シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。
印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。
シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。
――覚者より 前進への道
ベンジャミン・クレーム筆記
人間の意識に転換が起こるたびに、その準備として、一定の間が、沈黙のひとときがあり、その中で過去の様々な達成が再評価され、そしてもし目標に達していないことが分かれば放棄される。かくして、今日もまた然りであり、人間は将来の利用のために保存が適切で、必要だと考えられるもの、そして人間のますます深まる認識と洞察の光に照らし合わせて欠くべからざるところのものを評価する。それが人間自身に任されるならば、この期間は人間にとってまさに非常に長いだろう。多くの実験をしてみる必要があり、正しい道が見つかり、正しいステップが取られる前に、多くの間違いが起こる可能性は高い。今後、人間がもしそう望むならば、わたしたち、人類の兄たちの助けと経験を役立たせることができる。わたしたちは、求められればいつでも援助し鼓舞する用意がある。
かくして、今の時期は前例のない時であり、あらゆる状況においてわたしたちヘルパー(援助者)はすぐ傍らにあり、人間の自由意志を侵さないように気をつけながら、長い間蓄積してきた智恵と、苦労して勝ち得た経験と知識を喜んで提供したいと願っている。
今日大切なように思われるものの多くが去り、より簡素な、より自然な生き方と関係に置き換えられるだろう。あり余る豊富さの直中にあって何百万の人間が不必要に死ぬという冒涜が消え去ることは確かであろう。今日人間の精神をあまりにも醜くする不寛容さもまた消え去るだろう。より小さい、より弱い国家の資源や領土を支配し、征服し、搾取しようとする衝動は永遠に消え去るだろう。その代わりに、新しい現実感が、すべての人間との連結性と相互の権利と義務についての理解が生まれるだろう。人々と国家は法の規制に基づいて、そしてすべての人間のための平和と安全についての必要条件に基づいて生きることを求めるだろう。
間もなくそのような過程の始まりが姿を顕すだろう。すでに、未来に目の焦点を合わせる人々が彼らの洞察を伝えており、注目を得つつある。ますます多くの人々が彼らに導きと確約を求め、このようにして新しい思想が根を下ろすだろう。徐々に、人間の思考に変容が起こり、そして必然的に、古きものは、人生の問題に対する新しい、より健全なアプローチに道を譲るだろう。
かくして、激しく沸騰する大釜の中で、いまや未来の形態が形成されていく。その輪郭はぼんやりと本能的なものだが、しかし鋭い目を持つ者には十分に明瞭であり、人間が自分の本当のアイデンティティー(独自性)と目的に目覚めつつあり、そして時代の変転にもかかわらず、前進の道にしっかりと足を下ろしていることへの保証と希望を提供する。 (シェア・インターナショナル誌 2004年9月号)
読者質問欄
世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。
Q マイトレーヤは死すべき存在ですか。彼は人間ですか。
A 彼は実際、人間以上の存在です。彼は聖なる人間であり、あなたもそうであり、私もそうですが、問題は、私たちがそれを知らず、受け入れていないことです。彼は神聖でありその中身を知っています。神性の領域では、彼は非常に進歩し、非常に純粋なので、私たちが愛と呼ぶ聖なる原理、神のキリストの様相、神の息子の様相を体現することができます。この見地から、キリスト教徒は彼を神の子と呼び、神のひとり子と呼びます。なぜならキリスト原理は神の息子の原理だからです。しかし、彼は自分が神の無数の息子たちのうちの一人であることを知っています。私たちは皆、神の息子たちです。違いは、覚者方は自分が神の子であることを知っており、その神性を現しているが、私たちはその過程のどこかの段階にいるということです。
Q 無執着について考えるとき、普通は無関心や自己満足のことを思います。これがマイトレーヤの話されていることですか。
A 自己満足や無関心とは何の関係もありません。全く逆のことです。それは完全な関与、完全な共感、人類のために人類の中で働くことへの完全で絶対的な関心であり、同時に距離を置いて自分のしていることを無執着に行い、魂の真の性質である完全な利他性と共に働くことです。
魂の界層では、分離というもの、「私」というものは存在しません。魂には私というものがなく、求められる利他的で無執着な見解と行動を植えつけています。ですから、しばらく存続して死ぬ壊れやすい肉体や、しばらく存続して死ぬ壊れやすい感情体や、肉体と同じだけしか存続しない知性体を自分と見なさないでください──それはいずれもあなたではありません! それがマイトレーヤの言われる種類の無執着です。
編集長への手紙
シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。
光のハート

マニュエル・マガリャエスさんが撮影したハート形の写真(本誌2021年8月号)を見て、この写真をシェアしようと思い立ちました。この光でできたハート形は、2016年7月19日に自宅の居間の天井に現れました。1977年にマイトレーヤが現代世界にお入りになって以来、毎年その日には、いつも『記念日のお祝い』をしてきました。
光の源を見つけようと両腕を振り動かしてみても、どこから来た光なのかわからないままでしたが、その時間にまだ太陽は出ていました。時折それが再び現れるので、私はいつも見るのを楽しみにしています。
呼びかけ
私たちの情報をウェブサイトだけで受け取る人が増え、シェア・インターナショナル誌を購読するためのわずかな費用を惜しむ人が増えていることに気づきました。
誰もがインターネットを使えるわけではないし、そうであるわけでもありません。つまり、印刷された雑誌が必要です。もちろん、それにはボランティアによる多くの作業と、制作・配布のための多くの資金が必要となります。ハイアラキーはこの仕事のためにお金を出しているという考え方があるかもしれませんが、そうではありません。シェア・インターナショナルの購読料は、私たちの活動を維持し、一般の人々に届けるために不可欠なものです。購読料は可能な限り低く抑えられており、雑誌は広告による補助を受けておらず、印刷代や郵送料は常に値上がりしています。
インターネット上の情報を読む読まないにかかわらず、この活動を真剣に信じるすべての人が、この雑誌を支援したいと思うことは、きっと誰もが認めることでしょう。
ご支援ありがとうございました。
時代の徴
ここに掲載されている「時代の徴」は、過去にベンジャミン・クレームによって確認されたものであるか、または確認されたものに似たもの、あるいはそれ自体が物語っている「徴」として掲載した。それらは多くの人に目撃され、彼らの希望と信の証しとなっている。判断は読者のみなさまにお任せしたい。
空の徴


アメリカ──2021年7月31日、ペンシルバニア州フィラデルフィアでビデオ撮影された、雲間から現れた光るリング型の飛行物体。「このようなものは今まで見たことがありません」と目撃者は語った。
(mufon.com)

2021年9月7日、L・Hさんは輝く光の十字架に初めて気がついた。午前3時頃、彼女の2匹の飼い猫が何かを知らせてきたので猫の後について浴室へ行くと、そこに光の十字架があった。
L・Hさんはその光の十字架から平和と畏敬の感覚を得ることができた。また、その十字架は、これから自分が受けようとしている治療を受けた方がいいのかどうかを尋ねる祈りへの答えであると悟った。
(L・Hさんから許可を得てA・Pさん提供、オーストラリア、メルボルン)
国連食料システム・プレサミットにおけるジェフリー・サックス氏の講演
ニューヨークでの国連総会の期間中の2021年9月23日に開催される国連食料システム・サミットは、2030年までに持続可能な開発目標を達成するために、地球規模の食料システムの変革のための舞台を設定するものである。 7月末にローマで開催されたプレサミット (準備会合) の間、 ジェフリー・サックス氏は、ある人を驚かせ、 ある人を喜ばせるような講演を行った。 本誌はサックス氏の好意により許可を得て、こ こに講演内容を掲載する。
パネリストの方々のお話は、地球規模の食 料システムが現在どのように機能しているかということでした。 私は強調したいのですが、地 球規模の食料システムが確かに存在しています。 それは巨大な多国籍企業と私的な利益に基づいており、 貧しい人々を援助するための国際的な移転 は非常に少ないのです (移転は皆無であることが多いです)。 環境に対する強国の極端な無責任さが原因です。 先ほどのお話のとおり、 それは貧しい人々の経済的権利の極端な否定に基づいていま す。….
そうです。私たちには地球規模の食料システム がありますが、違ったシステムが必要なのです。そ の違ったシステムは、 世界人権宣言における普遍的な人間の尊厳の原則、 国連憲章における国家主権の原則、 そして世界人権宣言と、 経済的、社会 的および文化的権利に関する国際規約における 経済的権利に基づくものでなければなりません。 世界人権宣言では、 社会的保護は人権であり、 た だ単に 『良いこと』 もしくは気持ちの良いことであるだけではなく基本的人権であることに、すべ ての政府が合意しました。 それは73年前のことで した。….
先ほど世界銀行の方から、 開発金融を大幅に増 やす必要があるというメッセージをお聞きしたかっ たと思います。 しかし、 そのメッセージを聞くことはできませんでした。 世界銀行から、 実際の数字 や解決策への資金供給の話は何も聞けませんで した。
次の10年間での開発途上国の実際の資金的ニー ズは、数兆ドル規模になります。 結局のところ、 世界経済の年間の支出額は現在およそ100兆ドルです。それでも私たちは、 貧しい国々の本当の資金 的ニーズについて話したくないのです。 貧しい国々への開発金融の流れを大幅に増加させる必要 があり、それは裕福な国々が支払うようなゼロに近い金利でなければなりません。 貧しい国々に十 分な期日で十分な資金の流れがあれば、 私たちはSDGsの達成などを行うことができます。….
世界の核-中心的な機関としての国連が必要です。 私たちが平和的で文明化された世界を持つ唯一の方法は、 強力な国連を持つことで す。ニューヨーク市の予算が約1,000億ドルであるのに対して、国連の基幹予算が30億ドルにすぎないのは馬鹿げています。 私たちは国連システムを慢性的な資金不足の状態にしておいて、 「なぜ物事 がうまくいかないのだろうか」と問いかけます。
裕福な人々は、 あらゆるものをますます貯蔵しています。 もし億万長者が宇宙に行きたいと思う のであれば、彼らは少なくとも、地球上の重大な 問題を解決するための資金を地球に残すことができるでしょう。 現在、 2,775人の億万長者がいて、 合計の純資産額は約13.1兆ドルと推定されています。 信頼できる筋から聞いた話ですが、 快適に生活するために10億ドル以上は必要ないそうです。 すべての億万長者が10億ドルを保持したとしても、 飢餓や貧困や環境破壊を終わらせるために、 およそ10兆ドルが残ることになるでしょう。 私たちは、 文明世界への資金供給を支援するために、 膨大で急速に増加している億万長者の富に課税しなけれ ばなりません。
(詳しくはwww.jeffsachs.org を参照)
ジェレミー・レント氏との対談 疎外に対する解毒剤
フェリシティ・エリオットによるインタビュー
ジェレミー・レント氏は作家、講演者、非営利団体「リオロジー研究所」の創設者である。著書『意味の網』の書評がシェア・インターナショナル誌8月号に掲載された。
シェア・インターナショナル(以下SI):あなたの本について、聞かれればどんなコメントができるだろうかと考えていました。次のものに落ち着きましたが、あなたはどのように思われるでしょうか。ジェレミー・レント氏の最新刊『意味の網:宇宙での私たちの場所を見つけるために科学と伝統的な知恵を統合する』は、疎外に対する解毒剤である、というものです。
ジェレミー・レント:素晴らしい描写の仕方ですね。この本の本質的なテーマは、現代の世界観がいかに分離だらけであるかということです。この本は、分離が人間の経験や文明の方向にとって危険で害悪があるということだけでなく、全く間違ってもいるということを明らかにしています。別の世界観があります──つながりという世界観であり、世界中の伝統的な知恵の文化だけでなく、現代科学も指摘しているものです。それは、個人としての私たち自身や、地球に関連してすべての種にとっての、信じ難いほど肯定的な前進の道を示している見方です。
SI:現在の支配的な現実観は危険だと述べておられますね。どうしてそうなのか説明していただけますか。
レント:最も明白な理由の一つは、その現実観が文明そのものを、私たちが一部である「生きている地球」との、このような信じ難い不均衡へと追いやっているということです。私たちは皆、この状況が今世紀になって突きつけている気候崩壊と恐ろしい危険のことを知っていますが、それよりもさらに広範なのは、私たちが引き起こしている生態系全体の破壊です。もし転換を図らなければ、何らかの形の文明の崩壊へと至るでしょう。それよりさらに重要かは分かりませんが同じくらい重要なのは、この惑星上のいのちの豊かさと多様性の多くの崩壊です。とてつもない規模で起こっているため、極めて危険です。
しかし、それは一人ひとりにとっても危険です。幸福感を奪い去ってしまうからです。現代の消費文化は、私たちが人生に満足しないように設計されており、長期的な幸福の道から私たちを遠ざけます。
SI:広告や大量消費主義の仕組みはとても狡猾です。一つの側面は次のような宣伝文句です。「欲しいでしょう。必要でしょう。あなたはそれに値しますから、買った方がいいですよ」。人間のいのちの価値は、知らぬ間にそうした考えと結びつけられ、人々はつい買ってしまいます。
レント:それは全く真実です。本当の統合的な幸福を培うことを取り上げた章で、このことについて詳しく掘り下げています。幸福とは実際のところ何を意味するのかを見てみると、消費社会はまさしく幸福をかき乱すように設計されているということが分かります。もっと油断がならないのは、私たちが集団として生活し、何百万年もかけて発達させてきた特定の中核的な人間の特徴があるということです。私たちは強力な道徳的感情を発達させてきました──周りの人から敬意を払われたい、のけ者になりたくない、自尊心を持ちたいという欲求のような感情です。しかし、広告戦略家が行ってきたことは、そうした感情を分析して倒錯させ、社会の福祉について私たちが持つ感覚をかき乱そうとすることです──そのようにして、必要だと告げられる商品を購入することで自己有用感が得られます。しかも、感情のレベルだけでなく、甘いものや油っぽいものを求める生理的な欲求までも利用し、心理面にも同じ働きかけをします。今では、金もうけのためだけに、私たちの性質のこうした多様な要素を操作するための洗練されたアルゴリズム(一連の手順)さえも存在します──これは本質的に、私たちをコンシューマー・ゾンビ(次から次へと買い続ける消費者)になるよう仕向けるものです。
SI:そのとおりです! それをお聞きしたところで、あなたの本の構成の話に入りたいと思います。とても魅力的な構成になっていますね。「私は誰か」という、ちょうどあなたが書き始めているところから話し始めるべきでしょう。私たちのアイデンティティー(独自性)が操作されていることについて話しているからです。
レント:この本は実際、いくつかの大きな疑問を中心に構成されています。「私は誰か」「私はどこにいるのか」「私は何なのか」「私はどのように生きたらよいのか」「私はなぜいるのか」といった疑問です。いずれの場合にも、こうした疑問に対する現代の主流の答えを見ていくと、その答えは科学的に間違っているだけでなく、有害であるということが分かります。それからこの本は、こうした疑問に対する異なった答えの可能性を探っています。
「私は誰か」について検討するときは、現代の世界観が私たちに告げていることから始めるのが最適でしょう。それは実際のところ、デカルトの有名な言葉「我思う、故に我あり」で始まり、そして終わります。デカルトや彼に続く多くの人が述べたことは、私とはその思考能力であり、概念化する能力を持つ脳のその部分であり、知能テストで測定できる部分であるということです。それが本当の自分であり、「私」のその部分はこの肉体に宿っている。肉体は機械であり、私の思考を司る部分を支えるためだけにあるというのです。
もちろん、もしそれが本当なら、動物は私たちのように象徴的な方法で考えることができないので、動物が実際のところ存在しないのは明らかだということになります。動物は単に、私たちが搾取する物的資源として存在するということになります。私たちは本当のところ、自分自身の肉体存在から分離し、自然界から完全に分離しているというのです。自然界のすべてはただ私たちのために存在するものと考えられます──私たちだけが真の存在だというのです。しかし、それが根本的に間違っていることを現代生物学は明らかにしています。
私たちは確かに、デカルトが語ったその部分でありますが、「生きた意識」でもあります。私たちは生きた存在であり、それをすべてのいのちと共有しています。
SI:「生きた」という言葉は、意識や認識を意味するために使っているのですか。
レント:はい。知覚、感受性のことです。生きているすべての存在に内在するものです。現代生物学が明らかにしたのは、私たちが自慢することのある概念的知性よりも、この知覚は多くの点でずっと賢く、ずっと深く、より複雑であるということです。概念的知性は私たちの一つの側面にすぎません。氷山のてっぺんを見て、そこにあるけれども目に見えない広大な知性を考慮に入れないようなものです。
知性を持つのは特定の動物だけではなく、樹木さえも知覚を持つことを生物学者たちは明らかにしています。樹木はおよそ30~40の異なった感覚を持っています──私たちよりも多く持っています。それらをすべて統合し、そうした感覚に基づいて一瞬一瞬、判断を下します。樹木は一種のワールド・ワイド・ウェブ(世界に張りめぐらされた網)の中でお互いに意思疎通を図ります── 一つの共同体として意思疎通を図り、資源を共有し、知性を共有しています。樹木だけではありません。細胞生物学者たちが発見したのは、すべての微小な細胞(人体にあるのはおよそ40兆個)には何十という通路があり、細胞はそれを通して周囲の状況を監視し、何を取り込み、何を外に出すかを決め、複雑な方法で自らを組織立て、周りの細胞の共同体と一緒に働いて、何をしたらよいかを決めます。それが自然界のすべてにある知性であり、私たちが共有しているものです。
私たち自身のこうした二つの部分──生きた知性と概念的知性──を認識し、私たちとは統合された心身の知性だということを認識すれば、もっと統合的な人生を送り始めることができます。
SI:それをお聞きしたところで、あなたが取り上げている次の疑問、「私はどこにいるのか」に移りたいと思います。
レント:私たちが当然と見なしていること、つまり、私たちは連結していないバラバラの宇宙に生きているということを検討することから始めるのが最適でしょう。ここ数百年間、現代科学は、事物を理解するために事物を分析し、より小さな部分へと分解することを大がかりに行ってきました。それは還元主義です──あらゆるものをできる限り分解することです。私は還元主義に何の反感も持っていませんが、人々は宇宙全体を説明するのにこの方法を用います。私たちはバラバラの宇宙に生きており、分離した別々の部分を見ることによって宇宙を理解することができるといいます。現代科学はそうした概念を拒絶します。システム科学、複合科学、システム生物学、そしてネットワーク理論さえも、すべてが事物のつながりを調査する科学です。そうした科学が明らかにしたのは、事物のつながりが、事物そのものよりも理解にとってはるかに重要だということです。
中国の「理」という概念は、仏教や道教、儒教を、宇宙を理解するための統合的な方法にした賢者たちの学派、朱子学派に由来します。宇宙は「気」から成っていると彼らは理解しました。気は、エネルギーと物質であると考えることができます。「理」は、すべてのそうしたエネルギーと物質が結びつき合って、私たちが経験するあらゆるものを形成する拠り所となる原理と考えることができます。同じように、現代において科学者たちは、いのちや全宇宙を創造するためにすべてのものが自らを組織立てるための原理を調査しています。そうした自己組織化の原理は、複雑なシステムを理解するための鍵です。複雑なシステムとは、私たち自身や私たちの社会、いのち全般のことです。
ですから、「私たちはどこにいるのか」という疑問に対しては、複雑な、結びつき合った宇宙に生きているという答えになります。他のすべてのものが生きる拠り所となる同じ原理により私たちは生きています。何十億年もかけて発達してきたいのちの複雑さと、現代生物学が明らかにしているその複雑さにおける大きな飛躍はすべて、より良く協力する方法を学んだ異なる有機体から生じた飛躍でした──自らの技能と能力を分かち合うことによって、相互に有益な共生関係を発展させることができたのです。そうした共生関係は、いのちの豊かな多様性の基盤になるものです。
SI:あらゆるものには居場所や意味、目的があるということや、すべてが組み合わさっているということ、すべてが必要とされているということを、人々は理解し始めていると思います。私たちは不幸にも、自分たちが自然界に引き起こした破壊を通してこれを理解しました。連鎖の一つの小さな連結部を壊せばどうなるかを理解しています。
私たちが誰であり、何であり、どこにいるかをいくらか知ったところで、あなたが問いかけたとても大きな疑問を扱うところまで来ました。もしいのちがそれ自体により自ら組織立つとすれば、「私はどのようにあるべきか、どのように生きるべきか」という疑問です。あなたのような多くの思想家はこう述べています。「今は極めて重要な瞬間である。私たちは移行しなければならない。変わらなければならない。この機会をつかむ必要がある」と。それでは、私たちはどのように生きるべきなのでしょうか。
レント:私たちすべてがこのような問いかけをすることが、これほど大切になったことはかつてほとんどありませんでした。またしても、主流の文化からは、自然界を最大限に搾取すべきだと聞かされます。別々の個人として、他のあらゆるものを犠牲にして、自分自身の幸せと自由を追求するためにどんなことでもすべきだといいます。そのようにしていると、何かの魔法によって、もっと効率の良い社会が創造され、すべての人が勝者になるというのです。
SI:こうした支配的な神話がどのように資本主義を益することになるかを理解しておられますね。こうしたアイディアは互いに完全にかみ合っています。
レント:おっしゃるとおりです。実際に、偶然ではありません。その二つがかみ合っているのは、存在論的に見て同じ根から形成されているからです。今日の私たちの価値観や経済、グローバル文化を駆り立てている世界観の鍵となる要素のいくつかは、17世紀以降、あらゆるものを変革した科学革命に由来します。ヨーロッパの数カ国が自国の利益のために世界を支配した際の資本主義、植民地主義をご覧ください。人種差別、白人優越主義さえも、すべて17世紀あたりにヨーロッパの同じ場所で始まりました。それらはすべて、同じ根本的な理解に由来します。つまり、採取、搾取はやってもよいことであるだけでなく、人間がやるべきことだという考え方です。
他の生き方はあるのでしょうか。非常に多くの偉大な知恵の伝統が私たちに示していることを私は伝えているにすぎませんが、別の生き方は確かにあると私は信じています。それは、私たちが相互に深く結びついているという認識に基づいています。私たちは、いのちであるということや、周りすべてにあるこの偉大な生きた知覚の一部であることをいったん認識すれば、次に認めなければならないことは、私たちがすることの多くは人間優位の考え方に基づいているということです。人種差別の土台となっている白人優位だけでなく、自然界のすべてが私たちのためだけに存在するという考え方です。現時点においてより啓発されている人々でさえ、いまだに主流派が考えるように考え、次のようなことを思いつきます。私たちはもっと持続可能になる必要がある。そうすれば、数世代だけでなく、ずっと長く繁栄できるようなやり方で自然界を利用することができるといいます。それは地球を破壊するよりはましですが、アルネ・ネスの言う「エコロジカル・セルフ(生態学的自己)」についての理解へはまだ移行していません。アルベルト・シュバイツァーの言葉を借りれば、「私は、生きようとする大生命の只中にいる、生きようとするいのちである」ということです。彼は続けてこう述べています。「したがって、私はすべてのいのちに畏敬の念を抱かざるを得ないのである」と。「私たちはいのち全体だ」というような理解へと移行するとき、すべてのものとの関係の仕方が完全に変わります。….
しかし、相互に深く結びついた場所として世界を見ると、私たちの人生の意味がそこから生じていることが分かります。意味そのものが、つながりの一つの働きだということを私たちは知っています。これは、知覚力のある存在として、意味への波長の合わせ方を通して私たちがこの宇宙の中で行っていることです。意味は、私たちの周りすべてに潜在しています。私たちには選択の余地があります。目を閉ざして、マヒ状態に陥ったままでいることもできるし、この宇宙に本来備わり潜在しているそうした意味に満ちた世界に精神を同調させることもできます。私たちがそうしたものとつながることを選択すれば、ですが。
科学で説明する魂の存在
クロード・シャボッシュ
魂の存在は科学的に証明できるのだろうか? フィリップ・ギルマンにとってそれは完全に確かなことである。
フィリップ・ギルマン博士はフランス国立科学調査センター(CNRS)の調査技官で物理学者である。彼はエクス=マルセイユ大学の物理学科を卒業した(博士号を取得し、博士課程の学生を指導する資格を持つ)。理論物理学、神経科学、人工知能、非線形システム論を結びつけるコンピューター技術に基づく学際的研究を実践している。
彼は魂を次のように定義している。「それは、時間の外側で進化する非物質的情報システム、すなわち非機械的で、その進化は物理法則には予測できない。それは、過剰エントロピー(無秩序)を排除することによって肉体の生存を保証する。最後に、死後にもその情報を保存する」。….
ギルマンの意識モデル
彼の理論の発端は、ギッタ・マラスの『天使との対話』という本を読んだことである。科学的、霊的な彼の探求は、意識の性質への問いにつながり、その著書『意識の物理学』の中で、四つの波動的「レベル」から構成される意識のモデルを提示した。彼のモデルにおいては、魂は第二と第三のレベルを表し、第一のレベル──マインド(知性)と第四のレベルであるアニマとをつなぐものとなる。….
『スピリットの頂点』という別の著書の中で、彼は、意識は生きており、通常の人間のレベルでは知覚できないと述べている。彼は著書の中で、光と同じように、愛は宇宙の根本的なエネルギーであり、このエネルギーがその仕事を進化させるために多様な意識に分かれたのだと書いている。このエネルギーが私たちを意識の最高レベルに進化させることができる、なぜならそれは普遍的知識にアクセスし、スピリットの扉を開けるからである。….
科学と霊性の架け橋としての魂
科学は概して、人間を生物学的機械に変容させてヒューマニズム以上のものに導く優れた実利主義的な宗教と類似している、とギルマンは正しく説明している。『意識の物理学』という著書の中で彼は、自分の魂のモデルはダークマターとエネルギーを説明可能にし、物理学の説明可能性と信頼性を回復するだろうと述べている。それは最終的に、科学が存在しないものとして拒絶してきたすべての現象を理解し始めるだろう。つまり、種の方向づけられた進化、シンクロニシティ、臨死体験、プラシーボ効果、自然治癒、シャーマニズム、超心理的現象、UFO現象などである。彼のモデルはまた、コンピューターの助けで、魂の存在を証明することを可能にするだろう。そして最終的に、『天使との対話』で表現されたような、科学とスピリチュアリティの架け橋を築くだろう。それは「メロディーとリズムのように、不可分のものである」。….
Q.魂の存在の科学的な証明について何か情報をお持ちですか。
ベンジャミン・クレーム:アリス・ベイリーの教えを与えたジュワル・クール覚者は、魂の存在を証明する科学的証拠を世界に提示する栄誉はフランスの科学者によるかもしれないと述べられました。完全に厳密なものではないが、証明はされるでしょう。
シェア・インターナショナル2021年10月号
印刷版全内容
- 覚者より 前進の道
ベンジャミン・クレーム - 今月号の内容概説
- 視点
地球規模の気候行動への楽観的な見方
シェア・ギルモア - 推奨図書
ジーン・マニング、スーザン・マネウィッチ著
『隠れたエネルギー :テスラに触発された発明家たちと 豊富なエネルギーへの気づきの道』
シェリーン・アブデル=ハディ・テイルズによる推奨図書 - 誰もが理解できる方法で21世紀の資本主義を説明する
リチャード・D・ウルフ - 先住民たちは認知、互恵性、新しい社会契約を必要としている
マーティン・ゾンマーシュー - ジェレミー・レント氏との対談 疎外に対する解毒剤
フェリシティ・エリオットによるインタビュー - METO―「可能性を現実にする」
- 時代の徴
空の徴 - 国連食料システム・プレサミットにおけるジェフリー・サックス氏の講演
- エクスティンクション・レベリオンの行動
- 重要な時期における弟子の責任 第四部
アンネ・マリエ・クヴェルネヴィック - 思考(1)
アート・ユリアーンス - 読者質問欄 回答 ベンジャミン・クレーム
- 科学で説明する魂の存在
クロード・シャボッシュ - 編集長への手紙 光のハート 他
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