シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。
印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。
シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。
――覚者より 覚者たちの誓い
ベンジャミン・クレーム筆記
戦争の暗雲が次第に増し、平和の陽光が闇に包まれていくにつれ、人類の反応は二重である――好戦主義者たちの意志を無言で受け入れ、追従することと、彼らの計画と企てに対する積極的な活気ある抵抗である。今日、わたしたちには両方の反応が同じ割合で見られる。世界の半分が(底に横たわる原因を認知することなしに)“テロとの戦い”というグラマーにとりつかれ、またテロ行為自体にとりつかれている。後の半分はテロ行為を嘆き、そしてその発祥についての理解の欠如を嘆いている。大規模の変化のみがこの残虐な悪を終わらせる鍵であることを彼らは知っており、世界をあまりにも不公平に分割している不平等を認知し、それに対処することを諸国家の指導者たちに呼びかける。
この後者のグループは増大して、世界の安全を非常に脅かす者たち、現在、権力の座にいる者たちの計画に対する彼らの抵抗を増さなければならない。彼らはお互いを見つけて、一緒に働かねばならない。平和を求め、正義の顕現を請い願う無言の大衆(サイレント・マジョリティー)のために働き、そして語るのだということを知る必要がある。
平和は、正義が支配するとき、分かち合いが人間の心(ハート)を開き、人々を信頼することに目覚めさせるときにのみ、訪れるだろう。かくして、人は正義と分かち合いのために働き、声高に語らなければならない。正義と分かち合いのみが人間の苦しみを、テロ行為と戦争を終止させるだろう。あなたたちの兄であるわたしたちは、わたしたちの役割を果たす用意がある。わたしたちは「共通の利益(善)」のためのあらゆる行動を強化するだろう。わたしたちは、自分たちの力を顕す機会を待っている――過去の間違いを正すのを助け、戦争の無益さを人間に示す。わたしたちは、戦争の終止を呼びかける者たち、人事の中に健全さとバランスの回復を求める者たち、すべての者のための正義(公正)と自由の創造を求める者たちすべてを支持することを誓う。
わたしたちにあなた方を助けさせてほしい。わたしたちの役割を果たすことができるように、助けてほしい。わたしたちは、いつものことながら、「共通の利益」のために行動することを願う、それが人類すべての最善の利益であるとわたしたちは思う。かくして、わたしたちは分かち合いを提唱する、かくしてわたしたちは正義を勧告する、かくしてわたしたちは自由と平和を分かち合いと正義の確立の頂点として見なす。
この世界の救済のために共に働こうではないか。人類種族の利益のためにお互いの(意見の)相違を放棄しようではないか。健全な行動を勝利させて、人類に平和のための彼らの共通の必要を理解させよう、そして病める世界を復活させようではないか。
多くの者が未来を恐れながら待つ。人間が道を見失ったのではないか、いまや平和への道を見いだすには遅すぎるのではないかと恐れる。わたしたちの勧告はそうではない。平和への道は簡単に見いだせることをわたしたちは知っている、正義と信頼の創造を必要とするのみである。分かち合いのみがその信頼を生み出すだろうということを、そしてそれが人類にテロ行為と戦争の両方を放棄させるようになることを、わたしたちは知っている。そのようになるだろう。そのようにして、人類はついに恐怖と不信のグラマーから解放されて、実際にそして歓びのうちに未来を創造する用意を整えて、マイトレーヤの「同胞愛と正義」のメッセージに応えるだろう。
(シェア・インターナショナル誌2004年1・2月号)
編集部より
「あなたの兄弟を愛しなさい。彼らの窮乏に心を留めなさい。あなたが豊かに持つものを与えなさい、そして世界に喜びを復興しなさい」
「あなたは兄弟同胞の番兵である」
「兄弟の窮乏をあなたの行動の尺度として・・・」
「人類は一つである」
「皆は一人のために、一人は皆のために」
「私たちが共に力を合わせれば、もっとずっと多くのことができます。これが相乗効果です!」
新しいものではない。なじみのないものでもない。このページ以外にこの号には掲載されていないが、責任の分かち合いと一体性という概念は、シェア・インターナショナル誌が支持し、直接的または間接的に伝えようとするものすべてを包み込んでいる。こうした声明は、マイトレーヤによってメッセージの中で、ベンジャミン・クレームの師である覚者によって、ジュワル・クール覚者によって、マイトレーヤか覚者の一人のスポークスマンによって伝えられたものである。
人類がこうした教訓に従って生き、行動すべき時があるとすれば、それは今である。正義と平和が世界の隅々で確立された現実となるようにするには、一致団結して、連帯して行動を起こす必要がある。あらゆる危機、人類の道徳的指針に挑みかかるような難題に対処するには、大勢になれば途方もない力を持つ普通の人々が団結し、理性と同情の声を届けなければならない。自由と平等に機会が訪れるような適切な条件を創り出すためには、「私たち」──つまり「民衆の力」──が必要である。未来が私たちのものになるかどうかは、「民衆の力」次第である。そうした集団的な行動の中にこそ、明るい未来を可能にする希望がある。人類と私たちの未来のために、平和構築の基盤となる分かち合いと正義のために、行動するという意識的な選択の中にこそ希望がある。マイトレーヤと覚者方はここにいて、同胞愛に向けたあらゆる努力を鼓舞し、活気づけ、支援しておられることを知ることにこそ希望がある。
南アフリカは今年5月、1994年に最初の民主的な選挙が実施されてから30周年を迎える。これは、アパルトヘイトとの闘いに加担したかどで投獄されたネルソン・マンデラ氏が釈放されてから4年後のことであった。マンデラ氏は、正義を求めるパレスチナ人の闘いを「現代における最大の道徳的課題」と表現した。南アフリカの人々は、恐ろしい残虐な行為や非人道的な行為に耐えることがどういうことであるかを知っている。「真実和解委員会」のおかげで、南アフリカの人々は被害者意識と復讐の必要性から解放された。ハーグにある国連の国際司法裁判所にイスラエルを提訴したのが南アフリカであることは、他者の苦しみへの同情と共感の勝利である。南アフリカの訴状は、法の支配を高く掲げている。
次の記事「決断の時」は、ベンジャミン・クレームの師によって書かれ、2002年5月にシェア・インターナショナル誌に掲載された。2001年9月11日のトラウマと、それに対する軍事行動を扱ったものだが、今日との類似性を見いだし、教訓を学ぶことができる。「これらの男たちは、世界はすべての人間に属するということをいつになったら学ぶのだろうか。彼らの富と権力が他をコントロールする力を授けるかもしれないが、彼らは支配者でも警官でもない」
決断の時
「世界は深刻な危機の状態にあり、それは主に、昨年9月11日のテロ攻撃に対するアメリカの大統領の対応によって生じた。アフガニスタンにおける戦争と最近のイスラエルの残虐行為の急増はつながっており、イラクに対して企てられている攻撃も同様である。それぞれに基本的なのは古い怨恨〈ルビ・えんこん〉の清算である。そのような子供じみた行為は、世界の福利を脅かす出来事に対しての恥ずべき無責任な対処方法である。覚者たちはテロリズムに対する宥和政策を提唱しないが、しかしアフガニスタンと中東における対応の仕方はわたしたちの好みではない。それはテロの原因──貧困、フラストレーション、屈辱、絶望感──を全く考慮に入れず、単に暴力と残虐を永続させるだけである。自己憐憫〈ルビ・じこれんびん〉と傷ついた誇りの中で道に迷い、アメリカは智恵と慎重さと均衡感をも失った。
その間に、イスラエルは自爆行為に悩まされて、『テロに対する戦い』という言い訳を利用して、いつもの如く過剰反応する。アラファト氏に対する恥知らずな迫害と屈辱的な行為に対して、イスラエルの指導者と軍隊が誇るべきものは何もない。イスラエルの国民は、他の誰よりも、抑圧された人々の苦悩を理解すべきである。
これらの男たちは、世界はすべての人間に属するということをいつになったら学ぶのだろうか。彼らの富と権力が他をコントロールする力を授けるかもしれないが、彼らは支配者でも警官でもない。彼らがその富を『普遍的な善』のために分かち合うとき、テロの終息を見るだろう。そして彼らは夜、もっとぐっすりと眠れるだろう。少数者の利益のために世界を支配しようとする権力の男たちは、不当に得て振り回すその権力に酔っている。
より賢明な声が、多くの観点から傾聴に値する声が世界に必要とされることは、ますます明らかである。その声、マイトレーヤの声は、復讐と憎悪の叫びを超えて、間もなく聞こえるだろう。間もなく世界は、われわれの直中にある彼の臨在に目覚め、そして大いなる選択が人類に提供されるだろう。かくして、これは人類の大きなテストの時である。かくしてこれは、決断の時、先例のない時である。
人間がこのことを理解するとき、彼らはマイトレーヤの旗印のもとに集い、正義と自由を求める彼らの要求を知らしめるだろう。彼らは喜んで分かち合い、そして奉仕する意志を示すだろう。そしてそのようにして世界をつくり直すだろう。
そのようになるだろう。そのようにして、人間は彼らの昔の誓願を新たにし、神への彼らの足跡をたどり直すだろう」(シェア・インターナショナル誌2002年5月号)
読者質問欄
この欄では、インタビューや講演の膨大な記録の中から、ベンジャミン・クレームと彼の師である覚者が40年以上にわたるたゆみない奉仕の一環として提供してきた、幅広い話題に関する質問への回答を紹介する。
Q :戦争行為を終わらせるためにあるいは制限するために、より良い状況を中東に創り出すのに貢献するにはどうすればよいか示唆していただけますか。
A: 私の考えでは、まず最初の仕事は中東に存在する多くの問題を扱うための国際会議を組織することです。第一の議案はイスラエル・パレスチナ問題でなければならないと思います。パレスチナ人に故国を与えることが唯一の公正な解決です。そうでなければ持続する平和は不可能です。イスラエルは限りなくずるずると先に延ばすだろうと私は思います。和解を成立させるためにはマイトレーヤの出現を必要とするかもしれません。湾岸戦争でイラクとサダム・フセインの側についたPLOの最近の行為は、それがいかに正しくとも、彼らの大義を促進する助けになりません。PLOの指導層は失敗する機会をつかまないようにするのが不可能なようです! しかしながら、正義は彼らの側にあります。そして今や関連している国々のほとんどが、米国でさえも、ついにその正しさを認めています。
現在存在するさまざまな独裁的な軍部による専制政治や王侯支配は、民主的な政府と合意による政治に変わらなければなりません。例えば、シリアでは最もひどい軍の独裁主義の圧政が行われており、サダム・フセインと同じように悪い、そして野心的な支配です。彼らが最も大きなライバルであるイラクに対抗する“クラブ”に加わったために、これらのことすべてが見逃されています。クウェートとサウジアラビアの統治者一族の貪欲と独裁的支配は悪名高いです。
この地域の国民の間に富を再分配することがまず優先されるべき議題でなければなりません。そのような変容が起こるためには長い期間が、おそらく何年もかかるでしょう。しかしひとつだけは直ちに達成することができるはずです。それは複雑な洗練された大量殺戮兵器をこの地域に無責任に供給することをやめることです──私は完全な封鎖を提案します。この“市場のフォース”に基づく冷笑的な貿易は戦争の炎を煽り立てるためだけに働きます。今それはもう誰の目にも明らかであるに違いありません。
(シェア・インターナショナル誌1991年4月号)
Q :見さかいのないいじめっ子(アメリカ)をどうやって止めたらよいでしょうか。
A: 国連の他のメンバーがいじめっ子に対抗して立ち上がり、釈明を求めることによってです。可能なあらゆる外交的圧力、とりわけ経済、金融の圧力を利用することです。例えば、アメリカ製品の世界的なボイコット、アメリカへのローン(アメリカ国債の買い入れという形で行われている)の引き上げと大規模なドル備蓄の売り、アメリカとの貿易を他の国々に振り替えることなどによってです。
Q :中東で最も危険な国はどこですか。
A :イスラエルです。
Q :国連の幾つかの側面を再編する必要があるのではないでしょうか。例えば、状況が暴力的に爆発する前に、摩擦と緊張を引き起こしている問題を示し、分析し、解決策を提示する早期警告型の監査制度の永続的な確立のような。より賢明で経験豊かな元国家元首や外交官、経験豊かな交渉者、特定の地域の専門家、司法知識のある人々などが国連でグループをつくり、予防的な問題収束グループを形成できるでしょうか。問題をかき立てる先制攻撃グループではなく。
A :はい。
Q :(あなたが著書の中で述べられたような)私たちの直面する問題解決のための青写真を持ったイニシエートたちはすでに地位を占め、その青写真を展開していると私は希望します。私たちは彼らを今必要としています。
A :世界は彼らを今受け入れる用意があるでしょうか? 私はそうは思いません。
Q :平和のための「ロードマップ」と呼ばれているものについて、あなたのご意見は何ですか。(1)それは実行可能ですか。(2)それは公正なものですか。
A :(1)はい、それに関する限り、実行可能です。しかし、それには双方がかなりの犠牲と妥協を必要とします。とりわけパレスチナ側にとってそうです。(2)いいえ、それがパレスチナの要求と必要を公正に満たしているとは言えず、正しいとか公正と呼ぶことはできないと思います。常に覚えておかねばならないのは、パレスチナの地にイスラエルを建設したことはパレスチナ人の権利の侵害であり、約450万の人々が今もレバノンで難民として暮らしているということです。
(シェア・インターナショナル誌2003年7月号)
Q :マイトレーヤと覚者方が民衆の力を推奨していることはシェア・インターナショナル誌から明らかです。しかし、彼らは、最近英国で見られたような心ない暴力や破壊行為を容赦されるのですか。
A :「心ない暴力や破壊行為」は民衆の力の表現ではなく、破壊的力の表現です。ハイアラキーは暴力や破壊を薦めたり容赦したりすることは決してありません。
(シェア・インターナショナル誌2011年10月号)
呼びかけ
私たちの情報をウェブサイトだけで受け取る人が増え、シェア・インターナショナル誌を購読するためのわずかな費用を惜しむ人が増えていることに気づきました。
誰もがインターネットを使えるわけではないし、そうであるわけでもありません。つまり、印刷された雑誌が必要です。もちろん、それにはボランティアによる多くの作業と、制作・配布のための多くの資金が必要となります。ハイアラキーはこの仕事のためにお金を出しているという考え方があるかもしれませんが、そうではありません。シェア・インターナショナルの購読料は、私たちの活動を維持し、一般の人々に届けるために不可欠なものです。購読料は可能な限り低く抑えられており、雑誌は広告による補助を受けておらず、印刷代や郵送料は常に値上がりしています。
インターネット上の情報を読む読まないにかかわらず、この活動を真剣に信じるすべての人が、この雑誌を支援したいと思うことは、きっと誰もが認めることでしょう。
ご支援ありがとうございました。
時代の徴

アメリカ――2023年11月28日、メリーランド州リッジの目撃者は、ポトマック川の約0.5マイル(約800メートル)上空に、脈動する光を放つ物体が浮遊しているのを目撃したと報告した。物体は「約5分間、音も立てずに浮遊した後、消えた」と目撃者は語った。
(国立UFO報告センター)
人間性を保つ
ジェイソン・フランシスによるユヴァル・ラハミーム氏へのインタビュー
「ペアレンツ・サークル・ファミリーズ・フォーラム(PCFF)」はイスラエルとパレスチナに拠点を置く非営利団体であり、1995年にイツハク・フランケンタール氏と複数のイスラエル人家族によって設立された。この団体は、イスラエル人とパレスチナ人の数十年にわたる紛争で殺害された双方の家族を結びつけている。パレスチナ領土とイスラエルの両方にチームを置くイスラエル人とパレスチナ人の連合理事会がこの団体を監督している。ユヴァル・ラハミーム氏は、PCFFの共同事務局長を務めている。彼は本誌のためにジェイソン・フランシスのインタビューに応じた。
シェア・インターナショナル(以下SI):あなたは1967年に六日間戦争中にお父様を亡くされた後で、どのような個人的な道のりを経て今日に至ったのですか。
ユヴァル・ラハミーム:戦争で父を失ったときに私は8歳でしたので、その時は平和活動家にはなりませんでした。私は怒り、憎しみ、恐怖、復讐という通常の反応を示しました。当時は「父の仇〈ルビ・かたき〉を討つ」などのロマンチックな思いがあったので、その後、高校の年代で士官学校に入学しました。もちろん、誰が父を殺したのかは知りませんでしたが、当時の私にとってアラブ人を殺すことは良い反応のように思えました。こうして、私は軍隊に入隊しました。イスラエルでは兵役が義務付けられています。私は士官学校を卒業してから6年間勤務しました。誰も殺さなかったのは幸運でした。私は諜報部隊に所属していました。除隊後に市民生活を始め、結婚して子供を持ち、仕事を持ちました。
私は徐々に復讐という考えを忘れ、そのようなものは心に平安を与えないことを理解しました。レバノンやパレスチナ人との戦争が毎年のように続きました。1973年にはヨム・キプール戦争がありました。戦争は延々と続き、戦闘や攻撃で戦死者が双方に出続けました。復讐をした後に気分が良くなる人はいません。しかし、私は50歳になり、子供たちが兵役に行き始めたときに初めて、自分の立場に再び疑問を抱き始めました。ただ座して、政治家がこの戦争を終わらせるのを待つのではなく、事態の流れを変えるために何ができるかを探りました。その時点で政治家は何もするつもりがないようでした。
イツハク・ラビン[1974年~1977年と1992年~1995年にイスラエル首相]によるパレスチナ人との紛争を終わらせる試みがありました。しかし、彼が殺害されるとその方針は撤廃され、パレスチナ人との紛争は今日まで続いています。10年か15年ほど前に、私はこの団体を見つけました。和平と和解に向けて、この紛争の終結に向けて、より積極的に活動するためにこの団体は適していると思えたのです。
簡単に言うと、それが私の道のりです。もちろん、途中で何度も立ち止まり、多くの洞察を得ることができ、イスラエル人はパレスチナ人の声に耳を傾け、パレスチナ人を人間として見る必要があることを、私は徐々に理解しました。相手側について私たちが聞かされてきたことはすべて、紛争中に各国が自ら語る通常の物語の一部でした。つまり、私たちは善人で、彼らは悪人、私たちは道徳的で、彼らは動物だというものです。紛争下にあるすべての国が、同じ原則に基づいて国民と学生を教育します。これは完全に間違いであり、私たちはそれを変え始める必要があることを理解するようになります。一度それを理解すると、人間のレベルで相手と対話し始めます。草の根から変えなければなりません。人々のレベル、コミュニティーのレベルから変えなければなりません。….
SI:「物語プロジェクト」について話していただけますか。
ラハミーム:このプロジェクトは10年以上続いています。すでに55以上のグループがあり、各グループはイスラエル人15人とパレスチナ人15人で構成されています。ほとんどの場合、彼らには何らかの共通点があります。女性だけのグループや教育者、医療従事者、弁護士のグループもあります。
私たちは、数日から数週間続くセミナーという形で学生たちを旅に連れて行きます。セッション、ディナー、パーティー、ツアーなどで多くの時間を一緒に過ごすため、本当に個人的なレベルで知り合うことができます。双方の個人的、国家的な物語について議論が行われます。グループで一緒に過ごすことで本当に親密で安心できる時間が過ごせるため、お互いを徐々に信頼するようになります。こうして、他の人々を全く異なった視点から見るようになります。
セッションの中にはロールゲームがあり、例えば私がパレスチナ人となり、パレスチナ人の視点から紛争を説明します。パレスチナ人であることはどのような気持ちなのか。イスラエル人として、パレスチナ人の立場で自分がどう感じているかをグループに伝えなければなりません。あるいは、パレスチナ人の観点からイスラエル人にどのような質問をしたいか。それは衝撃的な体験です。すでに約1,500名の卒業生がいます。全員が、相手側に対する視点が非常に大きく変化したと報告しています。セッション終了後も、学生たちは会い続けます。
これが私たちの運営している物語プロジェクトです。人をある地点から別の地点へと連れて行くことは、非常に効果的で奥深い経験になります。紛争だけに関することではありません。相手側の物語を理解する方法を学べば、家族や近所の人たちも実践できるようになります。他の誰かがあなたとは別の物語を持っていたとしても、どちらかが間違っているということにはなりません。それは人生における本当に素晴らしい教訓です。それを実行することができれば、和解への非常に良い道筋となるかもしれません。….
SI:他に何か付け加えたいことはありますか。
ラハミーム:私からこのインタビューの読者に伝えたい最も重要なメッセージは、私たちはこの紛争を地球上のどこにも波及させたくないということです。私たちはどの国民にも、どちらかの側につくべきだとは考えてほしくないのです。つまり、正当な戦いを行っているパレスチナ人を支持すべきだとか、自衛のための正当な戦いを行っているイスラエル人を支持すべきだとか、考えてほしくないということです。
人々は和平を支持すべきです。双方がこの紛争を終わらせる方法を知らないからです。私たちが国際社会から必要とする最も重要かつ唯一の支援は、立ち上がってこう言っていただくことです。「これを終わらせよう。誰も、望むものすべてを手に入れることはできないだろう。しかし誰もが、和平を手に入れることになるだろう」と。和平があれば、繁栄し始め、関係を発展させ始めることができます。次に誰が自分を殺そうとしているかについて考える必要はなくなります。
この対立の根源を見つけようとしたら、好きなだけ過去にさかのほることができます。2カ月前、50年前、1,000年前にさかのぼれば、この紛争のさまざまな原因が必ず見つかります。この紛争は、現在世界で進行している最古の紛争なのです。一方を支持して、「相手に勝てるように支援します」と言うだけでは意味がありません。誰も勝つことはありません。誰も逃げることはありません。国際社会は介入して、こう言う必要があります。「あなた方は戦争をやめて、方法を見つけなければなりません。そうすれば、誰もあなた方を攻撃しないという保証をあなた方に与えます。パレスチナ人とイスラエル人の双方が隣り合って平和に暮らす方法を見つけなければなりません」
[詳しくは次のサイトを参照してください。theparentscircle.org]
シェア・インターナショナル2024年1月号
印刷版全内容
- 覚者より
覚者たちの誓い
ベンジャミン・クレーム筆記 - 編集部より
- 視点
2024年、 長期的視野に立ったリーダーシップが必要である
メアリー・ロビンソン - イスラエルに対するジェノサイド訴訟
ダイアナ・ブトゥ氏へのインタビュー - 国家主義、 人種主義、 政治
アート・ユリアーンス - 時代の徴
空の徴 - マイトレーヤと私たちの人間性への行進
ポーリン・ウェルチ - ガザの子供の犠牲者を表す1万足の子供の靴
- S.O.P.
われわれの惑星を救え!
COP28での合意と反応
緊急警告が次々と発せされる
ミミズへの賛歌 - ハンナ・アーレント 全体主義体制
ドミニク・アブデルヌールによる書評 - 人間性を保つ
ジェイソン・フランシスによるユヴァル・ラハミーム氏へのインタビュー - 編集長への手紙
私の路線に - 2024年の表紙の絵
「儀式」 - 読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム
シェア・インターナショナル誌をオンラインでお楽しみいただけましたか?
シェア・インターナショナルの雑誌を定期購読して、ご自宅にお届けすることもできます。印刷版では、ここに掲載されているすべての抜粋の完全版に加え、追加記事、インタビュー、書評、質疑応答などが掲載されています。

Copyright © 2024 Share International. All rights reserved.