シェア・インターナショナル 2023年5月号

シェア・インターナショナル誌のオンライン版では、印刷版からの抜粋を紹介しています。各オンライン版には、ベンジャミン・クレームの師による完全な記事が含まれています。幅広いトピックをカバーする他の記事のほとんどは抜粋です。オンライン版には通常、Q&A、読者からの手紙、マイトレーヤ臨在の徴の写真も含まれています。

印刷版の目次は、ページの下部をご覧ください。

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師は35年近くにわたって毎月記事を提供してきました。これらは書かれた時点だけでなく、世界情勢に応じて適切な時に掲載されることを意図していました。

contents

──覚者より 人類の選択

ベンジャミン・クレーム筆記

 意識しようがしまいが、人類が向上する道は無数にある。わたしたちの観点からみれば、これらの前進への歩みは明らかに見られる。現在の混乱と危機にもかかわらず、多くのところで人間の生活の最悪の状況は速やかに緩和されつつある。非常に深刻な欠乏が存在し放置されている地域が存在することも確かである──何千万の人々がいまだに飢え、そして原因も必然性もなく死んでいる。世界の半分が正義を求めて叫ぶかたわら、他の半分は無関心と無知という陽だまりの中でひなたぼっこをしている。にもかかわらず、本当の広範囲な変化は起こっており、将来への良い前兆である。これが、人類のマイトレーヤに対する反応は熱心で速やかなものだろうという希望をわたしたちに与えてくれる。

 マイトレーヤは、世界の前に公に現れるとき、世界の再生のためのプログラムの輪郭を示すだろう。人類が多くの問題に対処する現在の方法は競争と自己利益に依存しており、非常に欠陥があることを示すだろう。現在の緊張と危険は、無関心と貪欲によってつくり出される不均衡の直接の結果であることを、協力によってのみ世界の問題は解決され、貧困で飢えている人々に食糧が与えられ、惑星の健康が確保され、戦争が忘れられた過去の悪夢となることを、示すだろう。

 人々は耳を傾け、討議し、自らの態度を決めるだろう──同胞愛と分かち合いを受け入れてそれに基づいた新しいより良い生活様式を創造するか、あるいはさらに深く退廃と暴力に落ち込み、そして最終的に自己破壊へと突っ込むか。
 人類は選択をしなければならない。至るところに住む男女は、これがその新しさと壮大さにおいて想像できないほどの人生への選択か、あるいは人類自身の手による屈辱的な死への選択か、そのどちらかの選択をしなければならないことを理解すべきである。破れて、底知れない奈落へと這っていくよりも、大胆に未来に立ち向かい、共に新しい世界を築くほうがより良い。

 では読者の皆さんはどのような選択をするだろうか。あなたの人生(のサイコロ)をどのように投げるだろうか。マイトレーヤと共に立ち、正義と自由への彼の呼びかけに応えるだろうか。分かち合いと愛によってつくり直された世界を選ぶだろうか。あなたの神性を知り、そしてあなたの同胞の神性を知るようになるだろうか。星々につながるあなたの道はあなたの前にある現実だろうか。

 この決断、すなわちあなたの魂の選択は、あなたを歓びで満たすだろうか。そして「愛そのものの本源」へあなたを連れていくだろうか。
 マイトレーヤは、すでに彼が頼りにすることのできる者を知っておられる。マイトレーヤは、人類の心(ハート)は健全で強く、それを頼りにすることができることを知っておられる。彼の軍勢は「共通の善」のために善戦を戦う用意が整っている。至るところにいる善意の男女はマイトレーヤの臨在を感知しており、世界の必要に反応しつつある。
 マイトレーヤは、今日の男女が普遍的善のために彼らの票を投じ選択をするという運命的な機会を見逃しはしないかということに懸念を抱いていない。彼らは、恐れることなく、未来へ向かう準備ができており、奉仕することを願望している。

(シェア・インターナショナル誌2002年4月号)

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。

Q キリストの再臨に関して仏陀が果たすべき役割は何ですか。

A 仏陀は、一般にはあまり知られていませんが、非常に強力な果たすべき役割を持っています。彼は終始マイトレーヤと共に、ある意味でマイトレーヤの背後で働きます。彼はもはや肉体を持っていませんが、肉体を放棄し、私たちの惑星の最高の霊センター、つまりシャンバラ、ゴビ砂漠のエネルギー・センターにおられます。そこには世界の主(サナット・クマラ)と彼を囲むクマラ方、そして仏陀(ゴータマ仏陀ではなく、ゴータマを通して働かれた方。ゴータマ王子はもはやこの太陽系にはおらず、シリウスにおられます)のような非常に進化された方々がおられます。
 仏陀はキリストの背後に立ち、東洋に関する彼の思考に影響を与えています。“仏陀の衣”と呼ばれるものに関する古い東洋の教えがあります。それは現在安全に隠されていますが、キリスト、つまり“来るべき方”によって取り上げられるでしょう。これらの“衣”は仏陀の情緒――直観性質の総計と彼の知識と思考の総計、つまり仏陀のアストラル体とメンタル体です。これらがキリスト御自身の情緒的、メンタル的装備を増大します。
 仏陀は知恵のエネルギーを体現し、マイトレーヤは愛のエネルギーを体現しておられます。東洋との関係において、マイトレーヤはこのようにして仏陀の経験を獲得し、仏陀の情緒――メンタル装備の使用を通して東洋人のマインドに、おそらく可能な他のどの方法よりもさらに深く入ることができます。
 仏陀は今、宇宙的レベルからの知恵の様相を体現しており、彼はこのエネルギーをマイトレーヤを通して世界に伝導します。
(シェア・インターナショナル誌1993年6月号)

Q 私の経験では、キリスト原理はそれを認識し、受け入れ、体現するすべての人々に利用可能なものです。私たち各々に何が可能かをコメントしていただけますか。

A 私たち各々に可能であり必然であり、運命づけられていることは、その原理を体現し、私たちの人生においてそれを実演することです。それがその意味です。それが難しいところです。「私はキリスト原理を信じる。それが私や皆の中にあることを信じる」と言うのは簡単ですが、その証拠はどこにありますか。その表現はどこにありますか。もしそうであるなら、戦争は起こらないでしょう。豊かさの中で飢え死にする人々はいないでしょう。飢える子供はいなくなるでしょう。今日世界で貧困の中にいる、絶対的貧困と呼ばれる状態の8,000万の人々は存在しないでしょう。もし人類の中でキリスト原理が実演されていれば、このいずれも存在しないでしょう。なぜなら、「キリストは私の中にいる。ロンドンや他の場所で彼に会う必要はない。キリストは私の中にいる」と人々が言うのはグラマーだからです。よろしい。キリストはあなたの中にいます。あなたはそれをどうやって示していますか。それを実演してください。キリスト原理とは、自由、正義、分かち合い、正しい関係という、その原理の性質に従って生きることを意味します。このような現実に直面しなければなりません。それがキリスト原理の性質です。

編集長への手紙

アーカイブからの二つの記事:

1982年の読者の視点

拝啓 シェア・インターナショナル誌へ
 シェア・インターナショナル誌のメッセージは、すべてのまともな心の持ち主であれば賛同するような、申し分のないものです。私はこの世界におけるキリストの存在を信じる人間ではありませんが、もしあなたの言われるキリストがはっきりと出現して、このおぞましい軍拡競争を取り除き、より良い世界をもたらす唯一の方法を語るならば、信じる方へともっと心を向けるべきだと思っています。もしも私たちや他の国々が核兵器の製造を中止したならば、第三世界の貧困を一夜にして解決することも可能でしょう。もしキリストが実在していて、こうした軍拡競争はこの世界がこれまで目の当たりにした中で最大の悪であるとはっきりと宣告しないならば、私は仰天するでしょう。もしこのことがあなたのメッセージの一つに含まれているなら、私はあまり懐疑的に感じないかもしれません。今日の世界で最も重要なことは、これらの大量破壊兵器を撤廃することです。兵器は甚だしく人道に外れており、恐ろしいほどに費用がかかり、ゾッとするほど危険なものなのです。

敬具
J.B.
英国、デボン

【ベンジャミン・クレームによるコメント:あなたは全く正しいです。兵器は人道に外れ、高価で危険なものです。マイトレーヤがこの意見に同意するであろうことは疑う余地がありません。しかしながら、この常軌を逸した軍拡競争を停止させることができるとどの程度信じるかについて、私たちの間には明らかに違いがあります。兵器はそれ自体、費用のかかるものであり、危険で人道に外れると言えるものですが、問題の原因ではなく、結果なのです。兵器は人類が危険なまでに分離し、結晶化した構造の中に囚われており、錯覚に基づいた物質主義的な安全保障に浸りきっているという事実の結果であります。軍拡競争を止めるよう大国勢に求めても、それぞれの勢力圏が相手の善意をあまりにも信用していない限り、ほとんどあるいは全く効果がないでしょう。
 このような理由から、問題の本質を追求するようマイトレーヤは勧告されます。マイトレーヤは分かち合いの原則の実現を推奨しておられます。この分かち合いという方法により、現在交戦中で敵意を持った国々は将来の見通しを完全に変更させることができます。武器が必要とされるような事態を招く政治的相違は、大体において経済的要因によるものです。経済的問題の核は、分配と再分配の問題です。分かち合いの原則を受け入れることによって、こうした経済的な差異は解決されるでしょう。そうした新しい状況の中で、武装化と戦争を終わらせたいという動機が生じるでしょう。私たちの見解では、富める者と貧しい者との分断は、核軍拡競争と同じくらい大きな脅威を世界の安定性にもたらします。こうした見解を抱くのは私たちだけではありません。ブラント委員会報告書に記載されているものの中心となっています。どんなに良い意図を持っていたとしても、分かち合いを受け入れることなく単なる非武装化を提唱する人たちは、私たちが思うに、馬車を馬の前に置いているようなものであり、失望する運命にあります。
 核兵器という悪に一方的な攻撃をするよりも、分かち合いの原則がより根本的であることを強調するのには、もう一つの理由もあります。誰でも、限られた手段しか利用できないにしても、分かち合いというアイディアを自分自身の環境の中で適用させ始めることができます。そのようにしてだんだんと、すぐ身近な社会的変化に貢献するようになります。一方、軍拡競争を停止するという決議が採択されるのは──民主主義においては──そのアイディアへの半数以上の人々の支持がある場合だけです。独裁政権下にある国々においては、軍備の政策にいかなる変化をもたらすにも、それよりはるかに多くの支持が必要となるでしょう。私たちはそのような変化をすでに何十年も待っています。したがって、分かち合いは目的を実現するためのより一層直接的で、より効果的な手段であり、私たちもあなたと共に、飢餓や貧困のない、兵器の存在する余地のない世界が成就されるのを見たいと願っているのです】

(シェア・インターナショナル誌1982年10月号)

呼びかけ

私たちの情報をウェブサイトだけで受け取る人が増え、シェア・インターナショナル誌を購読するためのわずかな費用を惜しむ人が増えていることに気づきました。

誰もがインターネットを使えるわけではないし、そうであるわけでもありません。つまり、印刷された雑誌が必要です。もちろん、それにはボランティアによる多くの作業と、制作・配布のための多くの資金が必要となります。ハイアラキーはこの仕事のためにお金を出しているという考え方があるかもしれませんが、そうではありません。シェア・インターナショナルの購読料は、私たちの活動を維持し、一般の人々に届けるために不可欠なものです。購読料は可能な限り低く抑えられており、雑誌は広告による補助を受けておらず、印刷代や郵送料は常に値上がりしています。

インターネット上の情報を読む読まないにかかわらず、この活動を真剣に信じるすべての人が、この雑誌を支援したいと思うことは、きっと誰もが認めることでしょう。

ご支援ありがとうございました。

時代の徴

ベンジャミン・クレームの師によって確認されていない「希望の徴」と「時代の徴」をここに掲載する。それらの「奇跡的な」特性を検証することはできないため、判断は読者に委ねたい。

コネチカット州のカトリック教会の奇跡

2023年3月5日、コネチカット州トマストンの町にあるセント・トーマス カトリック教会の司祭が、そこで奇跡が起こったと会衆に発表した。聖体拝領用のパンのウエハース(ホスト)を配布していた教会の聖体奉仕者の一人が、ホストが不足していることに気づき、補充できるかどうか周りを見回した。 しかし、ウエハースを保持しているシボリウム(聖体容器)をもう一度見たとき、それがひとりでに増えていった。司祭であるクロウリー神父が聖体拝領の後に容器を調べたところ、彼が最初に聖体奉仕者に与えたものよりもさらに多くのホストがあるように見えた。カトリックの伝統において聖体の奇跡として知られるこの現象は、地元のカトリック大司教区によって調査されている。教会の近くに住むネストル・エスカランテ氏は、「それは人々に希望を与えてくれます」と語った。

ベンジャミン・クレームは、「聖餐が摂られるときはいつでも、それはイエス覚者によって磁化(チャージ)され、司祭が十分に進化していれば、マイトレーヤ御自身によって磁化されます」と述べている。

(シェア・インターナショナル誌2014年6月号)

(coasttocoastam.com、YouTube: wsfb 3)

「小道の光」

グラスゴーのヴィクトリア・ロードを歩いていると、捨てられていたこの写真を偶然見つけました。 その上には、マイトレーヤによって顕された光の祝福があるようです。クレーム氏の師に確認していただけますか。

トム・リチャードソン

英国、グラスゴー

【ベンジャミン・クレームの師は、写真に写っている光の筋は、子供たちのパーティーでの光の祝福であり、マイトレーヤによって顕されたことを確認した】

プエルトリコ──2023年4月13日、カロライナ市の目撃者は、二つの物体が海に急速に降下するのを見た。一つ目は葉巻型の物体であったが、撮影できなかった。二つ目の楕円形の物体は撮影できた。(mufon.com)

マイトレーヤの出現におけるメディアの役割――選集

The role of the media in Maitreya’s emergence── a compilation

「マイトレーヤの出現におけるメディアの役割」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤの教え(『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻、第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 多くの人々は変化をやかましく要求しながらも、その到来を恐れる。彼らの心(マインド)は既成の制度やメディアによってあまりにも影響されているゆえに。マイトレーヤが間もなく出現されるとき、人々は彼の唱導する変化はすべての人間の福利のためであり、誰も未来を恐れる必要はないことを知るだろう。このようにして偉大なる主は様々な「善」のためのフォース(勢力)を結束させ、すべての人間の裡に潜在する「善意」を喚起するだろう。

(『覚者は語る 第1巻』─共通の福利─より)

Q:ある国民が他の国民よりも容易に操作されやすいのはなぜでしょうか。(2004年6月)
A:教育に力を入れず、民主的原理をあまり尊重しない国では、国民を操作する政府の力は強まります。メディアのコントロールを通した操作は、もちろん、今日政府によって用いられている最も危険な(そして最も効果的な)手段です。

(『光の勢力は集合する』)

Q:マイトレーヤはわれわれのすべての制度の変換を呼びかけられます。(1)これにはメディアも入っていると考えてよいですか。(2)ハイアラキーはメディアに対して特別のプランを持っていますか。(1986年12月)
A:(1)はい、メディアは教育という点で非常に重要な役割を持っています。マイトレーヤが人々に教えるためにメディアを使われることは確かでしょう。(2)メディアを使うためのプランは持っておられますが、それを変えるための計画はお持ちではありません。それはわれわれの責任です。

(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

メディアへの呼びかけ

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記、2008年1月12日

 人々は、マイトレーヤが本当にわれわれの中に存在し、彼の仕事を実行するという証拠を何年もの間、確かにいらいらしながら待ってきた。われわれの世界に膨大な変容が起こっていることは明確であり、その一つ一つがマイトレーヤによって予言されて、それは一般の人々にそして世界のマスコミに伝えられてきたことを考えると、この疑いがなぜ、そんなに長い間執拗に続いたのかを理解するのはおそらく困難である。
 そのような歓迎すべき出来事が確かに起こったということを──たとえ一つの仮説としてでも──受け入れることを阻むものは何か。
 世界のマスコミはこの情報のあらゆる面を知っている──しかしながら、この情報の特質についてほとんど一般の人々に知らせていない。多くのメディアの代表がマイトレーヤにお会いしたことがあり、彼が話をするのを聞いたにもかかわらず、彼ら自身はいまだ沈黙したままである。
 なぜそうなのか。この歓迎すべきニュースを一般に発表するのを抑制するのは何か。主に問題は恐怖心である──嘲笑や不信に対する恐れ=彼らの地位や職を失うことへの恐れ=自分たちが欺かれたのではないか、本当は自分が見たと思ったことを見なかったのではないか、聞いたと思ったことを聞かなかったのではないかということへの恐れである。自分の体験を脇に置いて、マイトレーヤ御自身にお任せして──もし本当に彼が存在するならば──彼が前面に出て来られて、世界に実際の臨在の姿を示すのを待つほうが容易である。
 この見解は、かように黙って待つ者たちには論理的ではあるが、マイトレーヤのような御身分のお方の出現を支配する『法』についての理解の欠如を示す。
 多くの立派な教師たちがわれわれの生活の中にやって来て、仕事をし、人間の思考と行動の表面にわずかな波紋を起こす。彼らは、彼らの道を整えるための先駆者を滅多に必要としない。しかしながら、マイトレーヤは世界教師であり、ハイアラキーの長であり、次の世界周期全体にわたって、そのような方として奉仕しようとしておられるのである。人類に対する彼の影響は計り知れない。彼の到来はまさに極めて重大な出来事であり、その前に準備が整えられなければならず、あらゆる分野・場所にいる人間に十分に説明されなければならない。
 世界のマスコミは、われわれの時代の本当の出来事を人類に知らせるために理想的な位置にある。真実を求め、知識と希望を渇望する何百万の人間はマスコミに情報を、しばしばガイダンス(導き)を求める。マスコミに携わる男女、善意の男女は、この情報について、必要ならば、彼ら自身がよく理解し、そしてそれを真剣に紹介することによって公共に奉仕する義務を持つ。そうすると、彼らは、いかにして世界を正すかをわれわれすべてに示そうとしておられるマイトレーヤを公に見るだろう。

(シェア・インターナショナル誌2008年1・2月号)

慈善だけではこの危機を解決できない

BBC「ハード・トーク」 でのインタビューを振り返る
ポーリン・ウェルチ

国連世界食糧計画(WFP)は世界最大の人道組織であり、世界の飢餓の原因に取り組みながら、飢餓に瀕した人々に食糧を供給することを使命としている。2023年3月31日、BBCのインタビュー番組「ハード・トーク(HARDtalk)」で、退任する事務局長、デイビッド・ビーズリー氏がサラ・モンタギュー氏から多岐にわたるインタビューを受けた。その中でビーズリー氏は、状況が急速に制御不能になりつつあることを繰り返し強調し、「私たちは後退しており、解決策は善意と団結した努力がある場合にのみ機能します」と述べた。

「衝撃」は続く

ビーズリー氏が6年前にその役職に就いたとき8,000万人が極度の飢餓状態にあったが、WFPが「廃業する」可能性があると彼は確信していた。しかしながら、新型コロナウイルス以前に、戦争と気候変動の衝撃がその人数を1億3,500万人に押し上げた、と彼は説明した。そして新型コロナウイルスのために、その人数は2億7,600万人となった。サプライチェーン(供給網)の混乱と負債が拡大した。その後、ウクライナ戦争により、食糧と燃料の価格が上昇し、通貨がさらに切り下げられた。そのため、現在3億5,000万人が「次の食事がどこから来るのか文字通り分からず、飢餓に向かって行進しています。胸が張り裂けそうです」。 ビーズリー氏はこれを長期的な視点で捉え、200年前には地球上にわずか11億人しか存在していなかったと付け加えた。そのうちの約95%が貧困または極度の貧困の状態にあった。「私たち人類はそれを10%未満にまで減少させました! しかし現在、ここ数百年で初めて後退しています!」。それでも、世界の飢餓を終わらせることは可能であると彼は考えている。「戦争を終わらせるなら、疑いの余地はありません。気候変動の衝撃があってもそれは可能です。しかし、戦争を終わらせなければなりません。 多くの問題を抱えた世界の各国で、極度の飢餓への対処において長期的アプローチを変更する必要があります」。….

人々に食物を提供するだけでは不十分

WFPの気候変動担当理事、ジェルノ・ラガンダ氏は「気候変動により援助制度は暴走列車に対処できる水準を超えています」と述べたが、彼はこの言葉で何を意味していたのかをビーズリー氏は尋ねられ、次のように語った。2年前には気候変動だけで3,000万人が避難を余儀なくされており、WFPが見る限り、状況は悪化の一途をたどっている。別の答えがあるはずである。「慈善は長期的な解決策ではありません」。食物さえ提供すればと考えたとしても、「それを次の千年も続けることになります」。しかし井戸の提供、土地の再生、運河の建設などの回復力プログラムにより、援助の必要性が劇的に低減される。….

億万長者は慈善家?

コロナ禍の間の平均的な億万長者の純資産の増加について、ビーズリー氏は次のように指摘している。「1日に50億ドルです! 信じられません! 信じられません!」。しかし、「短期的な現象が起きている間に」これらすべての問題を億万長者の富によって解決するよう求めているのではない。「あらゆる技術、あらゆる専門知識、知性を駆使してゲームに参加して欲しいのです。……私たちと関わっていただきたいのです。世界中の飢餓を終わらせましょう。このような時期に、世界中の人のために飢餓を終わらせることほど重要なことはありません」

国連が地球規模の水と気候の問題に関して先導する

シェア・ギルモア

世界中の水問題は──水が多すぎたり、少なすぎたり、あまりにも汚染されていたりして──多様であるが、いずれにしても危機的状態にある。国際連合はこのような状況に対応し、最初の水問題国際会議から約半世紀後に当たる2023年3月に、水問題に関する国際会議をニューヨーク本部で開催した。「世界水の日」である3月22日に始まるこの3日間の会議は、2030年までに誰もが安全な水と衛生設備を利用できるようになるという目標に向けて進歩を加速させるために企画された。この目標は、国連による国際的な合意である「持続可能な目標6」に合致するものであり、この会議がこの目標達成に向けて行動を促進させるものと期待された。

きれいな水の摂取は人の生活にとって根本的なことであるが、統計が示す指標によると、私たちはグローバルな水の危機に直面している。世界人口の約4分の1がきれいな飲み水を得ることができておらず、80万人が毎年、安全性を欠く水や、不衛生な水に由来する病気で死亡している。さらに、気候変動の影響が世界中至るところで水問題を悪化させている。世界気象機関(WMO)の報告書によると、2000年以来、洪水が134%増加しており、干ばつの期間が29%延びている。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「底なしの度を超した消費と持続不可能な物品の乱用、そしてグローバルな温暖化による水分の蒸発で、人類の活力が失われています」と総括した。グテーレス氏は各国政府に、あらゆる人がこの貴重な資源を保護し、平等かつ確実に水を得ることができるように、計画を立ててそれを実行するように要望した。….

な開発、協力、行動と並んで、五つの「双方向の対話」の一つであった。 会議は、水が気候危機や食料、エネルギー、国家の安全と切り離すことのできないグローバルな共有財産として扱われるべきであるという広範囲な合意に達して閉会した。水に関する新たな国連機関が、水に関する新たな国連科学パネルの計画と並んで創設された。さらに、新たな「水行動アジェンダ(議題)」のため、地方政府および各国政府、非営利団体、いくつかのビジネス部門など、ほぼ700のボランティア団体が登録された。….

一方、国連の最新の「気候変動に関する政府間パネル」報告書は、人類のために化石燃料の使用を早急に停止すべきであり、さもなければ、さらなる熱波や干ばつ、洪水などの災害に見舞われることになろう、と最大級の警告を発した。会議で覚えておいてほしいとされたことは、「公平と正義」に改めて焦点を当てることである──これは最も傷つきやすい人々を保護することにつながる。また、温暖化が進むに従って、水に関連したリスク(危険)が増しつつあり、さらに加速することを認識することである。行動への緊急の呼びかけが、最終的な結論である。温暖化を避けようとするわずかな努力であっても、二酸化炭素排出量をすみやかに抑えることに貢献し、最悪の気候変動を避けることができ、解決に向けて自然界の力を引き出すことができる。….

シェア・インターナショナル2023年5月号
印刷版全内容

  • 覚者より 人類の選択 ベンジャミン・クレーム筆記
  • 今月号の内容概説
  • 奉仕の歓びという贈り物 キリスト・マイトレーヤからのメッセージ
  • 視点 米国の新しい外交政策の必要性
    ジェフリー・D・サックス
  • 人類の商品化はピークに達しているのだろうか?
    トム・ハートマン
  • 慈善だけではこの危機を解決できない BBC「ハード・トーク」 でのインタビューを振り返る
    ポーリン・ウェルチ
  • 時代の徴 コネチカット州のカトリック教会の奇跡、 他
  • 国連が地球規模の水と気候の問題に関して先導する シェア・ギルモア
  • 仏陀 アート・ユリアーンス
  • 仏陀によって予言されたマイトレーヤの到来 「日は近い。 マイトレーヤの像は立ち上がる準備ができている」
  • シェル石油は、 ずっと前から地球規模の気候への悪影響を知っていた
    ジェシカ・コーベット
  • マイトレーヤの出現におけるメディアの役割―選集
    The role of the media in Maitreya’s emergence – a compilation
  • メディアへの呼びかけ 覚者より/ベンジャミン・クレーム筆記、 2008年1月12日
  • 寛容さに溢れる世界をつくる
  • 編集長への手紙 アーカイブからの二つの記事: 1982年の読者の視点、 他
  • 質疑応答 ベンジャミン・クレーム

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