シェア・インターナショナル 2020年10月号

シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。

印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。

ベンジャミン・クレームの師よりの記事
シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は、執筆された時だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載される記事を提供してきました。以下の記事は、それぞれ2013年と2015年に書かれたものですが、国際社会が、危機の全容を理解しようと苦闘している現在の私たちの困惑と恐怖を代弁している。「これからどこに行くのか?」と世界は疑問を抱いています。私たちは、私たちのシステム、態度、価値観の欠如を明らかにする出来事に覆い尽くされています。覚者方は人類に、心を開いて新しいことに備えるよう助言しています。

contents

法の規定――覚者より 

人類が「法」の規定をこれまで大体において拒絶してきたがゆえに、一連の大きな災難を経験したのであるが、彼らはそれを“神の御業”と解釈してきた。これらの“人間の行為”は、計画された地球の進化には何の類似性もない。人間がこれに気づくとき、彼らは自分たちの思考と行動を再調整するために一致した努力をするだろう。かくして“法の規定”を正しい状態にするだろう。徐々に法のリズムが人生を支配し、その結果、新しい調和とより大きな平衡が生まれるだろう。

この過程を助けるために、巨大なアバター(大聖)がマイトレーヤの背後に立っておられる。平和または平衡の霊は、作用と反作用の法を通して、その宇宙的な存在感をこの世界の大混乱の上に注ぎ込む。これまでのところ人間は、この変容のフォース(エネルギー)の影響にぼんやりとしか気づいていない。にもかかわらず、平衡の霊のエネルギーは今やこの地球に充満している。そうであるから、人間は今日の混迷とは本当に異なる途方もない平穏な時代を期待することができる。

その前代未聞の平和と平穏の時代の中で、新しい文明が壮麗なる高みに発展するだろう。星々へ手を伸ばし、人間は宇宙を征服し、時間の錯覚を打ち破るだろう。今日いまだ知られざる宇宙のエネルギーが利用されるだろう。己の神性の感覚が増大し、人は深く自己の裡を見つめるようになるだろう。それによって、自分の真のアイデンティティーの本質と、自然との、そして神との一体性を見いだすだろう。かくして、人間の環境は豊かに繁栄し、もはや自己の目的のために自然を搾取するような愚かなことはなくなり、自然は人間の必要をすべて満たすのに十分なだけのものを与えてくれるだろう。

かくして、新しい文明は大計画の展開における次のステップを表現するだろう。かくして、人間はずっと昔に失った進化の弾みを取り戻すだろう。あなた方の兄であるわたしたちは、見守り、勇気づけ、警告し、保護し、人間がわたしたちの群れの中に戻ってくる喜びを経験するのである。そのようになるだろう。


マイトレーヤが非常にしばしば言われたように、「人間は自分たちを一体として見なければならない」。 
これが、未来のすべての進歩への重要な第一歩である。その他のすべてが、その条件の達成にかかっている。これがそうであることを、そのときに初めて自己破壊が避けられることを、そのときに初めて人間の眠っている可能性をその次の偉大なる達成のために解き放つことができることを人間に示すことが、マイトレーヤと彼のグループの最初の仕事である。

人間が彼らの一体性に目覚めることをわたしたちは疑わない。人間の落ち着きのない奮闘のすべての底に、今日彼らを襲っている多大な問題の解決には、すべての者が責任を分かち合わなければならないという認識の目覚めがある。問題と同様に、その責任も世界的であり、分割不可能であり、そして協力とエゴ(自我)の否定を通してのみ、それらに適切に対処し克服することができるという認識の目覚めがある。

間もなく世界の前に現れようとしておられるマイトレーヤは、人間の心(マインド)をこれらの真理に開かせる仕事を持つ。彼の能力とその成功を疑ってはならない。

「法」の条理――覚者より

人々は変化しつつある世界に生きており、それを当たり前のこととして受け入れなければならない。ある人々にとっては、これらの変化は脅威のように見え、ありがたくないだろうが、他の人々にとっては、特に若い人々には、それらの変化は両手を広げて歓迎されるだろう。あなた方の立場が何であろうとも、それは最善のためであることを保証する。なぜなら、それらの変化は時の必要を反映しており、避けられないことであり、公正である。

人々は、これらの変化が自分たちの生活に影響を及ぼす条件を自分たち自身がつくっているということに気づくべきである。この認識が成果を上げるとき、新しい時代へのより円滑な移行が当たり前のことになるだろう。

人々に対するわたしたち(覚者たち)の勧告はこれである──見えざる力のせいにするのではなく、われわれの時代の変容を創造していく中におけるあなた自身の役割を悟りなさい。これらの変容の中から、恍惚とした歓びがやって来ることを確信しなさい。

これらの記事は、ハイアラキーの上級メンバーである覚者によるものである。彼の名前は秘教界ではよく知られているが、まだ明かされていない。マイトレーヤの出現に関する主要なスポークスマンであるベンジャミン・クレームは、覚者と常にテレパシーでコンタクトをとっており、彼に記事を口述していた。

覚者による他の記事を見る

読者質問欄(抜粋)

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。

Q あなたはこの情報をオープン・マインド(開かれた心)で聞いてほしいと言われますが、それは難しいとも言われています。なぜそうなのでしょうか。

A 私たちは皆オープン・マインドを持っていると思っていますが、実際には全くそうではありません。私たちが信じていることのほとんど、世界はこういうものだと考えていることのすべては、実際には生まれたときからの条件付けの結果です。私たちは自分が信じていることや自分の考えに反するものに出会うと、それを払いのけてしまいがちです。それは自尊心や思考の安定に干渉するので、私たちはそれを無視し、好みません。

正統的な伝統を信じる人々や、私の言うことに反するように思える何らかの宗教組織に属する人々にとって、それは特に難しいことです。私の見解からは、私の言うことはどんな宗教的教えとも対立しないと思います。そのように思えるかもしれませんが。この情報は難しく、特に初めて聞く場合にはそうでしょう。この話にいくらかでも馴染めば、正しいと思うことができるようになり始めるでしょう。まず始めに、それは完全に間違っているか、本当であるにはあまりに良過ぎると思われるのです。

Q あなたは自分の言うことが事実であると確信しているのだと思いますが、なぜ長年同じことを言い続けるのですか。その価値があると思いますか。

それは明らかなことだと思います。もし私の言うことが真実であれば、これはあなたがこれまでに聞いたどんなことよりも重要な情報です。もしこれが真実であれば、それは今の人生だけではなく、遠い過去から将来までの連続する人生の基礎となるものです。この情報は、それが真実であれば、今日起こっていることへの理解を与えます。なぜ物事がこのように起こるのかについてです。大多数の人類が平和と正義と幸福の世界に入っていけるように、多くの人々にとって恐ろしい、つまり困難でトラウマ(心の傷)となるような物事を、いかにして変えていくことができるかを教えます。

編集長への手紙(抜粋)

シェア・インターナショナルには、ベンジャミン・クレームと彼の師が、覚者たち、あるいはその「代弁者」との本物の出会いであると確認した未発表の手紙を預かっています。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっていたかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されています。

そのまま頑張って!

2020年8月15日の土曜日、私は友人と一緒に買い物に出かけました。途中で一人の男性が私たちの方へやって来て、「あなた方はイエス・キリストを信じますか?」と尋ねてきました。私は彼の突然の質問にびっくりしましたが、友人は躊躇なく「はい」と答えていました。私も同意してうなずくと、その男性は「そのまま頑張って!」と言ってくれました。その言葉はその時、私が必要としていた答えでした。

帰り道で彼が私の方に背中を向けて座っているのが見えて、その姿に温かい気持ちになったのは、彼の振る舞いが私にとって、マイトレーヤのための活動を続けることへの励ましを意味していたからでした。翌日の日曜日には、それで頑張れたのです。

K.M. ベルギー、ルーバン

アメイジング・グレイス(すばらしき恩寵)

編集長殿
2005年3月30日の午前9時10分頃、私の母が車の事故を起こし、車は上下逆さまになり、木々にぶつかって大破しました。警察が到着すると、彼らは母が無傷で出てきたことに仰天しました。

事故は母の車が道路でスリップしたために起こりました。周囲に他の車はなく、二人の男性が現れて母を助けるまで誰もいませんでした。その二人は少し『労働者』のように見えて、私が思うに建設作業員でした。一人はとてもぽっちゃりとした人でした。彼らは警察が到着するまで留まってくれました。彼らもまた母が生き延びていたことに驚いていました。

私の母は聖なる介入があったと信じています。その二人の男性は、主マイトレーヤとイエス覚者でしたか。

L.S. 英国、サセックス州
【ベンジャミン・クレームの師は、『ぽっちゃりとした』男性がマイトレーヤで、もう一人がイエス覚者であったことを確認した】

有効に使われたお金

編集長殿
2005年6月18日に、瞑想仲間のリチャードと私は公開瞑想会を開いていました。誰も来そうになかったので、私は主マイトレーヤの『手』のカードに自分の手を乗せて、「最低でも、主マイトレーヤとイエス覚者が来て……あの、つまり『最高で』という意味で、彼らは最も重要な方々ですから!」とお願いしました。

誰も来なかったので、外へ出て人々の注目を引こうと私が言いました。私たちはチラシやカードを完全装備していました。私が瞑想の無料体験をしませんかと尋ねると、人々は微笑んでいましたが、誘いに応じてはくれませんでした。一人の男性が足早に通り過ぎていきながら、「私はすべてにサインした……テトラヒドロンというものにも!」と言っていました。私が彼を覚者ではないかと思ったのは、リチャードが少し前に『テトラヒドロンというもの』について話をしていたからでした。

別の男性が立ち止り、私たちに長々と話しかけてきました。私が彼の言葉にくじけて引き下がったりせず、元気いっぱいのままで、伝導瞑想は異なるものであることを伝えようとして、一つの人類、一つの宗教があるだけだなどと言い続けたので、彼は驚いていました。彼から高級車を販売して、少なくとも手数料をもらったらどうかと言われました! 彼はお金の良い使い方について適切な話をしてくれて、私は会場のためのお金を、横長の折り畳み式テーブルに使えば、ブライトンのレーン(狭い路地が集まる観光名所)でテーブルを設置できて良いのではないかと考え続けていたのです。私は彼にお金に使うことは得意で、これからもそうだと請け合いました。私は彼と長い時間話しながら、彼はイエス覚者なのか、ただの面白い男性なのだろうかと思っていました。

L.S. 英国、サセックス州
【ベンジャミン・クレームの師は、その『面白い男性』がイエス覚者であったことを確認した】

勝利の番号

編集長殿
2017年、グループメンバーの一人と私は、セラピストたちに出現についての講演をするために、グルノーブルのウェルネス・センターへ向かっていました。私たちは部屋の準備をするため早目に到着しましたが、ドアが閉まっていて、開けるためにはドアコード(オートロック番号)が必要だったのです。イベントを企画した人物がコード番号を私たちに教えるのを忘れていて、彼女を捕まえることはできませんでした。私は他の人たちに何件か電話をかけてみましたが、誰も私たちの助けにはなりませんでした。講演が始まる30分前になり、そのうち人々が来場し始めそうになりました。

私たちは思い付きの番号や文字の組み合わせを、それではダメだろうと完全にわかっていながらも、コード台に打ち込んでみました。どうしようもないと感じていましたが、その時突然、どこからともなく私のマインドに一つのコードが浮かんできて、それを打ち込むように鼓舞されました。全く驚くべきことに、ドアが開いたのです! もちろんドアを開けておくように、忘れずドアストッパーを付けました。

私たちの話を聞きに来たのは一人だけでした。後になってセンターの職員が来たので、その人にコードを尋ねました。それは私が打ち込んだものとは全く違っていました。

明らかに私たちは超越した方々から助けてもらいました。常に奇跡の力を信頼すべきだと再認識しました。たとえイベントに出席した人がたった一人であっても、覚者あるいは『そこにおられる』どなたかは、そうした信じられないような方法で助けるために、エネルギーを割いてくださるのです。私たちは最初懐疑的だったその来場者と、とても楽しく会話ができました。彼女は2時間近くも滞在しました。

G.G フランス、イゼール

呼びかけ

私たちの情報をウェブサイトだけで受け取る人が増え、シェア・インターナショナル誌を購読するためのわずかな費用を惜しむ人が増えていることに気づきました。

誰もがインターネットを使えるわけではないし、そうであるわけでもありません。つまり、印刷された雑誌が必要です。もちろん、それにはボランティアによる多くの作業と、制作・配布のための多くの資金が必要となります。ハイアラキーはこの仕事のためにお金を出しているという考え方があるかもしれませんが、そうではありません。シェア・インターナショナルの購読料は、私たちの活動を維持し、一般の人々に届けるために不可欠なものです。購読料は可能な限り低く抑えられており、雑誌は広告による補助を受けておらず、印刷代や郵送料は常に値上がりしています。

インターネット上の情報を読む読まないにかかわらず、この活動を真剣に信じるすべての人が、この雑誌を支援したいと思うことは、きっと誰もが認めることでしょう。

ご支援ありがとうございました。

時代の徴

ここでは、編集部にとって「希望の兆し」であり「時代の兆し」である現象を紹介します。幸いなことに、ベンジャミン・クレーム師によって本物であると確認された現象のストックは、現在かなり多くあります。しかし今後は、確認されていないものも紹介する予定です。私たちは、それぞれの「奇跡」または「徴」の現象において、可能な限り徹底的に調査することを約束し、過去にベンジャミン・クレームの覚者から常に提供されていた確認や、追加情報を現在利用することができないため、判断は読者のみなさまにお任せします。詳細については、入手可能な場合は、写真のキャプションに記載されています。

2020年8月29日、NASAの太陽観測機(SOHO)が撮影した巨大な物体。月のサイズの半分ほどの大きさに見える。

2020年8月30日の午後8時30分頃、大阪在住のM・Nさんは11階のアパートの玄関を出て北の空を見上げると、不思議な8個の白い光が上空にあったので、その面白い編隊を撮影した。光は明らかに完全に静止した上下2個の三角形の編隊を組んでいた。残り2個の光は安定した速度で移動しており、中心の2個の編隊を周回しているか、編隊と編隊の間、または2個の編隊上を対角線に移動しているようであった。写真は撮影されたビデオからその動きを見せるために抜粋したものである。

(Source: mufon.com)

ペルー──2020年2月初旬、キャピタルテレビのリポーター、アンソニー・チョイ氏はチルカの街で生放送を指揮していた。そこでは地元住民たちが星のような漂うUFOを目撃しており、レーザーポインターを向けると光を点滅させて反応したという。「夜のUFO観察会」とも言えるこの放送中に、星のような物体が数回明るい光を点滅させた。(CAPITAL,Ovinis-Ufo-El visitante)

地球と人類を癒す──選集(抜粋)
Healing the planet and humanity – a compilation

「地球と人類を癒す」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤからのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻と第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

人類の生活の転換点にあって大きな仕事が彼らを待つ。往古からの間違った思考と生活の習慣をこの世から払拭すること。恐怖心──欠乏や戦争や病気や死の恐怖──からの解放を可能にするように、社会生活の方法を完全に変えること。これらはまさに巨大な仕事だが、あらゆる努力を費やすに値するものである。なぜならそれは、新しい生き生きとした生活、新しいより甘美な人間関係につながり、正義と同胞愛、分かち合いと愛の原則によって支配される世界につながるだろう。そのような世界を創造する仕事よりもすばらしい目標が人類にあり得ようか。
(『覚者は語る (1)』─健康と治療(2)─より)

今日世界にのしかかっている経済的、そして実際、霊的な危機の中心にある問題は資源の再分配です。この霊的な危機が政治と経済の舞台に集中されているのです。それだから、マイトレーヤは、まず最初は、政治、経済の教師としてやって来られるのです。マイトレーヤの教えは非宗教的ですが、霊的(精神的)生活についてであり、正しい人間関係についてであります。私たちが世界の資源を分かち合うとき、世界の病を解決する最初の一歩を踏み出すことになり、それは神性へ向かう最初の一歩であります。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

病気は結局、間違った関係の結果である──われわれの高位我である魂との関係、世界中にいるわれわれの兄弟姉妹との関係、そしてわれわれがその部分であるところの総体との関係である。魂のエネルギーの誤用によって因果(カルマ)関係を始動させる。兄弟同胞との間違った関係によって不均衡と不和を、そしてあらゆる種類の病気を引き起こす。分離意識が、われわれの周りの至るところにある治療の力から、われわれ自身を切り離している。
(『覚者は語る (1)』─健康と治療(2)─より)

人間は非常に病的な状態にあるこの世界を救わなければならない。世界の一般の人々によって、その努力がすでに始められているのを見て、わたしたちの心(ハート)は喜ぶ。わたしはそのような人々に今語りかけている。あなた方の声を大きく上げなさい。あなた方の必要を世界に告げなさい──平和の必要を、正義と自由の必要を、宗教や皮膚の色や人種が何であれ、すべての人間が調和のうちに生きることの必要を告げなさい。すべての人間は本質的にひとつである。彼らはわたしの兄弟であり、わたしは一人ひとりを愛する。
(マイトレーヤ、2008年3月27日、『覚者は語る(2)』)

イラクの人々の苦難、恐怖や危機、それが中国やその他の地域でSARS(新型肺炎)として顕現し、ヨーロッパ全体などでは流感の蔓延として顕現しました。これらすべては、アメリカ政府のアフガニスタンやイラク攻撃によって引き起こされた危機状況によって生じた恐怖の直接的な結果です。神が侵略者を罰するというような問題ではありません。そうではなく、この宇宙にあるすべての原子が相互に連結しているという単純な法則です。ここで起こるところのことは、作用反作用の法則によって必ずそこに起こるようになる何かを作動させるのです。
人類がこの法則を、カルマの法則を、ただ知的アイディアとしてではなく本当に理解するとき、すべての思考が、すべての行動が、人間が行うすべてのことが、一定の動きを、つまり原因を始動するということを認識するようになるでしょう。その原因から発する結果が、良いにつけ悪いにつけ、私たちの人生をつくるのです。
(『全人類のための世界教師』)

世界は一つであるのに、いかで二つの世界が存在し得ようか。法はすべての人間に対して同じであるのに、いかで分割があり得ようか。やがて人間は、大勢の人々の苦しみは総体の病であることを理解し、そして正義のみがその治療法であることを理解するだろう。
(『覚者は語る (1)』─正義は神聖なり─より)

本誌通信員より

元に戻れない:何もかも変わらねばならない(抜粋)

グラハム・ピーブルズ

この過ぎ去った6カ月間は奇妙な期間であった。そしてそれは今も続いている。ひょっとするとそれは、いつもそうであったのだろう。ほとんどの人が知る限り、もたらされた過酷さは様々ではあったが、これは確かに不当な暴力的混乱であった。一方で利己主義、分裂、および快楽が支配的であるため、「美しい惑星」は、人間の貪欲と愚かさの重みの下でゆっくりと窒息死しようとしている。

新型コロナウイルスの突然の発生後に、多くの国々で広範囲にわたる封鎖が強制され、短い静けさの合間を縫うようにして、世界中の町や都市に広がっていった。ヨーロッパからニュージーランドに至るまでの全人口と、その領域のほとんどの場所は、「外出」や社交をやめることを強いられ、習癖となっている買い物への衝動を減らし、仕事のパターンを変えさせられた。・・・

見たこともない空間がぽっかりと開き、その空間はまだ利用可能であり、今までの人生がどうだったかを、そして、個人的かつ集団的に生きている今を振り返る機会をつくり出している。それは重要なことを再定義する機会であり、そのように考える傾向のある人々にとって、コロナウイルス後の人生を熟考する機会となっている。パンデミック(世界的な流行)後への期待感が、希望にあふれた者たちの間に広まった。ついに、「物事」が善のために変わる可能性があるのだろうか? つまり、企業政府は、次のものに対して新しい態度で対応するだろうか?公共サービスに対して、急に英雄となった「キー・ワーカー(必要不可欠な労働を担う人々)」に対して、環境や国の医療システムに対して(それが利用できるところで、または利用できるようにすべきだという認識はあるが、そうしたシステムが何もないところで)、そして難民や移民労働者に対して。

この地域社会の多くの良心的な行為は、今後も永続的に社会的責任を育んでいくだろうか? 消費、製造、および旅行の一時停止は、政治的および社会的状況の大きな変化を引き起こし、環境および社会的責任に根ざした政策と集団的行動の変化につながるだろうか? 多くの人々は、そのような長い間待たされた思いがけない幸運を望んでいる。しかし、多くの国々がコロナウイルスの暗闇から一時的に浮上し始めるにつれて、巧みな政治的修辞や企業の都合の良い話が出てくるのは、気のめいるようなことだが予測できることである。・・・

「通常の状態」に戻るということは、消費者ベースの経済に再び火をつけ、大量消費主義を奨励し、後ろ向きで慣習的な行動パターンを肯定することを意味する。それが政治家や企業の声が関心を持っていることであり、「グリーン」「代替」「再生可能」または「エコ」という言葉が彼らの刺激的で不誠実な美辞麗句の中に含まれている場合、彼らの主な目標は環境を救うことでも、行動様式を変えて簡素な生活を奨励することでもなく、利益を生み出し、「成長」を永続させることである。そしてそれを達成する方法は、人々による無責任な、過剰な消費である。無限の消費に基づき、それに依存する経済システムは、畜産農業を含むすべての面で、地球の健康や人々の幸福と全く両立しないものである。

過剰の代わりに、簡素さと充足感を目標にすべきである。必要に応じて商品やサービスを購入する責任ある消費主義、そして選択や決定は自然界への影響に基づいて決定される。これには個人的な努力と世界的な教育が必要である。環境団体と協力して政府が運営する公教育プログラムは、行動が環境に与える影響を人々に認識させるために必要である。これには畜産農業が含まれている。つまり、すべての獣肉生産を排除することが、環境への影響を減らすために個人が実行できる最も重要な一つのステップである。

生活様式の変化は不可欠であるが、各国政府や長期的な政策、企業は最も大きな影響を持っている。政権を担っている一部の者による美辞麗句が朗々と響き渡っている一方で、現在の政治集団の中から、環境の緊急事態を克服するとしたら必要とされる抜本的な対策を実行する意志を持った、視野の広い政治家を見つけるのは困難である。どの政治家も、既存構造と深く結びついており、広く浸透している社会経済イデオロギーを信じているようである。そうであれば、「エクスティンクション・レベリオン(絶滅への反抗)」「グリーンピース」「気候変動問題のための学校ストライキ」などによるデモ行動のような強力な世論の圧力は決定的に重要であり、もし、われわれの惑星を救い、社会を癒す──この二つは密接に結びついている──ために必要な行動が、要求される時間枠の中で行われるとすれば(このような行動はすでに声高に主張され、物議をかもしているのだが)、そうした世論の圧力は一貫して力強く適用されなければならない。

自然の生息地を救おう、命を救おう(抜粋)

シェア・インターナショナルスタッフ

新型コロナウイルス(Covid-19)という言葉を耳にする数年前に、一つの抗議デモが、国際的な一連の抗議活動の一環として行われた。「科学のためのデモ行進(March for Science)」と名付けられたその行動は、現在は4月22日のアースデーに行われる世界的なイベントとなっている。この党派に属さない行進は、科学とそれが日常生活の中で果たす役割をたたえるものである。公共の利益のための科学的証拠に基づいた政策の必要性を強調することを目的として、集会が開催されている。この科学のためのデモは、2017年に初めて行われた。そして数年後の現在、私たちが優れた科学に大きく依存していることを、世界は認識し始めている。

2020年のアースデーの記念日には何が行われたのか。この世界最大の市民イベントが、歴史上初めて、完全にオンライン開催となった。「私たちは、この新型コロナウイルス大流行の終結後、私たちの地球を、すべての人々のために、よりきれいで、より公正で、より良い世界へと回復させることを決意しました」とアースデー・ネットワークは発表した。

そして、たとえ自己利益や自己防衛が基本的な理由だとしても、私たちの生息域、特に惑星の森林を守るために、緊急に行動しなければならないと、現在私たちに警告しているのが科学である。

・・・

研究者たちは、世界に向けて厳しいメッセージを伝えている。彼らは世界のリーダーたちに次のように語っている。「もし森林や生物多様性を現在のスピードで破壊することを許容するならば、動物から人類へと感染する新たな疾病の大流行のリスクにさらされるだろう」。生態学者や生物学者たちはこの国連サミットで、環境破壊と新型コロナウイルスなどの新たな致死性の疾病の発生増加との間にはっきりとした関連性があるという証拠が今や存在することを語るだろう。

オブザーバー紙の科学・環境関連記事の編集者であるロビン・マッキー氏は次のように述べている。「過剰な森林伐採、制限なく拡張される農業、人里離れた地域内での鉱山建設、──同様に、食料源としての、伝統的治療薬としての、珍しいペットとしての野生生物の搾取──これらは野生生物から人間に感染する疾病があふれ出てくる最悪の状況を生み出しています」。新たに発生するすべての疾病の約3分の1は、土地利用変化のプロセスを起源としていると言われている。結果的に、新たなパンデミック(世界的な流行)が発生する可能性がある。

「現在、野生動物の肉や珍しいペットに関する国際貿易と結び付いた、違法な伐採、整地、採掘などの多くの活動が存在しています。それらはこの危機を生み出しているのです」と、デューク大学の環境保護の教授であるスチュアート・ピム氏は述べた。「新型コロナウイルスに関して言えば、その対応に世界で数兆ドル(数百兆円)が費やされ、すでに約100万人が亡くなっています。それゆえ明確な緊急の対応が必要とされています」

毎年、数千万ヘクタールの熱帯雨林やその他の自然環境が、ヤシの木(ヤシの木から作られるパームオイルは、様々な製品に利用される)を植えるために、また畜産や採掘や石油採掘のために破壊されている。植物や野生生物は、ウイルスやバクテリアの宿主であり、それらは、偶然に人間や家畜動物のような新たな宿主に感染する。これらの病原菌は、宿主である人間の中で繁栄するかもしれない。それゆえ、他者へ容易に感染し、新たな病気を生むという結果となる。

シェア・インターナショナル2020年10月号
印刷版全内容

  • 覚者より 法の規定
  • 覚者より 法の条理
  • 今月号の内容概説
  • 視点 新型コロナウイルスからの景気回復計画の中心には、 気候変動問題を置くべきである
    パブロ・ヴィエイラ・サンパー
  • 地球と人類を癒す ―選集
    Healing the planet and humanity – a compilation
  • 国連人道問題調整事務所パレスチナ占領地区調整官、 ジェイミー・マクゴールドリック氏の声明
  • アレクサンドラ・ダヴィッド=ネールの目で見た仏教 アレクサンドル・ギベール
  • ラテンアメリカの半乾燥地域は共同で気候に適応する マリオ・オサヴァ
  • 時代の徴 世界中にあふれる奇跡 爆発で残った祭壇:希望のしるし
  • 元には戻れない:何もかも変わらねばならない グラハム・ピーブルズ
  • 弟子道——弟子の属性 アート・ユリアーンス
  • 「被造物がうめいている!」 フランシスコ教皇が際限のない成長を非難する
    アンドレア・ゲルマノス
  • 自然の生息地を救おう、命を救おう
  • 編集長への手紙 そのまま頑張って! 他
  • 読者質問欄 回答 ベンジャミン・クレーム

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