シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。
印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。
シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。
――覚者より 教える者たちと教えられる者たち
ベンジャミン・クレーム筆記
人類はその長い歴史の中で、道に迷ったときが幾度もあったが、今ほど大きく運命られた道から逸れたことはかつてなかった。今ほど人類が救助を必要としたことはかつてなかった。そして今まで、その助けがこれほどまでに入手可能であったときはかつてなかった。長い長い間、人類に与えられる援助の程度は法によって制約されてきた。人間の自由意志は神聖であり、侵されてはならないものである。今日、数え切れない何世紀もの間で初めて、かつてないほどに多くの援助が自由に提供され得るのである。今日、人類の必要と絶望感が最大のときに、彼らの兄たちの豊かな援助の手が開かれ、そして彼らが切望する援助を提供する。
要求されることは人間自身からの要請のみである。必要とされることは「同胞団」〔訳注=覚者たち〕の助言と知恵を喜んで受け入れる用意ができていることであり、方向を変えることである。
この危機のときに、多くの者たちは希望を失い、すべてが終わるのを恐れながら待つ。彼らの未来に満ちている希望について何も知らず、変化の真っ只中で思い悩む。さらに多くの者は現在の状況にいらだち、何が何でも変化を求める。彼らは未来が招いているのを感じるが、それが何かを知らず、新しいものを経験することを切望して、じれったがっている。すべての者が、この変化の時を特徴づける緊張とストレスの影響下にさらされており、彼らの性質に照らして、それぞれに反応する。
この複雑な状況の中に、覚者たちは接近してくる。彼らは人間の自由意思が侵されないように行動しなければならないが、「法」が許す限りのあらゆる方法で助けることを求める。すべての者に受け入れられるやり方が発展するまで、多くの状況と場合において、緻密な判断が必要とされるだろう。
あなた方の兄であるわたしたちは、自由と正義を一人ひとりにもたらすものとしての完全参加による民主的プロセスを勧める。しかしながら、進化(の旅路)におけるわたしたちの長い経験と展望から、提供される助言を受け入れることが人間の利益であり向上のためであることが多々あるだろう。
このようにして、教える者たちと教えられる者たちは、調和と信頼のうちに共に働く。そしてそのようにして、人間は過去のやり方を、彼らの先達のやり方を学び、彼らの志向をあらかじめ定められた目的にそわせるだろう。
そのようになるだろう。そのようにして、人間は人生の本質を知り、今日、彼らのビジョンを歪め、不幸をつくり、存在そのものを脅かす多数の無益な執着を放棄し始めるだろう。
間もなく、覚者たちの中の覚者であるマイトレーヤは彼の公の使命を始められるだろう。間もなく、人間はマイトレーヤの教えを聞くことができ、そして自分たち自身でそれを評価することができるだろう。その中にある「真理」があまりにも単純に明らかなので、多くの者が速やかにマイトレーヤの勇士たちの群れに参加して、彼の重荷を分かち合うだろう。これらの言葉を読む者たちすべてがその中に含まれるように。
(シェア・インターナショナル誌2004年7、8月号)
商業至上主義の呪い
──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記
もし人類が地球温暖化の影響からこの惑星を救おうとするならば、計画されている炭素排出量制限よりもはるかに多くのことをなさなければならない。しかも、一般に必要な期間として受け入れられているよりもずっと短期間に行わなければならない。人々がこの危険を認知するのに時間がかかった。今でさえ、多くの者たちは問題を真剣に受け止めることを拒否する。そのような態度がこの地球という惑星の未来を危険にさらすことは疑いない。取り返しのつかないダメージがなされる前に均衡を確立するために人間に残された時間は、最大に見積もっても、10年か15年※しかない。
この目標を達成するために、人間は現在の生活様式を劇的に変えて、より簡素な生活の仕方や仕事の仕方を採用しなければならない。後に続く世代に対する何の配慮もなく、徐々にそして必然的に衰退してきた環境を見ようともせず、どうにでもなれという態度で、この惑星を意のままに荒らし、略奪してきた日々は過ぎた。
長年の間、毎年、毎年、大昔の原始林の巨大な領域から、純粋に商業的利益のためにいのちを与える樹木が切り払われてきた。商業至上主義が人間の喉元をさらに締めつけていくにつれ、それはまさに人類にとっての凶兆である。商業至上主義は人間にとって原子爆弾よりも危険であると、マイトレーヤは言われる。そして今日、世界を支配する経済破局にその破壊的な力を示している。
諸国の政府や国民がこのことを認識するのにどのくらいかかるのだろうか。商業至上主義が人類の生き血を搾り取り、人類自身が衰えて死ぬまであとどのくらいだろうか。突然、失業し、ホームレスになり、絶望している大勢の人々の心(マインド)に、ますますこれらの言葉の真理が生まれる。
これが、マイトレーヤが公の仕事のために人類の自由意志を侵すことなしに前面に出て来る状況を提供した。マイトレーヤは、現在起こっているこの出来事が確実に明るみに出るという知識に確信をもって、辛抱強く長年の間、この時を待っておられた。
商業至上主義はその牙をむき出し、危害をくわえる力を見せた。何百万の人間の自己満足感は商業至上主義と古いやり方への憎しみと不信に変わりつつある。至るところで人々はやっと、人生の意味と目的についての新しい解釈──分かち合い、正義、平和=正しい関係、同胞愛とより大きな幸せ──を受け入れる用意ができた。彼らはついにマイトレーヤの呼びかけに応える用意ができたのである。
もちろん、すべての人間がこの変化を通っているわけではない。この“不況”を“じっと持ち堪えれば”、また以前のように富を再び築きあげることができると想像する人々がたくさんいる。非常な金持ちと如才のない者たちは、何も失っていない。彼ら自身と他の人々との間のギャップは、単に彼らにとって有利な方向にさらに広がった。今のこの時は、他のいずれの時とも違うことを彼らは理解していない。われわれは、古い秩序の終わりに到達したのである。宇宙のフォース(エネルギー)が変化を命ずるのであり、それは起こらなければならず、起こるだろう。そうでなければ、この地球上の生命は繁栄しないだろう。
用意のある者たちは、マイトレーヤが、彼らの心からの要望を簡潔で感動的な言葉に表す彼の教えに速やかに反応するだろう。他の者たちは自分たちが馴れ親しんできたものを捨てるのにより長くかかり、一時期、反対するだろう。やがて、世界中の何千万の人々は、変化の必要とその論理に納得するだろう──それらの変化のみが、この惑星とその住民を救うだろう。
(シェア・インターナショナル誌、2009年4月17日)
※ 以上のように、この記事は12年前に書かれた──ここで伝えられた訴えかけと助言を一層緊急なものにする事実である。
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読者質問欄
世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。
Q あなたは霊性が経済に導入されていると仰っているように聞こえます。そうではないのですか。
A 私が言ったのは、人類は大きな霊的危機を経験しているということです。私たちは自分が誰であるかを知りません。私たちは自分が転生した神であり、人類は一つであることを知りません。今日どうやって生活すべきかを知りません。相互依存の観点から共に平和に生きる術を知りません。競争ではなく協力するにはどうすればいいかを知りません。私たちは競争を愛しており、あらゆる貪欲がそれを強化し、経済は苦境にあります。経済的な病で苦しんでいるのです。競争のあらゆる結果──犯罪、ドラッグ、飢餓──は、私たちが正しい生き方をしていないことから起こります。私たちは自分が誰であるかを知らないからです。それが霊的危機です。
私たちは自分が存在として誰であるかを知りません。人間の構造が神の閃光であり魂を顕示するものであることさえ知りません。魂が物質界に男女として反映され、何度も何度も転生してくることを知りません。これが私たちの霊的な構造の現実であり、それは人々が最初に知っておくべきことですが、それを知らない人々がいます。誰もが、私たちの構造やここにいるのはなぜかを知らなければなりません。
人生の目的とは何でしょうか。誰も知りません。なぜ私たちはここにいるのでしょうか。その目的は何でしょうか。私たちはいかに生きるべきかを知らず、それは重要なことではないと思っています。最大で最高のものを競って求め、それ以外は重要ではないと思っています。それは重要なのです。それが核心です。人間の霊的目的は正しい関係を表現することです。正しい関係は人間の進化における次の段階です。食べ物の有り余る世界で一人の子供が飢え死にするならば、正しい関係を持っているとは言えません。世界で一日に3万5,000人の子供が飢え死にしています。それは正しい関係ではありません。それが現実であり、そのためにマイトレーヤはそのように言われるでしょう。
Q 実在(リアリティ)は体験できるものですか。思考は人を実在の体験に導きますか。
A 実在は体験することしかできません。それが実在を知る唯一の方法です。実在に関しては、それは私たちが神と呼ぶあらゆるエネルギー、あらゆる出来事に由来する、と言えると思います。
神が、教会の集まりに来る人々の頭の中の観念ではなくなる時が来るでしょう。週に一度目を向けて、その援助を求め、私たちの中ではなく外にあるかのように崇拝する対象ではなくなるでしょう。私たちはそれを経験によってのみ知ることができます。人々は私たちが神であり、私たちが神性と呼ぶものはあらゆる人間に内在し、私たちの本性そのものであることを知るようになるでしょう。神が存在しないところはありません。神は至るところにあり、それが一瞬一瞬の真実(リアリティ)です。ですから、週に一度教会に行って神を見上げ崇拝することによっては神を知ることはできません── 一瞬一瞬の体験として、私たちの生命に内在する神を体験することはないでしょう。マイトレーヤは言われます。「分かち合うとき、あなたは兄弟の裡に宿る神を認める」。それがあなたの真実(リアリティ)である、と。神は私たち皆の中にいます。神は私たちの本性です。神は彼や彼女といった個人ではありません。ある種の「それ」です。存在するあらゆるものの総計である「それ」であり、他には何もありません。思考を取り除くとき、神を知ることができます。思考を超えて行くとき、私たちが神と呼ぶことに合意するものを直接に体験することができます。それが実在(リアリティ)です。「それ」は私たちと分離したものではなく、私たち自身です。
編集長への手紙
シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。
美しい挨拶
1977年の夏に、私はイタリアのサン・ダミアーノ教会まで巡礼の旅をしていました。2台の長距離バスに日本人がたくさん乗車していました。教会へと歩いて向かっていた時には私一人だけで、20メートル離れた場所に立っていた一人の日本人女性以外に、周囲に誰もいませんでした。その女性は背が高くなく、顔が完璧な卵形で、黒髪に栗色の瞳をしていて、白と赤と金色の日本の着物を着ていました。彼女は私に微笑みかけてきて、深く三度もお辞儀をしたのです。私はびっくりして、彼女が笑いかけているのが私なのかどうか確かめるために、後ろを振・阨ヤりました。実際のところ、彼女と一緒にいたのは私だけでした。向き直ると、その美しい女性は去っていました。
あなたの師は彼女が誰だったのか教えてくださいますか。彼女からのメッセージは何でしたか。
A・G ベルギー、ルタンヌ
【ベンジャミン・クレームの師は、その『女性』がマイトレーヤであったことを確認した。メッセージはなかった】
違っても同じ
4年前のイースターの日に、膵炎による17日間の昏睡状態と一度の臨死体験の後、病室の壁に目をやると、栄光に満ちたキリストの半身像が私に微笑んでいたのです。彼の姿はキリスト教絵画にあるような特徴があまりありませんでした。彼はどなただったのでしょうか。イエス覚者でしたか。
A・G ベルギー、ルタンヌ
【ベンジャミン・クレームの師は、それがマイトレーヤの像であったことを確認した】
上からやって来るもの

2021年の8月に、私は日の当たる静かな庭園に腰を下ろし、「生きる前に死ななければならに」というキリストが教えたテーマについて読んだり、ラヴィ・ラヴィンドラによる「ヨギ・キリスト」の本を読んだりしていました。ラヴィンドラは新約聖書の中のヨハネの福音書について熟考し、光と闇の間の、つまり「上から来るものと私たちを引き下ろすものとの間の」葛藤について本を書きました。その一節には続きがあり、アリストテレスやプラトンだけでなく、神秘主義者であるノリッジのジュリアンへの言及もありました。私は以下の文章を読みましたが、それは神性、あるいは魂の感覚が増大する体験についてのものです。
「愛されし者の徴に敏感になるので、私たちの注目は高められ、向上します。 私たちは周囲の細かな物事に気づきます。 些細なこと、微妙な差異、一瞬のきらめき、香り、美の兆しなどです。愛を探知する者になるのです。 漫然と眺めることに満足している状態から、 より緻密で洗練された注目へと移行します」
その時に私は空を見上げました。晴れ間が広がっていきました。 その周囲全体は雲に覆われていましたが、 晴れた青空の真ん中にこの雲が形を作っていくのが見えて、文字の『M』 という形になったのです。
匿名希望 / オランダ
時代の徴
ここに掲載されている「時代の徴」は、過去にベンジャミン・クレームによって確認されたものであるか、または確認されたものに似たもの、あるいはそれ自体が物語っている「徴」として掲載した。それらは多くの人に目撃され、彼らの希望と信の証しとなっている。判断は読者のみなさまにお任せしたい。

スペイン──2021年10月8日、旅行者がソリア付近で風景写真を数枚連続して撮影した。後で見返したとき、そのうちの1枚だけに、明るい光線を放つ、光る複数の円盤からなる物体が写っているのを発見して彼女は驚いた。

2019年2月、私は大事な人のために食事を用意していました。しかし、その時はその人に少し腹を立てていました。種を取り出そうとピーマンを半分に切ると、なんと、まあ! ハートがありました。
(オランダ、アムステルダム在住コルネ・クワーテルさん)
種子の保存と共有 単純だが根本的な行動
エリッサ・グラーフ
私たちのほとんどが知らないことだが、世界の食用作物の生物多様性が実は急激に減少していることが懸念されている。国連食糧農業機関(FAO)の推計によると、20世紀だけで栽培作物の多様性は75%減少し、2050年までに現在の多様性の3分の1が失われる可能性がある。
生物多様性によって、気候変動などの危機の際でも農業システムは回復し、農家は適応する機会が得られるだけでなく、持続的に生産量を増やすことができる可能性がある。FAOによると、生物多様性の損失の最大の要因は、工業型農業、森林破壊、そしてグローバル化した産業的な食料システムの行き過ぎである。
種子の保存と共有は人類が1万年もの間行ってきた伝統的なものであり、単純だが根本的な対策であるため、流れを変えるために、より多くの人が自ら推進し実践することができる。ここ数十年の間に、これらの伝統的な慣習はますます厳しい目で見られるようになってきた。なぜなら特許取得済みの植物品種については種子の繁殖と共有が違法であるとして、主に四つの工業用農薬企業を中心とする企業が、訴訟を通じて異議を唱えてきたからである。これらの政策によって最も影響を受けるのは発展途上国の農民だ。これに対し、「誰もが使用できるオープンソースの多様な種子を改良・交換し、大手種苗会社から独立する権利」と定義される「種子の主権」を中心として、世界的な活動家たちによる運動が起こっている。種子の保存は、生物多様性の回復に加えて、文化的に重要な伝統植物品種の維持を促進する。
この運動で最も著名な人物であるヴァンダナ・シヴァ氏は、インドを拠点とする環境保護団体「ナブダーニャ」で、1987年から種子の共有を推進している。コモンズ(共有財)の保全と再生を使命に掲げるこの組織は、150のシードバンク(種子銀行)を設立し、地元の伝統的な有機農場を支援する教育プログラムを実施している。
ナブダーニャの報告によると、現在、わずか30種の植物が世界の食料需要の95%を供給しており、4大主要生産物(小麦、米、トウモロコシ、ジャガイモ)が最大のシェアを占めている。また、近代農業が「均一化」に取り組んだ結果、米だけで20万種以上の品種が失われている事実を指摘している。ナブダーニャはインド全土で約4,000品種の米を保存しており、そのうち1,500品種がナブダーニャのシードバンクの一つに保存されている。 生物多様性の減少は、土壌肥沃度の回復や害虫と雑草の駆除を妨げ、化学薬品への依存度を高めることにつながる。ナブダーニャは次のように指摘している。「農家が繁殖させた品種を保存することは、極めて重要なことです。企業が特許を取得した種子を毎年購入する余裕のない多くのコミュニティーにとって、自由に配布されている回復力がある品種を利用できるかどうかは、生死を分けることになります」。….
ヴァンダナ・シヴァ氏が言うように、種子を保存して共有するという行為は政治的なものである。「土に蒔かれた種は、私たちを地球と一体化させます。私たちが地球であることを実感させてくれるのです」
「リトル・アマル」の大きな影響
タラ・クレーム
芸術家、コミュニティー、人道団体、文化施設を結びつけた極めて野心的で強力な劇場芸術作品がその結末に近づいている。
グッドチャンス劇場がプロデュースし、アミル・ニザル・ズアビ氏が監督を務めた「ザ・ウォーク」は、ハンドスプリング・シアター・カンパニーの製作による、シリアからの小さな難民の少女を模した3.5mの高さの操り人形、「リトル・アマル」を提供している。ほとんど見えない人形遣い集団が操るアマルは、2021年7月にトルコとシリアの国境から、ギリシャ、イタリア、フランス、スイス、ドイツ、ベルギーを通り、イギリスまで8,000 kmの距離を旅し、シリアからの小さな移民者が辿るであろうルートを巡った。
アマルの訪問に合わせて何百もの芸術イベントが企画されたが、プロジェクトの多くは、単にアマルが歩き、通常は大勢の人々が後に続くというものであった。また、アラビア語で『希望』を意味する名前を持つアマルは、難民キャンプや学童のグループを訪問した。その途上での多くの歓迎イベントの中には、ガズィアンテプでのロウソクを灯した行進、ピレウスからイタリアへ出航する前に催された自治体のブラスバンドによる送別会、ミラノでの劇場パフォーマンス、ジュネーブでのコンサート、マルセイユの砂浜での100人のダンスショー、アフガニスタン難民と共に踊り、詩と音楽が披露されたロンドンでの10歳の誕生パーティーなどがあった。リトル・アマルは、芸術的、文化的な会合の他に、政治家や宗教指導者とも会い、ローマで教皇から祝福を受け、国連や欧州評議会を訪問した。11月9日から11日には、彼女はCOP26のためにグラスゴーに旅し、気候デモに参加し、若い活動家と会った。そして11月の後半には、彼女はオランダのハーグを訪問する。….

アマルは、戦争で荒廃し、飢餓に苦しむ国々から逃れた何万人もの避難民の子供たちを代表している──彼女は新しい生活を探し求める、同伴者のいない子供である。「ザ・ウォーク」は、一人の難民が辿る経験を、政治的な統計値としてではなく、隣人として共感を持って受け止めることを私たちに求めており、「あなた方はアマルをどのように歓迎しますか」と私たちに問いかける。….
グッドチャンス劇場は「ザ・ウォーク」を「国境や政治や言語を越え、人間性を共有する新しい物語を伝える文化的な冒険旅行」と呼び、「地球規模でのパンデミックの最中で、今までになく脆弱な何百万人もの避難民の子供たちを、個々の物語と共に世界が忘れないようにするためのもの」であると言う。
理想を具現する必要-選集
The need to make manifest our ideals ― a compilation
「理想を具現する必要」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻と第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。
人間は非常に病的な状態にあるこの世界を救わなければならない。世界の一般の人々によって、その努力がすでに始められているのを見て、わたしたちの心(ハート)は喜ぶ。わたしはそのような人々に今語りかけている。あなた方の声を大きく上げなさい。あなた方の必要を世界に告げなさい──平和の必要を、正義と自由の必要を、宗教や皮膚の色や人種が何であれ、すべての人間が調和のうちに生きることの必要を告げなさい。すべての人間は本質的にひとつである。彼らはわたしの兄弟であり、わたしは一人ひとりを愛する。
(マイトレーヤからのメッセージ、2008年3月27日、『覚者は語る(2)』)
善は必ず勝利します。なぜならそれは、この惑星に魂を吹き込んだ神聖な存在の意志だからです。しかし、私たちがそれを行わなければなりません。それはひとりでに起こりません。マイトレーヤはこのように言われます。「ひとりでに起こるものは何もない。人は行動し、その意志を実行しなければならない」。私たちがどんな理想を持っていても、どんなに平和を望んでいても、食物が十分にあり、何百万の人々が飢えないことを望んでいても、何週間も食べていないために膨らんだお腹を抱えている幼児がいなくなることをどんなに望んでいようと、それは、私たちが行動し、それを実施させるまでは、実現しないのです。
(『人類の目覚め』)
新しい声が人事の中に聞こえはじめており、国家のリーダーたちの中で敏感な心(マインド)を持つ数人によって明確に表現される。この声はわれわれの時代の最も必要とされることをますます表現していくだろう──平和、寛容、過去の過ちの許し、すべての者の利益のための協力と分かち合いである。その声は、人間同胞を愛する者すべてのハートとマインドから発せられるだろう。そして世界の再建と再生への打ち破られることのない要求が出されるだろう。その声は新しい時代の声である。それはマイトレーヤの声である。
平和と正義を求めて盛り上がるどよめきに、あなたの声を加えなさい。そして歴史の中におけるあなたの位置を悟りなさい。新しい時代の世界がつくられつつあり、すべての者の参加を必要とする。すべての者がこの偉大なる仕事に果たす役割を持つ。自分の志向を声高らかに表現するのに、若過ぎるとか老い過ぎているとか感じるべきではない。
(『覚者は語る(1)』─マイトレーヤの声─より)
多くの人々が、そして多くの国々がいま助けを必要としている。われわれの意識の中に世界的な相互依存というリアリティー(現実)が確固たる事実となっていくにつれて、『すべての人間は同胞である』という事実が、そのリアリティーを反映する構造や実際的行動のプログラムに移されていくだろう。
(『いのちの法則』)
神は代理人を通してのみ働くことができます。あなたが神の代理人とならねばなりません。あなたがそうするとき、何か非常に特別のことが起こります。あなたは、自分がそれと同じように感じる人々の、調和について、正義について、正しい関係について同じ理想を持つ人々の、世界中の大きな集団の一員であることを発見します。十分に大勢の人々がそう感じ、そして行動するとき、物事は変化します。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)
新しいスタートへの呼びかけを聞くとき、あなたは自分が、変化を支持し他の人々もまた生きることができるために自分自身の要求を喜んで減らす先導者の仲間の中にいることを発見するかもしれない。そのようにしてのみ、世界は救われ、再び大計画の方向に向かうことができる。……
変化への必要がこれほど緊急であり、これほど明らかであったことはかつてない。人間がこれほどまでに不活動の危険を感じ取り、自分の兄弟たちとこの惑星の未来の苦境に対して、今のように心(ハート)を開く用意のあったときはかつてない。
(『覚者は語る(1)』─神の反映─より)
シェア・インターナショナル2021年12月号
印刷版全内容
- 覚者より 教える者たちと教えられる者たち
ベンジャミン・クレーム筆記 - 商業至上主義の呪い
ベンジャミン・クレーム筆記 - 今月号の内容概説
- 視点 お金のない世界
ロバート・C・ケーラー - COP26(2021年、グラスゴー)で発表された 世界各国の政府および国際機関への公開書簡
- 理想を具現する必要-選集
The need to make manifest our ideals ― a compilation - インドの農民たちの抗議―民衆の力の勝利
- 種子の保存と共有 単純だが根本的な行動
エリッサ・グラーフ - 時代の徴
「徴を求める者は……」 - 勇気を奮い起こして
- 「リトル・アマル」の大きな影響
タラ・クレーム - 民衆の力は、歴史上の汚染者がやらないことを成し遂げる
- 接触と伝達の科学
アート・ユリアーンス - 4,500万人が飢餓の危機に瀕している
ペイバンド・コーサンディ、ポール・アンセム - 重要な時代における弟子の責任一 第五部
アンネ・マリエ・クヴェルネヴィック - 編集長への手紙 美しい挨拶 他
- 読者質問欄 回答 ベンジャミン・クレーム
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