シェア・インターナショナル 2022年8月号

シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。

印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。

contents

新しい文明――覚者より 

明けつつあるこの新しい時代の初めにおいて、次に続く何世紀もの間に光彩を添える文明と文化がどのようなものかを想像するのはむずかしい。そのような試みのほとんどは物質的ビジョンの網に絡まったままである。人生の霊的な意味とその表現を求める人間の志向を包含しようとしたものは、ほとんど見られない。
新しい文明と文化の観点から将来を予見してみよう。間もなく新しい啓示の方向に向かって最初のステップが取られるだろう。間もなく人類の前方にある道を指し示す新しい道標が置かれるだろう。初めは変化はゆっくりと進むが、やがてその勢いを増して、すべてがつくり直されるだろう。
新しい文明を構成する要素の特性を考慮してみよう。新しい時代の顕著な姿勢は、正しい関係を創造し、善意を表現するための試みであろう。個人に強調を置くことから集団(グループ)に強調を置く方向に大きく移行し、それが人類をより実りの多い線に沿って再教育するだろう。そしてそれが、神の大計画によりいっそう沿う機構を創造していくなかに反映されるだろう。未来についてのさらなる特徴は、人間が神の特性をよりよく理解し、神とのより密接な関係を持つことを欲するようになることであろう。今日見られるような、神が人間の生活にとって末梢的な存在ではなく、この目標が何百万の人間の生活の中で至上のものとなるだろう。神についてのこの新しいアプローチ(取り組み)に伴って、すべての生命の顕現に対する新しい敬意の念が生まれ、このようにして人間は下層王国との正しい整列関係に入る。下層王国に対する新しい責任感が人間の進化の速度を速め、したがって大計画に仕えることになる。
ほどなく、科学に対する新しいアプローチが、われわれがその中に生きるあの実在(リアリティー)に対するわれわれの姿勢を完全に再調整させる道を開くだろう。すべてが一体であり、われわれが知る各断片は他のすべてと密接につながっており、その関係は数学的に決められる特定の法則によって支配されており、各断片の中に総体の潜在力が存在するということを、新しい科学が人類に示すだろう。この新しい知識が、人間の、世界についての体験とお互いについての体験を変え、神と人間が一つであるという真理を確認させるだろう。このようにして新しい科学は人間の神性を実証し、新しい世界宗教の確立につながるだろう。科学と宗教との間の往古の分離は癒され、人間の霊的成長に新しい推進力が加えられるだろう。
そうした豊かな風土の中で、人間の隠された霊的能力が自然に開かれ、人間のマインド(識心)の膨大な潜在力が空間と時間を征服し、そして宇宙自体のエネルギーをコントロールするだろう。人間の霊魂(スピリット)の資質は無限である。啓示が最高潮に達するなかで、目に見えない世界の栄光が人間の仰天した凝視の前に明かされ、聖なる創造の全貌が如実に見せられるだろう。
人間が宝瓶宮(アクエリアス)の体験の瀬戸際に立つにあたり、このすべてのことが人間を待っている。キリストによって人間に運ばれる「宝瓶宮のいのちの水」は人間の裡に眠る聖なる意識を目覚めさせ、本来の姿である神を人間に示すだろう。マイトレーヤと彼の兄弟たちの賢明な指導のもとに、人間は明らかにされた神性の全能力を達成するだろう。それが人間の生得の権利であり、人はただそれを知らないだけである。
世紀から次の世紀へ、順を追って、人間の神性をますます顕現する文明を人間は築いていくだろう。聖なる創造の美のすべての様相が表現される文化をつくるだろう、それは神のイデア(理念)の栄光が映し出される鏡である。
このようにして人間は、神の大計画のもとで、ものごとの体系の中における人間の真の位置を占めるだろう。このようにして、マイトレーヤのインスピレーション(鼓舞)のもとに、人間はこの── 恐怖と独断的教義と憎しみによって分裂された──世界を変容させるだろう。愛の法則が支配し、すべての人間が兄弟であり、聖なる特性にかかわるものはすべて人間の注目を引き付け、それが人生をコントロールする、そのような世界に変容させるだろう。このようにして神についての人間の夢は実現され、その潜在力は達成され、人間の運命は全うされるだろう。
(シェア・インターナショナル誌1982年8月号)

これらの記事は、ハイアラキーの上級メンバーである覚者によるものである。彼の名前は秘教界ではよく知られているが、まだ明かされていない。マイトレーヤの出現に関する主要なスポークスマンであるベンジャミン・クレームは、覚者と常にテレパシーでコンタクトをとっており、彼に記事を口述していた。

覚者による他の記事を見る

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時代の徴

覚者からの祝福の現象を連想させる一筋の光が写っている。ニューヨーク、グランドセントラル駅でのゴスペルコンサートの最中に撮影された写真。ニューヨーク州ラーチモント在住のK・Gさん提供。

本誌通信員より

現代の弟子の多様な仕事(抜粋)

「世界政府のための議員連盟」のメンバーとの次の手紙のやりとりは、ベンジャミン・クレームが公の仕事を始めたときにどのようにして様々なグループや組織に接触したか──彼らとの架け橋を築き、公正な新しい世界のためのマイトレーヤの優先事項を伝える機会をどのようにして設けたか──に関して興味深い洞察を与えてくれるものである。


ロンドン
1975年6月

親愛なるA. 氏へ
「世界政府弁護論」というリーフレットを興味深く読みました。私の考えでは、今日の世界が直面する重大な問題は経済的なものです──すべての人の必要を満たすために世界の食料や原材料、エネルギー資源を分配するという問題です。こうした最初の措置が講じられなければ、どのような世界政府や世界連邦も実現可能ではありません。すべての国民の経済的必要が公正な基盤に基づいて満たされるまでは、どのような平和も保証されません。それ以外の道はありません。開発途上国の何百万もの人々が前例のない規模で飢餓と病気に直面するまでに残された時間は、ほんのわずかしかありません。このような地球規模の責任という感覚に向けて人々を教育することが最優先事項です。
現時点で圧倒的に必要なことは、世界の国家や政府に対して、世界政府の仕組みのための完全な青写真ではなく、新しい世界秩序の最低条件となるいくつかの基本原則を提示することだと思います。私の考えでは、これらの原則を次のように大まかにまとめることができます。
1.一つの人類しかないという認識。
2.経済関係における分かち合いの原則が人類の現在の窮地から抜け出す唯一の道であり、先進国と開発途上国を含めたすべての国家を代表する何らかの国連経済機構によって世界規模で実施されなければならないという認識。
3.すべての国家が自国民の幸福を増進させることができるように、平和の状態を維持する必要。
4.すべての国家が金融や経済、科学的、技術的発見の分野での相互依存性を認識する必要。
こうしたいくつかの基本原則を十分な努力と確信をもって世界規模で提示するなら、世界の諸国民は、自分たちが根本的に役に立つ存在であり、健全な感覚を持っていることを理解することができるでしょう。そうすれば、そうした原則を実施するために必要な機構が設立されるまでに長い時間はかからないでしょう。このようにして自動的に、相互依存と経済的正義に基づいた「諸国家の世界連邦」が実現するでしょう。
敬具
(署名)ベンジャミン・クレーム

世界政府会派
英国議会下院
ロンドン、SW1
1975年9月9日

親愛なるクレーム氏へ
お手紙をいただき、ありがとうございました。私たちは実質的に、同じ意見を持っているようです。問題は、人類が自らの代弁者として、人類という視点ではなく偏った視点しか表明することができない各国政府を持っているということにあります。そのため、各国政府はほとんどすべてのことに署名しますが、何もしません。残念なことに、政府の中にいない人々はまだ(組合労働者を除いて)、ほとんど影響力を持ちません。私たちが見るところ、主な課題は、一般大衆の利益のために代弁する人を見いだすことです──国連事務総長よりもはるかに影響力のある人です。そうすれば、あなたが概略を示したような原則をその代弁者が口にし、原則が行動に移されることを期待することができるでしょう。
その代弁者が政府の中から登場するとはとても思えない、と私たちの何人かは考えています。歴史的に見て、そうした人々は何らかの聖職から現れてきました。人類の代弁者が特定のちっぽけな領土の代表者であるはずがないことは確かです。
この代表という問題に関してアイディアをお持ちであれば、お知らせください。
あなたが関心を持ち、建設的な提案をしてくださることに重ねてお礼申し上げます。
敬具
(署名)P.A.

ロンドン
1975年9月12日

親愛なるA. 氏へ
非常に興味深いお手紙をいただき、ありがとうございました。国家の境界や利益を超越する広く包括的なビジョンを持った、私たち双方が思い描くような代表者を探すべきところは政府ではないということに完全に同意します。そのような代弁者は実際に存在しています。彼らはまだ、国際舞台に入っていく立場にありませんが、近い将来、現れることを期待することができるでしょう。彼らの出現を可能にするために、そして彼らの行動を実り多いものにするために、すべての善意の人や、一つの人類の利益を心に抱くすべての人の側で、こうした代弁者が働き、世界の諸国民を鼓舞することのできる土台を構築することが、差し当たって必要となるでしょう。この土台はその基礎に、すべての人の利益のための協力と分かち合いという原則を据えなければなりません。私はこの前の手紙でこの原則について概略を描き、私たちはそれについて同意したように思います。
どのようにしてこの土台を築くことができるのでしょうか。次の1年か2年のうちに(明確な時間の要素が関係しています)、できるだけ多くのグループや機関が世界中で動員され、こうした原則を受け入れることについて立場を明確にし、周知させることが必要です。こうしたいくつかの望ましい目標をすべての宣伝活動の基盤とし、私たちの問題に対する正常で実際的な、唯一の解決策として速やかに確立すべきです。これは非常に難しい仕事ですが、エネルギーと確信をもって取り組めば、不可能ではないと思います。こうした原則を受け入れ、実施することを願う十分な数の男女が今、あらゆる国で影響力があり比較的力のある地位に就いています。彼らは今、自分たちが属するグループや機関を通してお互いに連絡を取り、そこにこそ解決策があるという自分たちの信念を世界規模で宣言する際にお互いに助け合い、支え合うべきです。
人類の大多数はそのような先導に速やかに反応し、より良い、より公正な生活を求める声と志向を寄せるでしょう。そうすると、まさしくそのような時を待っていた方々が現れて、融合と正義に向けた努力を調整し、導くことができます。
そうした原則を実施するための権力と影響力という問題は、現実というよりも見かけだけのものです。私自身の見解では、世界にはまさしく、労働組合運動があり、ビジョンと幅広い人間性を持った人々がおります。理想的には、そうした人々は党派の指導者としてではなく、ますます雄弁になってきた世界中の一般大衆を代表する者としての能力により、適切に打診されれば、こうした考えや目標を宣伝する立場に置かれるでしょう。彼らはまた、いつも建設的であるとは限りませんが、実際の権力を行使するでしょう。あなた方のようなグループによって先導されれば、多くのことを達成できるでしょう。
私はあなたの次の見解をとても興味深く思いました。「その代弁者が政府の中から登場するとはとても思えない、と私たちの何人かは考えています。歴史的に見て、そうした人々は何らかの聖職から現れてきました。人類の代弁者が特定のちっぽけな領土の代表者であるはずがないことは確かです」。私は全面的に同意します。
様々な出来事により、歴史における目的の継続性が証明されるでしょう。
敬具
(署名)ベンジャミン・クレーム

すべてのアメリカの労働者のための適正な賃金(抜粋)

ジェイソン・フランシスによる
サル・ジャヤラマン氏へのインタビュー

サル・ジャヤラマン氏は、サービス業界での適正な賃金を求めて活動している米国の非営利推進団体「一つの公正賃金」の代表である。サービス業界では、顧客からチップを受け取る労働者に最低賃金未満の賃金しか支払われないことがよくある。「一つの公正賃金」は、労働者と雇用主を組織し、調査を実施し、本を出版し、この問題に関する映画を制作している。この団体ではまた、すべての人に最低賃金以上の支払いを保証する法律の制定のために立法者と会合を持っている。・・・

奴隷制の遺産

シェア・インターナショナル(以下SI):米国政府は企業に対し、従業員が顧客からチップを受け取る場合に、連邦最低賃金の時給7.25ドルではなく、時給わずか2.13ドルを従業員に支払うことを許しています。チップを受け取る労働者に、チップの他に満額の賃金ではなく最低賃金未満の賃金を支払うという考え方はどこから来たのでしょうか。
サル・ジャヤラマン:それは奴隷制に由来します。封建時代のヨーロッパで始まったものです。チップは常に、賃金に加えて支払われる追加またはボーナスでした。チップは奴隷解放(1860年代の奴隷制廃止)の直前に米国に入ってきました。レストラン業界は黒人のアメリカ人を雇いたいとは思っても、何も支払いたくありませんでした。つまり、基本的に奴隷制を継続し、チップだけで生活させるということです。1938年に、ニューディール政策(大恐慌の影響に対処するためにルーズベルト政権が創設した一連のプログラム)の一環として、誰もが初めて最低賃金を得ました。ただし、チップにより満額の最低賃金以上を得ている限り賃金はゼロである、と告知されたチップ労働者を除きます。過去150年の間その慣行が維持されてきたのは、全米レストラン協会のロビー活動のためでした。

S I:有色人種の労働者は、最低賃金未満の賃金から現在どのような影響を受けていますか。
ジャヤラマン:アメリカには1,400万人のレストラン労働者がいて、約60%がチップを受け取っています。そして、チップを受け取る労働者のうち約3分の2が女性であり、有色人種の女性が不釣り合いに多く、チップ収入がはるかに少ないカジュアル・レストランで働く傾向にあります。しかし、たとえ男性のウエイターの方が多い高級レストランで働いていたとしても、客の暗黙の偏見のために、収入は男性、特に白人男性よりも少なくなるでしょう。そのため、「チップ労働者」(女性や有色人種の女性)が大部分の収入としてチップを当てにすると、たとえ有色人種の労働者がより良いサービスを提供したとしても、白人により多くのチップを支払う顧客の偏見の影響を受けます。

S I:受刑者を安い労働力として利用することについてお話しいただけますか。
ジャヤラマン:連邦刑務所や州刑務所に収監中の労働者は、しばしば働くことを要求されます。刑務所の独房の清掃のような刑務所内部の作業をすることもありますが、民間企業や他の州機関で働くように求められることも多いです。例えば、カリフォルニア州では山火事が増加しています。消防労働力の3分の1を受刑者が占めており、山火事と闘うために時給11セントが支払われています。これは非常に危険な作業です。
次に、連邦刑務所や州刑務所の受刑者が、ビクトリアズ・シークレット[婦人服小売企業]から始まって電話会社や公園用ゴミ箱の製造企業に至るまで、民間企業で働くように求められる場合があります。そして、そうでなければ満額の最低賃金の労働者がすると思われる仕事を、時給1ドル未満でするように求められます。
これは、奴隷制の直接的な遺産です。これは、奴隷制を禁止しながらも投獄された場合には奴隷制を認めるという、1865年に可決された米国憲法修正第13条の例外事項に由来します。その結果、多くの民間企業や州政府機関が安価な労働力から利益を得ることになりました。それは安い労働力ですらありません。時給11セントの支払いでは、ほとんどただ働きです。

シェア・インターナショナル2023年7月号
印刷版全内容

  • 覚者より 新しい文明
  • 協力の要請 霊的な志向を持つグループへの公開書簡
    ベンジャミン・クレーム、ロンドン、1975年
  • 現代の弟子の多様な仕事
  • 覚者より 統合の必要
  • 歴史と心理学への秘教的なアプローチ ー 第一部
    アレクサンダー・ドゥーヴェス・デッカー
  • 時代の徴 世界中の光の現象
  • すべてのアメリカの労働者のための適正な賃金
    サル・ジャヤラマン氏へのインタビュー
    ジェイソン・フランシス
  • 地球と民主主義のための反逆
    ポントゥス・ベルゲンダール氏へのインタビュー
    エイドリアン・トロットナー、ホーカン・エークヴァル
  • 聖なる音響 
    セークリッド・アコースティックスの共同創始者、
    カレン・ニューウェル氏へのインタビュー
  • パレスチナ人ジャーナリストの殺害と イスラエルのアパルトヘイトに対する沈黙
    グラハム・ピーブルズ
  • 編集長への手紙 魔法のタッチ 他

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