シェア・インターナショナル 2021年2月号

シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。

印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。

contents

――覚者より 愛と平和の道

 シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者はほとんど40年近くにわたって、毎月記事を提供してこられた。2006年に書かれたこの記事は多くのテーマを扱っているが、そのうちの一つは、人間が孤独であったことは決してなく、私たちが望めば案内(ガイダンス)が得られるという再保証である。まるで2020年に書かれたかのように、クレームの師はこう書いておられる。「われわれの住処である地球という惑星を大切に看取り健康を取り戻さねばならず、その空気と土壌と水を浄化し、再び人間にとって安全なものにしなければならない。これらが惑星の安定とその住民の健康にとって緊急に必要な条件である」

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 幸いなことには、助けが必要なときに人間が放っておかれたことは決してない。どんなに困難な状況だろうが、どんなに直面する危険が大きく深刻なものであろうが、人は一つだけ確信がもてる──すなわち彼の兄たち(覚者たち)から見放されることはない、ということである。人間の長い歴史において幾度も幾度も、すべてが失われて、人間の未来が危険なほど不確かになったとき、いつでもわたしたちの救助が手近にあり、人間の前進への道は再び復活されたのであった。そして今日、相容れない様々な勢力の大渦巻きの中に立ち、次のステップについて確信がなく、前方にある仕事の巨大さにほとんど圧倒されているこの荒々しいときにあって、然りである。
 わたしたちは古の隠遁地から出て来て、わたしたちの思考とステップを苦闘する兄弟たちの援助に向け直す。すべてが失われているのではないことを、人間が彼らの生活を組み立てるために他のより良い方法が存在することを、和合と幸福は正義と自由から生じることを、分かち合いは和合の自然な行為であり、すべての人間の苦しみへの単純な答えであることを、模範によって示すために。
 人類はわたしたちが与えねばならない叡知の贈り物を欲しなければならない。偉大なる法がそれの強制を許さない。であるから、人類は彼らを取り囲む危険をはっきりと見て、決断と選択をしなければならない。
 人類に案内(指導)が必要なことは議論の余地がない(多くの者がそのことを否定し、あるいはそれを見つけることができるということを否定するのだけれど)。そしてこの案内(指導)を、マイトレーヤ御自身が人類に提供されるであろう──彼らに考慮し、賢明に分別してもらうために。
 それに応えて、人類は彼ら自身をひとつとして見なければならない。自由と正義を阻む古い障害物は捨て去られねばならない。すべての者が地球の豊かな贈り物を分かち合わねばならない。すべてが信頼という言語を学ばねばならない。われわれの住処である地球という惑星を大切に看取り健康を取り戻さねばならず、その空気と土壌と水を浄化し、再び人間にとって安全なものにしなければならない。
 これらが惑星の安定とその住民の健康にとって緊急に必要な条件である。一旦それらが採用されたならば、もはや過去の無秩序に戻ることは決してないだろう。人間は、貧困や戦争、搾取や残酷さ、腐敗や不正義に別れを告げるだろう。
 人類は彼らの兄たちを熱心に見習い、そして愛と平和の道を歩むだろう。
 今のこの時を決断の時と見なしなさい。すべてが、マイトレーヤの勧告に対する人間の反応にかかっている。あなた方の兄であるわたしたちは心配しているわけでも、悦に入っているわけでもない。マイトレーヤと人類の両方が直面する巨大な仕事をわたしたちは知っている。わたしたちはまた「いのちのしるし」の読み方を知っており、恐れてはいない。これを読んでいるあなた方は恐れることなく、地球の復興がすぐ近くにあるという事実を、過去の不正は衰え、それとともに古い統治法が衰えつつあるという事実を、広く知らせなさい。新しい案内は人間のための道を示すためにここにある──古の、しかしいつも新しい指導が人間を山頂へと連れて行く。
(SI誌、2006年7-8月号)

編集長への手紙

 シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっていたかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

覚者の魔法

編集長殿
 数年前(手紙は2006年着)、車に姉と、後部座席に横になった甥を乗せて運転をしていました。霧の多い天候で、すでに日が暮れていました。ブレステルニツァからマリボルへ向かっていました。道路の両側にコンクリートの壁かフェンスのある場所を運転していた時、前方の赤い車が別の車を追い越して、私の方へ向かっているのが見えたのです。私はブレーキを踏んで、できる限り壁の方へ寄りました。その道路は3台分の幅がなかったので、赤い車と衝突することになると思いました。すべてはほんの一瞬の出来事で、突然あの赤い車が私の背後に見えました。その車は通り過ぎていきましたが、どうやってかはわかりませんでした。
 覚者のお一人が介入されたのか、どうか教えていただけますか。
マヤ・クラインツ
スロベニア、マリボル
【ベンジャミン・クレームの師は、イエス覚者が介入されたことを確認した】

呼びかけ

私たちの情報をウェブサイトだけで受け取る人が増え、シェア・インターナショナル誌を購読するためのわずかな費用を惜しむ人が増えていることに気づきました。

誰もがインターネットを使えるわけではないし、そうであるわけでもありません。つまり、印刷された雑誌が必要です。もちろん、それにはボランティアによる多くの作業と、制作・配布のための多くの資金が必要となります。ハイアラキーはこの仕事のためにお金を出しているという考え方があるかもしれませんが、そうではありません。シェア・インターナショナルの購読料は、私たちの活動を維持し、一般の人々に届けるために不可欠なものです。購読料は可能な限り低く抑えられており、雑誌は広告による補助を受けておらず、印刷代や郵送料は常に値上がりしています。

インターネット上の情報を読む読まないにかかわらず、この活動を真剣に信じるすべての人が、この雑誌を支援したいと思うことは、きっと誰もが認めることでしょう。

ご支援ありがとうございました。

マイトレーヤのメッセージ:彼は私たちに何を求めているのか

パトリシア・ピッチョン

1977年9月6日から1982年5月27日まで、ベンジャミン・クレーム氏は、ロンドンのフレンズ・ハウスでの毎週の講演中に、メンタル・オーバーシャドウの過程を通して、マイトレーヤから合計140信のメッセージを受け取った。

 私たちは繰り返し、霊的教師や案内者に多くを求めたり、あるいは、私たちが信じる聖なる力が何であれ、その聖なる力に多くを求めたりするが、たとえ不完全であるにしても、私たちに求められているものについてどれほど頻繁に考え、実行しているだろうか。自分自身への言い訳は、「それは難しすぎるし、なぜ私が試さなければならないのか」という疑問から、「ああ、そうね、いつかやってみよう」に至るまでいろいろとあるが、その後、その意図はいつの間にか失われてしまう。
 マイトレーヤのメッセージには幾つかユニークな特徴が見られる。それぞれのメッセージが一定の朗々としたスタイルを持っており、厳粛さに満ちているが、多くの場合は直接的で、ほとんど親密な語り口と、全く尊大さを感じさせない単純さがある。
 最初のメッセージにおいて、マイトレーヤは人々を「兄弟姉妹たち」または「我が友、子供たち」と呼んでいる。彼はまた私たちにこう告げている。「わたしの顕現は完了し、成就した。まことにわたしはこの世に在る」。続けて彼は「しかしなすべきことは多い、世界には変化を必要とするものがあまりにも多い。多くの者が飢え死にし、多くの者が不必要に苦しんでいる」と語り、さらにこう付け加えている。「これらすべてを変えるためにわたしはやってきた。あなたがたに前進への道を示そう、もっと簡素で、健全な、より幸せな生活へ向かって、共に進む道を。人が人に、国が国に相対立することなく、兄弟同胞として、共に新しい御国へと前進しよう」
 2番目のメッセージで、彼は「世界の倉庫で腐敗している食物」について語り、「教師として、守護者として、友として、案内人として」私たちに対して援助を申し出ている。ここではまた、マイトレーヤは、彼と一緒に働く覚者方、知恵の覚者方も私たちの中にいることを公表し、「彼らの仕事を助けなさい」と、私たちに直接呼びかけている。彼はこう説明している。「彼らは、あなたがたを通して、新しい時代を建設するということも知りなさい」
 ただし、これは自然に起こることではない。ほんの少数であっても人々が集まり、他の人々のために働き始めるとき──利益ではなく奉仕によって、個人的な野心や見当違いの競争精神ではなく協力的な精神によって動機づけられ、人々が生き、希望し、繁栄することを可能にする基本的な必要に応えようとするとき──覚者方は、エネルギーを送ることによって私たちの努力を強化する。最も緊急を要するのは、十分な食料と水、そして住居の提供であり、また、それだけでなく、様々な形を取り得る教育や訓練、医療支援の提供である。さらには、人々が出会い、話し、食事を共有し、単純に交際を楽しむことを可能にするプログラムの提供である。これらの取り組みは、多くの場合、より広範な共同体の取り組みへと発展し、それが成功すると今度は、他の人々を鼓舞する青写真となる。現在、多くの人が自分自身の輪を越えて活動を広げており、そうした活動による結果は、非常に寛大な寄付による壮大なものであれ、ささやかな始まりからの発展であれ、深刻な世界規模のパンデミックの最中にあっても喜びと本当の安堵感をもたらしている。
 したがって、救済の仕事は明らかに集合的で協力的なものであり、マイトレーヤと知恵の覚者方が自分たちで成し遂げるものではない。この側面は、私たちを単独で救済する「救い主」を待っている人々にとっては受け入れ難いかもしれない。変化を起こし、その「新しい御国」の創造のために私たちが手を差し伸べ、共に行動しなければならないという認識は、まさしく厳粛なものである。….

 まさにどれだけの責任が私たちの肩にかかっているかを、マイトレーヤは3番目のメッセージで明らかにしている。「わたしの仕事は、導き、案内することである。しかし、あなたがたは喜んで従いてこなければならない。そうでなければ、わたしは何をすることもできない。わたしの両手は『法』によってしばられている。それを決めるのは人類なのだ」….

人類へのマイトレーヤの接近 ──  第一部

アレクサンダー・ドゥーヴェス・デッカー

チベット人の覚者であるジュワル・クール覚者は、覚者方の霊的ハイアラキーへの人類の動きと人類への霊的ハイアラキーの動きを記録に留めている。彼の筆記者であるアリス・ベイリーと協力して、彼は次のように書いている。「西暦1425年以降ずっと、ハイラーキーは、この予測された動きが起こる時が訪れることに気付いていた。準備は着々と進められてきた。覚えておくべき点は、(最初にシャンバラから発せられた)この推進する意図が、何万年もの間続いたリズムに大きな乱れを生じさせ、その乱れが基本的な条件付けの要因になってきたという点である」(『ハイラーキーの出現〔下〕』)

ロゴスの大計画とアクエリアス(宝瓶宮)時代の到来を心に留めて、私たちの兄たち、つまり知恵の覚者方は、その日から日常の世界に戻る準備を整えてきた。人類に広まっていた多様性を考慮して、西暦1425年に開かれた 100年ごとの会議において、人類の政治的、宗教的、文化的な問題に融合と統合へと向かう傾向を植えつけるためにシャンバラのフォースを流入させる許可が求められた。人類が多様性の中の和合を発展させることが、ハイアラキーの外的顕現にとって不可欠である。

15世紀から16世紀にかけて、ルネッサンスがヨーロッパのキリスト教国やイスラム世界で開花した。インドのムガル帝国と中国の明王朝では、シルクロードの再建および文明と文化の全般的な復活により、貿易、芸術、科学が再び繁栄した。鄭河提督、ジャンヌ・ダルク、カビール、レオナルド・ダ・ヴィンチのような男女は、世界と人間の性質の探求のみならず、知恵の覚者方に鼓舞されて、人間の神性に関する新しい理解の先駆けとなった。16世紀の終わりにかけて、アクバル大帝の支配下にあったムガル帝国のようなところで、南北アメリカ発見後のスペイン帝国と明王朝間の新たな世界貿易と共に、融合への傾向の最初のかすかな兆候が見えてきた。17世紀と18世紀には、パイシス(双魚宮)のエネルギーが撤退し始め、アクエリアスの摂理が徐々に流入するにつれて、この新しい原動力がゆっくりと勢いを増してきた。

最初の直接的な接触

啓蒙時代、一人の知恵の覚者がヨーロッパの様々な宮廷を訪れ、公の注目を集めた。一般にサンジェルマン伯爵として知られる神秘的な人物は、多くの言語を話す錬金術師、画家、音楽家、哲学者としての顕著な能力と彼の秘められた「家系」により、貴族と王族の間で注目を集めた。このように、アクエリアス時代における「文明の主」の代理であるラコーツィ覚者(『マイトレーヤの使命 第Ⅲ巻』86ページ)は、より人道的かつ科学的な人生観が定着し始め、アクエリアスの理想──(フランス革命中に不完全に表現された)自由と平等と友愛──へと向かい始めた時に姿を現した。

主マイトレーヤの弟子であるラコーツィ覚者は、彼を神の錬金術師、芸術家、哲学者、もしくは山師や詐欺師と見なした同時代の多くの人々から賞賛され、また罵倒されもした。人類はこの文明の主の代理から多くの恩恵を受けている。彼は、鉄道、ガス、電気など、現代の発明の多くに影響を与えた。「伯爵」(彼は覚者方のロッジである霊的ハイアラキーでこのような名前で知られていた)が舞台を去る時までに、西側世界はアメリカとフランスでの革命と英国における最初の産業革命から始まる革命の時代へと移行していった。….

モンドリアンのマグカップでお茶を飲むとき、私たちは通常その絵がモンドリアン自身に対して持っていた精神的な意味に気付いていない。芸術的イメージが高度に商業化されるとき、その意味は失われ、私たちはその「セレブリティ」な地位以上のものを見ようとしない。「もしそれが有名なら、よいに違いない」──というのが、今日の市場優先の現代美術界で非常に成功した考え方である。
20世紀初頭の現代抽象美術の先駆者たちに、不朽の智恵の教え、とりわけ神智学がインスピレーションと哲学的枠組みを提供していたことが、一般的にはもちろん、美術界においてさえほとんど知られていないのは驚くべきことである。少し名前を挙げるだけでも、絵画ではモンドリアン、カンディンスキー、マレーヴィチ、クレー、クプカ、クリント、音楽ではスクリャービン、詩ではT・S・エリオット、イエーツなどがいるにもかかわらず。だが、美術を理解し、美術について書いたり教えたりする上で、芸術家の意図を考察するのは意味のあることではないだろうか。概して、彼らの意図は見過ごされ、美術批評家や美術史家たちからは意図的に省略されている。おそらくそれは一般の美術鑑賞者や批評家には難しいと見なされているのだろう。多分それは批評家たちがしばしば熱心に示したがる内輪で語られる芸術史に適合しないのだろう。あるいはもしかすると、彼らは曖昧で科学的根拠のないことを言うには頭が良すぎるとか、馬鹿にされるのが怖いと考えているのだろう。このようにして、強調されるのは主に形式の側面だけで、意味は犠牲にされ、芸術の多くは十分に理解されていない。
20世紀初頭、神智学は、この二部作の記事の主要な焦点であるワシリー・カンディンスキーとピート・モンドリアンに深い影響を与えた。彼らは一般に現代美術の生みの親と考えられている。エドアード・シューレ(1889年の『偉大なイニシエートたち』の作者)、ヤコブ・ベーメ、エマニュエル・スウェーデンボルグなどの他の作品の影響もあったが、彼らの思考に大きな影響を与えたのはブラヴァツキー夫人の『シークレット・ドクトリン』であった。「『シークレット・ドクトリン』とその普遍的同胞愛の教義、古代と現代の宗教・哲学・科学の研究、そして自然についての説明されない法則と人類に内在する物理的パワーの調査は、変化する世界において時機を得たものであったのみならず、真理の探究者としての芸術家にとって明確な説得力を持つものであった」(K・ホール)….

シェア・インターナショナル2023年2月号
印刷版全内容

  • 覚者より 愛と平和の道
    ベンジャミン・クレーム筆記
  • マイトレーヤのメッセージ: 彼は私たちに何を求めているのか
    パトリシア・ピッチョン
  • 最前線で働く女性たち
    ブムズィレ・ムランボ=ヌクカ
  • 国際移動通信システム(IMT) と第5世代 (5G) テクノロジー 一希望と不安
    ティム・ウェルチ
  • 人類へのマイトレーヤの接近――第一部
    アレクサンダー・ドゥーヴェス・デッカー
  • ブラジルはファシズムとの闘いを続ける
    チアゴ・スタイバーノ・アルベス
  • 時代の徴 溢れる徴
  • 現代美術における霊性 第一部
    コルネ・クワーテル
  • 世界情勢 インド――最年少の市長が選出される
    ドイツ議会でユニバーサル・ベーシックインカムが議論される/ホームレスのための「シェルタースーツ」
  • S.O.P. (Save Our Planet) われわれの惑星を救え!  地球のための想像力
  • インド農民が歴史的な抗議行動を続ける
    ブレット・ウィルキンス
  • 科学・思考・事実——選集
    Science, thought and fact — a compilation
  • 編集長への手紙 覚者の魔法 他
  • 読者質問欄 回答 ベンジャミン・クレーム

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