シェア・インターナショナル 2022年9月号

シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。

印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。

contents

混乱の終わり――覚者より 

明晰な知識の目で世界を見るとき、認識しながら凝視する目には、ほとんどの観察者の見方とは全く異なった見方が顕れる。大多数にとって、これは戦争、洪水、悪疫のはびこる混乱の世界である。恐怖が何百万という人々の心(ハート)を支配する。確かに、今日の世界にはこれらの破局すべてが見られる──そしてその結果として多くの者がひどく苦しむ。しかし、恐怖と苦しみの背後には、物事はより良い方向に変わるだろう、この期間は一時的であり、長く続かないだろうという希望感が増大しつつある。かくして、混乱が最もひどい地域、苦難が最も厳しい地域、それらに耐えるのが最も困難な地域の多くにおいてそうである。
そのすべての背後で、際限のない愚かな破壊の背後で、この世界は暗闇の、夢だらけの睡眠から醒めつつあり、極端に困難で精神的に衝撃の大きい状態から目覚めつつある。新しい強力なエネルギーが人類をかつてないほどに行動へと駆り立てており、そして、そのような状況においていつもそうであるように、最初の反応は入り交じったものである──混乱した破壊的な反応の後には新しいより高位のリズムが訪れて、それが徐々に全体を支配する。
外的な形態や出来事の限界を超えた「いのち」を見るわたしたちは、この困難な時期はほとんどそのコースを走り切っており、多くの者が請い願う安定と平静がもう間もなく手の届くところにあることを、そして調和がその長い暗い夜の眠りから爽やかに元気を取り戻して目覚めつつあることを、確かな事実として知っている。
かくして、今や世界はキリストの再臨に対して用意が整っている。かくして、今や人間は、キリストが提供しなければならないところのものに対して用意が整っている。
キリストが以前に、彼の弟子イエスを通して来られたとき、人間は彼の教えに応えるのが不安であった。今日、何世紀もの苦難と教育と経験を通して、人間は彼の教訓を理解し、それを実践する用意がある。教訓を垂れる者として彼はやって来る。 救い主ではなく大教師として、彼はご自分の使命を全うさ
れる。
もうすぐ、世界が待望する御方は出現して、ご自身をすべての者の視野の中に現されるだろう。もうすぐ、人間は自分たちの高位我との対話に専念して、生き延びるか、死滅するかについての彼らの選択を行うだろう。かくして、この時の偉大なるドラマは演じられつつある。
人間はそれを知らないが、終わりは初めから知られている。理性と真理の最終的な勝利は保証されている。
マイトレーヤは、貪欲のカジノ(賭場)である株式市場の崩壊を合図として使うだろう。その時、彼は公に世界の舞台に入って来られ、正義と自由、分かち合いと良識を訴えるだろう。
人間は彼ら自身を、彼らの優先事項を、彼らの志向と価値観をよく吟味するがよい。なぜなら彼らがやがて成さなければならない選択に、この世界の未来が、人類の福利が、そして神の大計画における彼らの当面の役割が依存しているのであるから。
見守るわたしたち、あなた方の兄たちは、あなた方の正しい決定と未来の栄光を確信と喜びをもって待つ。
(シェア・インターナショナル誌2000年5月号)

これらの記事は、ハイアラキーの上級メンバーである覚者によるものである。彼の名前は秘教界ではよく知られているが、まだ明かされていない。マイトレーヤの出現に関する主要なスポークスマンであるベンジャミン・クレームは、覚者と常にテレパシーでコンタクトをとっており、彼に記事を口述していた。

覚者による他の記事を見る

マイトレーヤからのメッセージ

我が友よ、人類の反応を見てわたしは非常にうれしい。
多くの者は彼らの周りに混沌とした危険な世の中を見る、まさしくそうである。
しかしこのいかにも混沌とした大渦巻の中に、静かな穏やかな中心があり、
希望と変化を生み出している。
我が友よ、今起こりつつある変化をわたしが見るようにあなたがたも見ることができるならば、わたしと同じように心は喜びに躍るであろう。
世界中で、今日人間は変化に目覚め、人の心をとらえている新しい思考や理想を前面に持ち出している。
我が友よ、人類の反応を見てわたしは非常にうれしい。
多くの者は彼らの周りに混沌とした危険な世の中を見る、まさしくそうである。
しかしこのいかにも混沌とした大渦巻の中に、静かな穏やかな中心があり、
希望と変化を生み出している。
我が友よ、今起こりつつある変化をわたしが見るようにあなたがたも見ることができるならば、わたしと同じように心は喜びに躍るであろう。
世界中で、今日人間は変化に目覚め、人の心をとらえている新しい思考や理想を前面に持ち出している。

世界に多くの良きことが起こっているのをあなたがたの多くは気づいている。
しかしまだ隠れているのはわたしの仕事の深遠なる効果である。
だから本当に喜びなさい。
喜びの光とリズムを広く伝え、あなたがたが出会うすべての人々の心に、
福音に対する反応を呼び起こしなさい。
我が友よ、まだまだ多くがなされねばならない。
多くの重要なことがらが、わたしの注意を引く。
多くの問題が解決を待っている。
しかし、すでに踏破された歩みは大きい。
これが本当であることを知り、そのように行動しなさい。

あなたがわたしを見るとき、昔の真理を改めて聞くだろう。
わたしは神と人との真の関係を言明する。
これを知って、応じる者はあの聖なる存在へと前進する。

他の人々に伝えることを、あなたの任務となしなさい。
愛と真理について、あなたが知っていることを告げなさい。
愛の顕現が神への確実なる径であることを告げなさい。
この単純な真理が、わたしの教えのすべての根底にある。

もうしばらくの間わたしを待ちなさい。
わたしをあなたがたの兄弟として、友として見なさい。
わたしを未来への案内人として、希望として見なさい。
わたしを信頼し、一人の兄弟としてわたしを愛しなさい。
わたしを神の愛の顕現として知りなさい。
まもなくわたしを見る用意をしなさい。
私、マイトレーヤ自身が現在あなたがたの中に居ることを、
あなたは信じるのだと世に告げる用意を整えなさい。
我が友よ、これをわたしのためになし、いのちの中に入りなさい。

唯一にして最も聖なる神の光と愛と力とが、
あなたがたの心(ハートとマインド)の裡に、今顕されるように。
それによって、あなたがたが世界の貧しき者たちを助けるために働けるように。
(1981年9月8日)

質疑応答(抜粋)

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。

イエスはマイトレーヤと交信しているのですか。(1993年11月11日、ゲリー・ライアン・ショーのラジオインタビューより)

はい、絶え間なく。すべての覚者方は絶え間なくテレパシー的に交信しています。彼らはメンタル意識、グループ意識を共有します。分離した自己の感覚を持たず、グループとしての意識のみを持ちます。マイトレーヤの観点からは、彼と私たちの間に分離はありません。彼は言われました。「私とあなたを隔てるものは何もない。まもなく多くの者がこれを知るだろう」と。私はマイトレーヤを見たりマイトレーヤのビジョンを体験したりした人々からの大量の連絡を受けます。彼は様々なやり方で、最もありそうにない状況で彼らに現れます。それは世界中で起きています。

マイトレーヤは不死身だとあなたは言われますが、そうであれば、彼は私たちが伝統的にイエス・キリストと結び付けていた性質を持っているということですか。

彼は言われました。「わたしの愛する弟子イエスを求める者は、イエスの特性をわたしの中に見いだすだろう。教師としてのわたしを探す者は、より的に近い、わたしは教える者であるから」「わたしは新しい宗教を創始するために来たのではない。わたしは信奉者をつくるために来たのではない。わたしは人類に真我(神)の実現の術を教えに来たのである」。これはすべての人々に関わることです。それが私たちの人生の目標です。

イエスの並外れたエネルギーと霊的指導力に敏感な人々に対して、イエスがローマでしていることについてどう説明すればいいですか。

彼はローマ郊外にいて、弟子たちを通して働いています。かなり進化した親密な弟子のうち二人は、ローマ教皇庁の枢機卿で、法王の側近であり、大計画について正確に知っており、イエス覚者と意識的に協働しています。しかし、イエスは世界中に弟子を持ちます。彼は、いわば至るところのキリスト教会を監督しています。

編集長への手紙(抜粋)

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のためにこれらの手紙は提供されている。

ユニークな贈り物

2005年の夏、群馬県のみなかみ町にある、友人の会社が所有する保養所に出かけました。二家族が合流し、そこで二晩を過ごしました。その当時、私は「どういう心持ちでいたらよいか」「職場でどうしたら最も役立てるか」が分からず、気落ちしていました。そのため、旅行を思い切り楽しむような気分ではありませんでした。

二日目(7月31日)に、娘たちと一緒に草むらを散歩していました。バッタの幼虫が数百匹もいて、辺りを跳ね回っていました。私はついに一匹の(たった一匹の)、全身ピンク色のバッタを見つけたのです。昆虫の観察や採集がずっと好きだったので、子供の時から何千匹ものバッタを見てきました。けれども、そのようなピンクのバッタは、私の人生の中で見たことがありませんでした。

このピンクのバッタを眺めていて私が認識したことは、バッタはバッタであって、色のことがなければ何の違いもなく、大切なことは、それぞれがユニークな存在で、そうあるべきだということです。「ありのままの、あなた自身でありなさい」と言われて励まされたように感じ、心が平静になりました。

約1カ月後、私の体験を伝えて、ピンクのバッタの写真を見せました。友人たちもピンクのバッタを見たことはなく、覚者が現されたに違いないと言いました。北米に白い水牛の伝説があるように、おそらくピンクのバッタの伝説が世界のどこかにあると私は考えていました。
翌日の8月28日にアパートを出たところで、床の上にバッタを見つけました。そのような場所で昆虫を見つけるのは大変珍しいのです。驚いたことに、そのバッタの背中もやはりピンクだったのです。私は二匹目を見つけてびっくりしました。このことによって、それが突発的な(あるいは偶発的な)出来事ではなく、『奇跡』のようなことだと確信したのです。・・・

私の興味深い体験についてのこの手紙を書かなければ、と感じました。

これらのバッタは私への特別な贈り物でしたか。もしかして覚者が現されましたか。
T.Y
日本、埼玉県川越市
【ベンジャミン・クレームの師は、その『バッタの奇跡』がマイトレーヤによって現されたことを確認した】

呼びかけ

私たちの情報をウェブサイトだけで受け取る人が増え、シェア・インターナショナル誌を購読するためのわずかな費用を惜しむ人が増えていることに気づきました。

誰もがインターネットを使えるわけではないし、そうであるわけでもありません。つまり、印刷された雑誌が必要です。もちろん、それにはボランティアによる多くの作業と、制作・配布のための多くの資金が必要となります。ハイアラキーはこの仕事のためにお金を出しているという考え方があるかもしれませんが、そうではありません。シェア・インターナショナルの購読料は、私たちの活動を維持し、一般の人々に届けるために不可欠なものです。購読料は可能な限り低く抑えられており、雑誌は広告による補助を受けておらず、印刷代や郵送料は常に値上がりしています。

インターネット上の情報を読む読まないにかかわらず、この活動を真剣に信じるすべての人が、この雑誌を支援したいと思うことは、きっと誰もが認めることでしょう。

ご支援ありがとうございました。

時代の徴

ここに掲載されている「時代の徴」は、過去にベンジャミン・クレームによって確認されたものであるか、または確認されたものに似たもの、あるいはそれ自体が物語っている「徴」として掲載しました。それらは多くの人に目撃され、彼らの希望と信の証となっています。判断は読者のみなさまにお任せします。

9歳になる娘が朝食にイチゴを乗せたビスケットを食べ始めた時、そのイチゴすべての中心がハート形であることに気づいて喜んだ。
2022年、オランダ、匿名希望

2017年2月25日、埼玉県鴻巣市、隣家の壁に出現した光の徴
「このような美しい徴をマイトレーヤか覚者方が私に見せてくださるとは、しばらくの間、信じることができませんでした。確信が持てませんでした。しかし、シェア・インターナショナル誌で同じような徴を見て、投稿しようと考えました」
大阪府、S.N

本誌通信員より

『水の価値』 ゲイリー・ホワイト、マット・デイモン共著

パトリシア・ピッチョンによる書評(抜粋)

ハリウッド俳優のマット・デイモン氏と水道技師のゲイリー・ホワイト氏は、クリントン・グローバル・イニシアチブの年次総会で紹介されたとき、より多くの貧しい人々が清潔な水を入手できるようにするにはどうしたらよいかということについて、両者が情熱と使命を共有していることを実感した。世界人口の約4分の1は、清潔な水を利用することができずにいる。このように、本来必要とされるものが圧倒的に不足しているため、世界中で清潔な水を提供することは最重要課題となっている。そしてそのためには、世界中の政府、関連する専門知識を提供できる機関、慈善団体、ボランティア団体、地域団体、そして市民が、この問題に継続的かつ重点的に取り組む必要がある。

マット・デイモン氏(Water.orgの創設者)とゲイリー・ホワイト氏(Water Partnersの創設者)が多くの人々の意識を高め、多くの資金を調達し、効果的なプロセスについて学び、地域社会を巻き込む最善の方法について理解を深めるべく力を合わせたことで、その活動を強化し大きく発展させることができた。二人の著書『水の価値』には、その苦労と成功が詳述されている。デイモン氏が設立した団体が行った活動では最初の10年間で、75万人の人々に支援を行った。しかし2019年までには、ホワイト氏と、地元の技術者団体や地域団体だけでなく、政府機関や銀行、慈善家など、提携したすべての団体とともに、4,000万人の人々を助けることができ──その多くが中南米やアフリカ、アジアなどの非常に貧しい地域に住んでいる──、それは拡大しつつある。

デイモン氏は、「百聞は一見にしかず」と主張する友人、U2のボーカルであるボノ氏に勧められてアフリカ諸国への訪問に参加した際、多くの貧しい村に井戸がないことを知った。つまり、少女や女性(その家事には、家族のために毎日水を得ることが含まれる)は、井戸まで2、3時間、もっと言えば4時間歩いて往復しなければならないかもしれないのだ。言い換えれば、このような状況にある少女は学校に通うことができず、女性は在宅で収入を得られるようなパートタイムの仕事すらできないのである。なぜなら、そうするための自由な時間がないからだ。

デイモン氏とホワイト氏が学んだ最も重要なことの一つは、水危機は地球規模の問題であるが、解決策は地域的なものでなければならないということだ。つまり、高度な技術者しか修理できないような高度な機器を避けるのだ。より単純な技術であれば、必要が生じた場合には、地域の人々は地元の材料を使い、建設にも修理にも参加することができる。・・・

ホワイト氏もデイモン氏も、必要なことは貧しい人々に少額の融資をしてくれる銀行との提携だと気づいた。なぜなら、清潔な水と適切な衛生が好循環を生むからだ。つまり、少女は学校に行って教育を受け、女性は家族のために副収入を得ることができるようになるのだ。こうした公衆衛生対策はまた、一般的には健康状態を改善し、飲料水媒介の病気の危険性を低くする効果もある。・・・

1年探し続けた結果、ホワイト氏はついにこの種の少額融資の考えに賛同する銀行──インドのハイデラバードにあるBASIX銀行──を見つけた。この融資のリスクに備えるために、ホワイト氏とデイモン氏は最初、財政的支援をしなければならなかった。数年後に数字を出してみると、返済率が90%以上と非常に高く、素晴らしい結果であることが明らかになった。・・・

2019年までには、融資のサイクルが確立されたことで、返済されたお金をまた別の人に貸すことができるようになったので、著者たちの提携企業は水危機と闘うために100万ドル以上の資金を集めた。2022年現在、その金額は30億ドルに達している。この素晴らしい活動がこれからも続きますように。

L’Après M(ラプレ・エム) — フードバンクというよりも救命ボート(抜粋)

ポーリン・ウェルチ

フランス・マルセイユ市の非常に貧しく疎外されてきたサンバルテルミー地区は、慢性的な貧困と疎外状態をコミュニティー主導で改善させるモデルとなった。この地区で2番目に多くの雇用者を有していたマクドナルド社のファストフード店は、大勢の人を雇い、かつ地域の人たちに食事を提供するところとして頼られていたにもかかわらず、政府が補助金を打ち切ったのち、77人の従業員を解雇し閉店した。

建物は最初のコロナウイルス対策のロックダウンまで空のままになっていた。2020年3月に占拠者たちが建物に入った。彼らはボランティアの人々であり、飢えに苦しむ地域の人々を支援するために、マクドナルド社の要請に反してそこをフードバンクのための建物に変えようとしていた。飢えに苦しむ人々の多くは仕事を持たない移民や難民、あるいはホームレスであった。店の看板は「L’Après M(マクドナルドのあと)」に変えられた。

これを企画したグループの代表人物の一人ファティ・ボルア氏は、自分自身がマルセイユの最も疎外された地区で成長し、これまでの生涯の多くの部分をコミュニティー活動に費やしてきた。コロナウイルス感染症による影響について彼はこう述べている。「最初にロックダウンが始まったとき、人々はコロナが蔓延することよりも飢餓で死ぬことを恐れました。すべてが閉じられてしまい、慈善活動や社会支援活動も中断を余儀なくされ、人々は路頭に迷う無一物状態となりました」。・・・

地域社会は団結した。農夫は果物や野菜を廃棄することなく、持ち寄った。商店は食料を提供し、消防士や地域のグループは困っている人に食料を届け、地域の人々は入用な資金を寄付した。開店から5週間で10万人に食料の小包が配られた。その後すぐに、47の地元自治会が当初のスタッフと連携し、困っている人を特定した。食料を受け取る行列は何時間もできていた。・・・

受益者の一人は次のように述べた。「これは単にフードバンクにとどまりません。これは救命ボートと言うべきものなのです」

(apresm.org)

ユニバーサル・ベーシックインカムへの道(抜粋)

チアゴ・スタイバーノ・アルベス

ユニバーサル・ベーシックインカム(最低所得保障)は、今日の経済論争でますます勢いを増しているテーマである。これは、ある地域のすべての市民に無条件に支払われる給付金のことである。この政策を実施する試みは、すでに世界中のいくつかの都市で試みられている。・・・

作業を自動化するためのテクノロジーへの依存度が高まる中、ユニバーサル・ベーシックインカムは、失業した数百万人に妥当な生活の質を保証し、その結果、社会的不平等と社会的不安定性を軽減する。また、雇用とは関係なく、普遍的な権利として生きる権利を擁護する。子供や高齢者の世話など、社会的に生産的な仕事への参加が増える余地をつくることができる。ただし、このような仕事は現在、資本主義社会ではその価値を下げている。

マリカ市の例:お金はどこから来るのか。

2013年、ブラジルの都市マリカの先進的な市政は、地元の「連帯経済」*を確立するためのより大きなイニシアチブ(取り組み)の一環として、住民に定期的な月額給付金を支払うための第一歩を踏み出した。・・・

リオデジャネイロから数マイル東の大西洋岸に位置するこの都市は、ブラジル最大の石油埋蔵量を持つエリアの一つに隣接しており、ブラジルの石油生産量の約60%を供給している。この油田を運営する企業は市にロイヤルティ(使用料)を支払っている。地方政府は、市が市民への給付金を含む連帯経済モデルを実施し維持するのを支援するために、石油収入の5%をソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)に預け入れることを決定した。

どのように機能するか

マリカ市でのこの種の給付金を実施する際のユニークな特徴の一つは、マリカ市の予算を通じて資金提供された地域銀行「ムンブカ銀行」によって発行されたムンブカと呼ばれるデジタル通貨の使用である。この通貨は、ブラジルの実質通貨と1対1で同等である。ベーシックインカムの特典は、銀行カードのクレジットの形で提供されている。支払いは携帯電話のアプリを介して利用でき、マリカ市のみで使用可能である。現金として持ち出すことはできない。

給付金を使うには、市民はムンブカを支払い方法として受け入れる店または施設に行かなければならない。2017年に連帯経済計画の実施が開始されてから数年後、ムンブカを受け入れたのは119の施設だけであった。しかし、2020年末までに6,000人を超える地元商人がムンブカを受け入れ、都市におけるこの支払いモデルの重要性が増していることを示している。今日、マリカ市では、他のどの種類のデビットカードやクレジットカードよりもムンブカを支払い方法として受け入れる施設が多くなっている。

ムンブカを利用して支払うというアイディアは、小規模な地元の商取引を促進し、都市内に実質的な経済的連帯ネットワークをつくり出している。コロナウイルスのパンデミックの間、ブラジルのほとんどが失業と困窮生活の大幅な増加に苦しんでいた一方で、マリカ市は高いレベルの生活と雇用の質をどうにか維持し、窮乏と貧困のレベルを低く抑えることができたことに言及する価値は大いにある。

徐々に実行される計画

2013年に策定された計画に従って、マリカ市でのユニバーサル・ベーシックインカムは段階的に実施され、それぞれの段階で受益者に与えられる交付金や交付金を受ける人々の数が増加している。それが意図するところは、マリカ市が2022年を目標として、まだ完全ではない条件付きのモデルから、完璧に満足のいくモデルへと移行できるようになってきたためである。まだ現金払いにはなってはいないが、今後マリカ市全体の住民に行き渡るようになるであろう。

常温核融合の進展と見通し(抜粋)

N.K

「近い将来は、原子核の融合プロセスを利用したものが開発されます。……水の同位元素から引き出される原子核エネルギーの形態を使用するでしょう。安全であり、世界の海や川の水分に豊富に存在します。核融合は、熱を使うのではなく、冷却プロセスであり、直ちにではありませんが、非常に近い将来、……この方法が使われるようになるでしょう」
(『世界教師と覚者方の降臨』、ベンジャミン・クレーム、1979年)

水野忠彦博士は、この分野において世界で最も早くから活躍している著名な研究者の一人である。彼の著書『核変換──常温核融合の真実』(工学社、1997年、英語版はNuclear Transmutation: The Reality of Cold Fusion)には、常温核融合研究が始まった1980年代から2004年までの常温核融合研究の光と影が描かれている。・・・

2004年、イタリアのフランチェスコ・チェラーニ博士とアメリカのウィリアム・コリス博士が中心となって、「国際常温核融合学会( ISCMNS )」が設立され、常温核融合はついに公式の学会を持つことになった。会議の最後の晩餐会でウィリアム・コリス博士は次のようなスピーチをした。
「これまで常温核融合は非常にひどい扱いを受けてきた。研究者個人にはお金もなく、地位もなく、研究する場所もなかった。主要な学術雑誌に論文を出してもほとんど受理されなかった。しかも学会で発表することも困難だった。しかし、15年間の努力の結果、常温核融合がはっきりと確認され、ついにISCMNSが英国で公式の学会として設立されるに至ったのである。この学会を中心にすれば、反対していた科学者も受け入れてくれるだろう。両者に区別はない。民主的に、オープンに、自由に、科学の発展のために進んでいこうではありませんか」

常温核融合の研究が大きく前進することを予感させる感動的なスピーチであった。また、この会議では第1回目の授賞式が行われ、岩村、水野、アントネッラ・デ・ニーニョの3博士に賞が贈られた。3人とも、核変換の研究に対しての栄誉である。この賞は、イタリアの物理学者で常温核融合研究者であるジュリアーノ・プレパラータ(2000年に志半ばで逝去)にちなんで名づけられた。・・・

水野博士との質疑

質問:最新の研究成果や装置の特徴について、素人にも分かるように教えてください。

水野博士:装置の最大の特徴は、通常の物理的条件下で核変換を誘発することです。日常生活環境下で安全に使用でき、極端な条件を必要としない反応装置であることが大きな特徴です。騒音や有害な放射線を出さないクリーンで安全な装置で、一般家庭で必要な電力を想定した場合、小型発電機サイズになるでしょう。

質問:常温核融合がエネルギーとして利用できるようになるのは、いつ頃なのでしょうか。また、そのプロセスを加速するために、われわれ一般人は何ができるでしょうか。

水野博士:唯一の問題は研究資金で、それさえあれば5年以内には実用化できます。

シェア・インターナショナル2023年9月号
印刷版全内容

  • 覚者より 混乱の終わり
  • マイトレーヤからのメッセージ 第129信
  • 視点 地球が燃えている時に「通常どおりのやり方をすること」を拒否して、学生たちは世界中で学校を占拠することを誓う
    ジュリア・コンリー
  • 今月号の内容概説
  • ゲイリー・ホワイト、マット・デイモン共著 『水の価値』
    パトリシア・ピッチョンによる書評
  • L’Après M : フードバンクというよりも救命ボート
    ポーリン・ウェルチ
  • 世界情勢 メキシコ大統領が世界的な停戦を提案する
  • 地雷や結核を発見するネズミ
    ジェイソン・フランシスによるクリストフ・コックス氏へのインタビュー
  • 編集長への手紙 ユニークな贈り物 他
  • ユニバーサル・ベーシックインカムへの道
    チアゴ・スタイバーノ・アルベス
  • 接触の科学——夢
    アート・ユリアーンス
  • 常温核融合の進展と見通し
    N.K.
  • 読者質問欄 回答 ベンジャミン・クレーム

 シェア・インターナショナル誌をオンラインでお楽しみいただけましたか?

シェア・インターナショナルの雑誌を定期購読して、ご自宅にお届けすることもできます。印刷版では、ここに掲載されているすべての抜粋の完全版に加え、追加記事、インタビュー、書評、質疑応答などが掲載されています。

Copyright © 2023 Share International. All rights reserved.

contents