え!」
〔「われわれの惑星を救え!(S.O.P-Save Our Planet!)」――覚者より
市民とコミュニティーは、他の手段が妨害され、そして制限され、もしくはその課題には不適切であることが判明する中で、気候危機に関する正義と説明責任の問題解決のため、裁判所への訴訟を増加させている。今年、EU、米国、オーストラリアで、画期的な訴訟の審問や裁判が予定されており、さらに世界中で数多くの小規模な訴訟が行われており、訴訟の数と重要性が増加していることを示している。
ヨーロッパでは、欧州人権裁判所に、国が対策を実行しないことによって人権が侵害されているとして、市民らが30カ国以上の政府に対して、個別に3件の訴訟を起こしている。この裁判所は、年間数件の最も深刻な人権侵害の問題を提起するような訴訟しか受理せず、また今まで気候変動の訴訟を正式に審理したことがないため、2023年にいくつかの気候訴訟を受理したという事実は先例をつくるものとなった。
その中の一番目は、数千人のスイスの高齢の女性たちが、スイス政府を相手に起こした訴訟で、気候変動によって引き起こされた熱波が健康に与える影響に焦点を当てている。二番目は、フランス緑の党のヨーロッパ議会議員のメンバーによる訴訟で、フランスの気候変動対策は十分に野心的ではないと主張している。三番目は、6人のポルトガルの若者たちによる、33カ国──全EU加盟国27カ国と英国、ノルウェー、ロシア、スイス、トルコ、ウクライナ──に対する訴訟で、気候変動に十分な対策を取ることに失敗したことで、自分たちの生きる権利が侵害されているという訴訟である。17人の裁判官からなる陪審団が判決を下し、その決定に対して上訴することはできない。
米国では、米国史上初の憲法による気候裁判と初の子供たちによる気候裁判が、モンタナ州ヘレナで6月12日に開始され、6月23日までに結審する予定である。原告はモンタナ州の16人の若者たちで、モンタナ州が化石燃料システムを支持することによって、清潔で健康的な環境、個人の尊厳、法による平等な保護に対する憲法上の権利を侵害していると訴えている。若者たちの気候に対する法的行動は、さらに四つの州、ハワイ、ユタ、バージニア、フロリダで活発に行われている。
「断絶」 – 華美、 虚飾、 貧困と窮乏
フィリス・クレーム
ウェストミンスターでの式典は、その威厳と威厳の表現において並外れたものだった。何百万ポンドもの費用をかけて準備とリハーサルを何ヵ月もかけて行い、何世紀にもわたる伝統を活かした、鮮やかで記憶に残る光景だった。 王が修道院に入るときの背後の長いベルベットのトレーン (引き裾)、音楽、王に贈られたオーブ(宝珠)と王笏。 重厚な黄金のコートと毛皮のマントで覆われた簡素な白い衣。そして、全国の小学生が紙に書き写した重くて華やかな王冠。 それはまるで映画かフィクションを見ているようだった。時折、チャールズの不適切なクローズアップのように感じられる映像には、70年前に戴冠した非常に若い女王である彼の母親とは対照的な、読み取ることのでき ない表情をした74歳の男性が映っていた。

予想されたとおり、人々は修道院へ往復する黄金の馬車を見るためだけに何日も行列をつくった。 世界中で何百万もの人々がこの光景をテレビで見た。式典全体は印象的で、何世紀にもわたる儀式と伝統を思い起こさせるもので、奇妙に感動的なものであった。 戴冠式の翌日には、王室が所有す る数多くの「豪邸」 の一つであるウィンザー城やその他の会場で、長時間のコンサートと最も豪華なパーティーが開催された。
だがこれには別の側面もあった。この出来事全体が現実逃避のフィクションのように時代錯誤的に見え、感じられた。実際、その場にいた群衆にもかかわらず、英国国民の中で君主制に同意している人は、今でははるかに少ない。少なくとも、国家によって支援され、目を見張るほど莫大な個人資産を持つ非常に多くのメンバーを擁する君主制に同意している人は少ない。国王への忠誠の誓いに全英国国民が参加するよう求めていた「招待状」は静かに取り下げられた。 潜在的な抗議者は 混乱を引き起こす場合に備えて「先制的に」逮捕された。何世紀にもわたる現状と、もはや偉大ではない「グレート」ブリテンの神話を誰もが受け入れなければならないように思えた。むしろ、EU 離脱後は、英国は愚かにも孤立した。 君主がいるということは、私たちが依然として暗黙のうちに、自分たちを自由な 「国民」としてではなく、王冠の「臣民」として見るよう求められていることを意味する。
その一方で、実際に君主制の人気が大幅に下がっている英国の「現実世界」 との断絶も確かに存在する。 (この国の他の人々とは異なり相続税を免除された大家族のような法外な経済的特権を持たずに、安定をもたらすための簡素化された君主制が、おそらくほとんどの人が好むものである)
この国では今、多くの人が現実の物質的貧困に苦しんでいる。 英国は依然として非常に裕福ではあるが、近年においては恥ずべきほどに不平等になっている。 戴冠式の華やかさ、豪華な衣装を身にまとった来賓、そしてその後の豪華な祝賀パーティーは、 「金持ちは貧乏人の前で富を見せびらかす」というマイトレーヤの言葉を思い起こさせ る。 「生活費の危機」があり、最も基本的なニーズを満たすことができない人も存在する。 食料とエネルギーのコストは最大30%上昇した。 高齢者には、体を温めるだけの経済的余裕のない自宅から逃れるために、例えば地元の教会などの「暖かい拠点」が提供されている。子供たちは空腹のために学校で勉強することができない。先生たち が子供たちに食べ物を買ってあげている。
そして人々は抗議活動を始めている。 多くの公務員がストライキを行っている。運輸労働者のストのために、人々は移動できない。 医師と看護師 は史上初めて、労働することを控えている。その理由は、自分たちの低賃金への抗議だけでなく、かつては国の誇りだった国民医療サービスが機能不全に陥っていることへの憤りによるものである。 このような華やかさとは対照的に、マイトレーヤは「素朴な男」 として現れ、 すべての人の裡にある真の最良のものに訴え、それを引き出すだろう。 「わたしの教えはこれである分かち合うことを学び、兄弟の手を握り、兄弟をあなた自身として知りなさい」
(マイトレーヤからのメッセージ 第91信)
シェア・インターナショナル2023年6月号
印刷版全内容
- 覚者より 裂開の剣 ベンジャミン・クレーム筆記
- 今月号の内容概説 「人類がこれほどまでに用意を整えたことはかつてなかった」
- キリスト・マイトレーヤからのメッセージ
- 視点 貧困と飢餓が急増する中、 アムネスティが世界規模の「普遍的な社会的保護」を要求する ジェイク・ジョンソン
- S.O.P.われわれの惑星を救え! 2023年に気候訴訟が急増する シェア・ギルモア
- コンクリートと鉄鋼に関する確かな事実 「断絶」 – 華美、 虚飾、 貧困と窮乏 フィリス・クレーム
- 新しい世界宗教 (1) アート ユリアーンス
- 民衆の声 フランスの鍋たたきコンサート
- 2023年ゴールドマン環境賞: 6人の傑出した地球の擁護者が表彰される
- 時代の徴 世界中の奇跡 光の祝福と光の模様、サイババからの祝福、他
- 資本主義に怒るのは当然だ オックスフォード・ユニオンでのバーニー・サンダース氏の演説
- 腐敗行為の終止—選集 The end of corruption – a compilation
- 編集長への手紙 目覚めようとしている! 他
- 読者質問欄 ベンジャミン・クレーム
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